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AI活用

発注書作成のAI活用購買依頼から
下書き・
送付・納期回答の確認まで

公開日:2026年10月21日

執筆:

社内の購買依頼から発注書の下書きを作り、仕入先の納期回答を照合するまでの流れ

発注書作成にAIを使うなら、発注先や単価を決めさせず、社内の購買依頼と登録済みの単価表から「発注書の下書き」と「確認が必要な項目」を出させる使い方から始めます。

この記事は、現場や各部署からの依頼を受けて、Excelで発注書を作り、仕入先へメールで送っている購買・総務・工務の担当者向けです。

購買依頼から下書きを作る指示文、仕入先への送付メール、注文請書や納期回答を発注内容と照合する指示文を、そのまま試せる形で載せています。

記事内の品目・仕入先・数量はすべて架空の設計例です。AI製品の性能試験や、導入した会社の成果ではありません。

この記事で分かること

  • AIに向いているのは、言い方がばらばらな依頼文から品目・数量・希望納期を抜き出し、登録済みの表と照らして下書きを作る作業です
  • 表に載っていない品目が依頼に含まれていた場合、AIには品番や単価を推測させず、「未登録」と明記させます
  • 発注書作成にAIを使うときに決めるべきなのは、どのAIを使うかより、照合先の品目・単価表と、担当者が確認する項目です

発注書作成のどこを
AIに任せるか

まず、発注書ができあがるまでの作業を工程ごとに分けます。

発注業務で時間がかかるのは、発注書の書式に文字を入れる作業そのものより、依頼の内容を仕入先台帳や単価表と突き合わせる作業です。

例えば現場から「いつものボルト、来週までに200本」とチャットで依頼が来た場合、担当者は品番、規格、単位、単価、納品先、仕入先を自分で調べてから発注書に書き込みます。

AIに転記と照合の下準備を頼む

AIに向いているのは、言い方がばらばらな依頼文から品目・数量・希望納期を抜き出し、登録済みの表と照らして下書きを作る作業です。

反対に、どの仕入先から買うか、単価が妥当か、予算内かといった判断は、AIに任せません。

AIが出すのは「発注書の下書き」と「人が確認する項目の一覧」までです。発注の確定と送付は担当者が行います。

工程AIに任せること担当者が確認・判断すること
購買依頼を受けるチャットやメールの依頼文から品目・数量・希望納期・納品先を抜き出す依頼者と予算、承認の有無
発注書の下書き品目・単価表と照合して、品番・単位・単価・金額を埋める未登録品目、単価の更新、発注先の選択
仕入先への送付送付メールの文面を作る宛先、添付ファイル、送付の実行
注文請書・納期回答回答の内容を発注内容と照合し、差異を一覧にする納期遅れや数量変更を受け入れるか
発注残の追跡回答が来ていない発注と、納期が近い発注を抜き出す催促するか、依頼者へ連絡するか

右の列を担当者が確認すれば、AIが依頼を読み違えても、仕入先へ送る前に止められます。

注文を受ける側との違い

仕入先から見ると、こちらが送った発注書は「受け取った注文書」です。

受け取った注文書を販売管理へ入力する作業は、FAX注文書の入力を自動化する方法で説明しています。

この記事では、注文を出す側が、社内の依頼から発注書を作り、仕入先の回答を確認するまでを扱います。

照合に使う3つの表を用意する

AIに発注書の下書きを作らせる前に、照合先になる表を整えます。

表がないままAIに依頼すると、品番や単価を「それらしく」補ってしまう場合があります。AIに単価や品番を考えさせないために、正しい値の置き場所を先に決めます。

表入れておく列の例なぜ必要か
品目・単価表社内品名、よく使う呼び名、品番、規格、発注単位、単価、単価の確認日、標準の仕入先「いつものボルト」を品番と規格に置き換えるため
仕入先台帳仕入先名、担当者のメールアドレス、締め日、送付方法、取引条件の取り決め送付先と、発注書に書く支払条件をそろえるため
発注書の書式発注番号の付け方、記載項目、納品場所、備考欄の定型文毎回同じ項目を漏れなく書くため

現場は品番ではなく「M10の50」「白い養生テープ」のような呼び方で依頼してくるため、「よく使う呼び名」の列は必ず埋めておきます。

呼び名と品番の対応を一度表にしておくと、担当者が毎回記憶で置き換える必要がなくなります。

未登録の品目は
空欄のまま返させる

表に載っていない品目が依頼に含まれていた場合、AIには品番や単価を推測させず、「未登録」と明記させます。

単価表にある単価が古い場合も同じです。単価の確認日が一定期間より前なら「単価の確認が必要」と表示させると、値上げ前の単価で発注書を作るミスを防げます。

何か月前を古いとみなすかは、仕入先との取り決めや品目の値動きに合わせて社内で決めてください。

購買依頼から下書きを作る

ここからは、架空の購買依頼を使って、AIに渡す指示文と、返ってきてほしい下書きの形を示します。

社内で利用が認められている対話型AI(ChatGPTやGeminiなど)に、品目・単価表を貼り付けたうえで使う想定です。

架空の購買依頼と品目・単価表

工事部の担当者から、次のような依頼がチャットで届いたとします。

お疲れさまです。〇〇現場分で以下お願いします。
・いつものM10ボルト 50mm 200本
・白い養生テープ 2箱
・防塵マスク 1箱(前と同じやつ)
来週水曜までに現場に届くとありがたいです。

品目・単価表には、ボルトと養生テープは登録済みで、防塵マスクは未登録という設定です。2品目とも、標準の仕入先は架空の「仕入先A」とします。

よく使う呼び名品番・規格・発注単位単価と確認日(架空)標準の仕入先
M10の50、M10ボルト50B-1050/六角ボルト M10×50 ユニクロ/100本入り1箱1箱 1,800円(税抜)/確認日 2026年8月1日仕入先A
白い養生テープ、養生白T-2050W/養生テープ 50mm×25m 白/30巻入り1箱1箱 4,500円(税抜)/確認日 2025年11月10日仕入先A

依頼の「200本」は本数で、単価表の発注単位は「100本入り1箱」です。依頼の単位と発注単位が違う場合の換算を、AIに任せきりにしないことがこの例の確認ポイントです。

架空の購買依頼について、ボルト200本を2箱へ換算して照合する例と、未登録のマスクの品番・単価を空欄で保留する例を示しています。
架空例です。単位の換算と未登録品目を確認し、確認が済んだ明細だけを発注します。

下書き用の指示文(全文)

以下の指示文の後ろに、購買依頼の本文と品目・単価表を貼り付けます。

あなたは購買担当者の補助です。社内の購買依頼から、発注書の下書きを作ってください。
発注の確定や仕入先の選択は担当者が行います。あなたは下書きと確認事項の整理だけを行います。

【守ること】
1. 品番・規格・単価・仕入先は、下に貼り付けた「品目・単価表」に書かれている値だけを使ってください。
2. 表に該当する品目がない場合は、品番・単価・金額を空欄にし、確認事項に「未登録品目」と書いてください。推測で埋めないでください。
3. 依頼の数量の単位と、表の発注単位が違う場合は、換算した発注数量と換算の式を書いてください。割り切れない場合は数量を空欄にし、確認事項に書いてください。
4. 単価の確認日が、今日から6か月より前の場合は、確認事項に「単価の確認が必要」と書いてください。今日の日付は【今日の日付】です。
5. 「来週水曜」のような相対的な日付は、依頼が届いた日【依頼日】をもとに年月日へ直し、確認事項に「納期の日付を依頼者に確認」と書いてください。
6. 依頼文にない情報(納品先の住所、現場名の正式名称など)は空欄にしてください。

【出力の形】
次の2つの表を出してください。
表1:発注書の明細(品名・規格/品番/発注数量/発注単位/単価(税抜)/金額(税抜)/仕入先/希望納期)
表2:担当者が確認する項目(品目/確認する内容/理由)

【購買依頼】
(ここに依頼の本文を貼り付け)

【品目・単価表】
(ここに表を貼り付け)

【今日の日付】は処理する日、【依頼日】は依頼が届いた日(この例ではどちらも2026年10月9日)に書き換えてください。過去の依頼を処理する場合は、日付を分けて入力します。「6か月」は例です。社内で決めた期間に置き換えてください。

AIは日付の引き算を間違えることがあります。単価表に「確認日から6か月を過ぎたか」を判定する列を作っておくと、AIの判定とExcelの判定を見比べられます。確認日がC列の場合、次の式で「TRUE」と出た行は、単価の確認が必要です。

=EDATE(C2,6)<TODAY()

下書きの見本と確認事項

以下は、上の条件で返ってくるべき形を示した設計例です。特定のAIで実行した結果ではありません。今日の日付を2026年10月9日(金曜日)とした場合を想定しています。

表1:発注書の明細

品名・規格品番発注数量発注単位単価(税抜)金額(税抜)仕入先希望納期
六角ボルト M10×50 ユニクロB-10502(200本÷100本)100本入り1箱1,800円3,600円仕入先A2026年10月14日
養生テープ 50mm×25m 白T-2050W230巻入り1箱4,500円9,000円仕入先A2026年10月14日
防塵マスク(空欄)1(空欄)(空欄)(空欄)(空欄)2026年10月14日

表2:担当者が確認する項目

品目確認する内容理由
六角ボルト200本を2箱に換算したことが依頼の意図どおりか依頼は本数、発注単位は箱のため
養生テープ単価の確認が必要。依頼の「2箱」が30巻入りの箱と同じか単価の確認日が6か月より前。依頼の箱の大きさが書かれていないため
防塵マスク未登録品目。「前と同じ」の品番を過去の発注から確認品目・単価表に該当がないため
全品目納期の日付を依頼者に確認依頼が届いた日を基準に年月日へ直し、依頼者と確認するため

金額は、ボルトが1,800円×2箱、養生テープが4,500円×2箱で計算しています。

10月9日に届いた依頼の「来週水曜」は2026年10月14日です。「現場に届く」とあるので、希望納期は現場への到着日です。表2の最後の行では、この日付を依頼者に確認します。

担当者は表1の全明細を、元の依頼と品目・単価表に照合します。数量・単位・単価・希望到着日を確認し、表2を未登録品目や追加確認を探す手がかりにします。表2が空欄でも、確認が不要という意味ではありません。

実際の運用では、同じ依頼を何度か試し、未登録品目や単位の違いで指示どおりに空欄が返るかを確かめてから、日々の発注に使います。試すときは本番の発注一覧とは別のシートを使い、試しに作った下書きを仕入先へ送らないようにします。本番では、発注書を送る直前に、発注一覧に同じ依頼番号の発注がすでにないかを確かめます。

AIの下書き全体を元の依頼と台帳に照合し、確認事項を解消した明細だけを担当者が承認して送付します。

仕入先への送付と、
納期回答の確認

発注書を送ったあとの作業も、AIに下準備を任せられます。

送付へ進めるのは、確認事項を解消し担当者が承認した明細だけです。この例では、ボルトの数量換算と希望到着日を確認し、養生テープの単価と箱の単位も確認したうえで、2品目を発注する想定です。防塵マスクは品番・単価が未確定のため保留し、発注書には入れません。

手間がかかるのは、仕入先から返ってくる注文請書や納期回答のメールを読み、発注した内容と合っているかを1件ずつ確かめる作業です。

送付メールの下書き

送付メールは、発注番号・品目数・希望納期・回答のお願いが入っていれば十分です。次の指示文で下書きを作れます。

次の発注書を仕入先に送るメールの下書きを作ってください。
・宛名は【仕入先名】【担当者名】様
・発注番号は【確認済みの発注番号】です
・本文に、発注番号、承認済みの品目の数、希望到着日を書いてください
・発注書をPDFで添付していることを書いてください
・注文請書または納期回答を、【回答期限】までにお願いする一文を入れてください
・値引きの依頼や、発注書にない条件は書かないでください
・送信者は【自社名】【部署名】【氏名】です

【承認済みの発注書の明細】
(確認事項を解消して承認した明細だけを貼り付け)

宛先と添付ファイルの取り違えは、AIの文面が正しくても起こります。送信ボタンを押す前に、メールの宛先と添付した発注書の宛先が一致し、発注書の番号が送付予定の発注番号と一致しているかを担当者が確認します。

回答を発注内容と照合する

仕入先からの回答には、「B-1050は在庫2箱、10月13日出荷」「T-2050Wは10月20日入荷予定」のように、品目ごとに違う条件が書かれていることがあります。

次の指示文で、回答と発注内容の違いだけを抜き出させます。

発注した内容と、仕入先からの回答を照合してください。

【守ること】
1. 品目ごとに、発注数量・単価・納期と、回答の数量・単価・納期を並べてください。
2. 回答の数量・単価・納期のどれかが発注と違う品目、回答に出てこない品目を「差異あり」としてください。
3. 回答に数量や単価が書かれていない場合は「記載なし」と書き、「確認が必要」としてください。
4. 希望納期は現場への到着日です。回答に出荷日しか書かれていない場合は「出荷日のみ」と書き、到着日を推測しないでください。
5. 「入荷次第」「調整中」のように日付がない場合は、納期を空欄にして「日付なし」と書いてください。
6. 回答の文面にない内容を補わないでください。差異の受け入れ可否は判断しないでください。

【出力の形】
表:品番/発注内容/回答内容/差異の有無/差異の内容

【発注した内容】
(確認事項を解消し、承認して送付した明細だけを貼り付け)

【仕入先からの回答】
(ここにメールの本文、または注文請書の文字を貼り付け)

先ほどの例で、回答が「B-1050は在庫2箱、10月13日出荷」「T-2050Wは10月20日入荷予定」の2行だけだった場合、正しい出力は次の形になります。ボルトと養生テープは確認後も例示した数量・単価で発注した想定です。保留中の防塵マスクは発注していないため、回答の差異に含めません。これも設計例で、AIの実行結果ではありません。

品番発注内容回答内容差異の有無差異の内容
B-10502箱、1箱1,800円(税抜)、希望到着日10月14日在庫2箱、10月13日出荷確認が必要出荷日のみで到着日の記載なし。単価の記載なし
T-2050W2箱、1箱4,500円(税抜)、希望到着日10月14日10月20日入荷予定差異あり希望の10月14日より後。数量・単価の記載なし

納期遅れを受け入れるか、別の仕入先を探すかは、依頼者と相談して担当者が決めます。AIの役割は、読み落としやすい差異を一覧で見せるところまでです。

別の仕入先へ切り替えるときは、送付済みの発注を取り消すことになります。取適法の対象取引では、発注の取消しも「給付内容の変更」にあたり、一方的に行うと禁止行為になることがあります(公正取引委員会「よくある質問」)。取り消す前に仕入先と協議し、理由と合意をメールで残してから切り替えます。

発注した明細と仕入先の回答を比較し、出荷日だけの回答や未記載の条件を確認してから、担当者が差異を判断します。

回答が来ていない
発注を一覧にする

発注書を送ったまま回答を確認し忘れると、納品日の直前に遅れが分かります。

Excelの発注一覧に「送付日」「回答日」「回答納期」の列を作っておけば、回答日が空欄で送付から3営業日を過ぎた行を抜き出すだけで、催促すべき発注が分かります。3営業日は例です。

送付日がD列、回答日がE列の場合、空いている列に次の式を入れ、「TRUE」でフィルターをかけます。WORKDAY関数は土日を除いて日数を数えます。祝日も除く場合は、祝日の一覧を3つ目の引数に指定します。

=AND(D2<>"",E2="",WORKDAY(D2,3)<TODAY())

納期が近い発注も同じ方法で抜き出せます。「納品日」の列を足し、回答納期がF列、納品日がG列の場合は次の式です。回答納期まで2日以内か、すでに過ぎているのに納品日が空欄の行が「TRUE」になります。2日は例です。

=AND(F2<>"",G2="",F2-TODAY()<=2)

この抽出は、AIに頼まなくてもExcelの関数とフィルターでできます。毎回同じ条件で抜き出す作業はExcelの機能で行い、文章を読む作業だけをAIに任せると、結果のぶれが少なくなります。

発注書に関わる
法令と保存のルール

AIで発注書を作る場合も、発注書に書くべき事項や保存のしかたは、手作業のときと変わりません。

取適法の対象になる取引か

対象になるかどうかは、製造や修理などを外部へ委託する取引か、取引の相手と自社の資本金・従業員数がどうかで決まります。

これまでの下請法は、2026年1月1日から「中小受託取引適正化法(取適法)」として施行されています(公正取引委員会「取適法」)。対象となる取引では、発注のときに明示すべき事項が定められています。

公正取引委員会のよくある質問では、規格品・標準品の購入は原則として「委託」にあたらず、刻印やラベルの貼付、自社仕様に合わせた切断などを指定して作らせると委託にあたる、と説明しています。ボルトや養生テープも、加工の指定があるかで扱いが変わります。判断は公正取引委員会の説明とよくある質問で確認してください。

対象となる取引では、発注書とは別に取引の記録を作り、記録した日から2年間保存する義務もあります。

書式を決める段階で、必要な項目が欠けていないかを確認します。書式を指定してもAIが項目を落とす場合があるため、毎回の下書きも確認してから発注を確定します。

送ったPDFは
電子データのまま残す

発注書をメールで送った場合、原則として電子帳簿保存法の「電子取引」にあたり、送ったPDFを電子データのまま保存する必要があります。印刷した紙だけを残す方法では足りません。

保存の要件は国税庁の電子帳簿保存法関係のページで確認できます。AIを使うかどうかとは別に、送付したPDFの保存場所とファイル名の付け方を決めておきます。

保存の対象は、送った発注書だけではありません。仕入先からメールやPDFで受け取った注文請書や納期の回答も、取引の情報が書かれていれば電子取引の保存対象になり得ます。保存の際は、改ざんを防ぐ措置や、取引の日付・金額・取引先で探せる状態にするといった要件があるため、自社の保存方法が要件を満たすかを国税庁の電子帳簿保存法一問一答(電子取引関係)で確認します。

AIに入力してよい情報か

仕入先の担当者名、取引単価、現場名は、社外に出してよい情報ではありません。

無料の個人向けAIに貼り付ける前に、社内で利用を認めたAIか、入力内容がどう扱われる契約かを確認します。初回は、この記事のような架空の品目と単価で試す方法もあります。

発注に使う道具の選び方

発注件数や仕入先の数によって、向いている方法は変わります。

方法向いている状況限界
Excelの書式と関数品目が少なく、依頼が品番で届く呼び名や文章の依頼を読み取れない
対話型AIに指示文を貼る依頼の言い方がばらばらで、件数は1日数件表と依頼を毎回貼り付ける手間があり、結果を発注一覧へ転記する作業が残る
依頼フォーム・単価表・発注一覧をつなぐ仕組み複数の部署から毎日依頼が届き、仕入先も多い作る前に、承認の流れと例外の扱いを決める必要がある

専用の仕組みでは、依頼フォームに入った内容をAIが単価表と照合し、下書きと確認事項を発注一覧に書き込み、担当者が承認した行だけ発注書のPDFを作る、という流れを組めます。

ただし、承認者が不在のときの扱いや、単価表の更新を誰が行うかを決めないまま仕組みを作ると、承認されない行が積み上がるだけです。

仕組みにする場合は、誤発注や二重発注を止める地点を先に決めます。

止める地点決め方の例
二重発注発注番号は発注一覧で1回だけ採番し、同じ依頼番号から2件目の発注書を作らせない
作成と承認下書きを作る人と承認する人を分け、承認した行だけPDFにする
金額の上限社内で決めた金額を超える発注は、上長の承認がないと送れないようにする
送信仕入先へのメール送信は担当者が行い、AIには送信させない
記録AIの下書きと担当者が直した後の版を並べて残し、試行中に数えた回数もここから拾う

販売管理や購買管理のシステムをすでに使っている場合は、そのシステムが取り込めるCSVの形で下書きを出す方法もあります。どこまでを既製品で行い、どこから追加で作るかは、AI化する業務の選び方の業務棚卸し表で比べると判断しやすくなります。

仕入先1社とよく頼む品目で試す

最初から全部の発注をAIに通す必要はありません。

例えば、毎週のように依頼が来る消耗品と、その標準の仕入先1社に絞り、品目・単価表を20行ほど作ってから試します。

2週間ほど続けて、未登録品目が出た回数、単位の換算を直した回数、単価の確認が必要と出た回数を記録すると、表の不足と、AIに任せられる範囲が見えてきます。

転記の確認方法は、転記ミスを減らすAI活用でも説明しています。

まとめ:AIに任せる
範囲と担当者が決めること

発注書作成にAIを使うときに決めるべきなのは、どのAIを使うかより、照合先の品目・単価表と、担当者が確認する項目です。

AIには依頼文の読み取りと下書き、仕入先の回答との照合を任せ、発注先・単価・納期の受け入れは担当者が決めます。

まずは、よく頼む品目の呼び名と品番の対応表を作り、この記事の指示文で2週間分の依頼を試してみてください。

依頼フォームから発注一覧、承認、PDFの送付、回答の照合までを一続きにしたい場合は、弊社が会社ごとの承認の決まりと単価表に合わせて仕組みを作り、止める地点と運用の見張りまで受け持ちます。

複数の部署からの依頼をフォームでまとめたい、発注一覧や購買管理のシステムとつなぎたい場合は、現在の発注書と単価表をもとに、まるっとAIで仕組みの設計からご相談いただけます。

よくある質問

Q. 発注書はChatGPTやGeminiなどの無料AIでも作れますか?

A. 指示文と品目・単価表を貼り付けて、下書きを作ることはできます。

ただし仕入先名や取引単価を入力してよいかは、利用するAIの契約と社内ルールで確認してください。

初回は架空の品目と単価で試す方法があります。

Q. AIが品番や単価を間違えることはありますか?

A. 照合先の表がないと、それらしい品番や単価を補ってしまう場合があります。

指示文で「表にない値は空欄にする」と指定し、担当者が全明細を元の依頼・単価表と照合し、確認事項も確認する流れにします。

指示どおりに空欄が返るかは、実際の依頼で何度か試して確かめてください。

Q. 発注書の書式はExcelのままで大丈夫ですか?

A. Excelの書式のままで始められます。

AIが出した明細を書式に貼り付け、担当者が確認してからPDFにして送る流れにします。

件数が増えて貼り付けの手間が大きくなった段階で、発注一覧と書式をつなぐ仕組みを検討します。

Q. 取適法の対象取引では、AIで作った発注書でも問題ありませんか?

A. AIで作ったかどうかではなく、発注書に明示すべき事項が書かれているかが問われます。

対象かどうかと明示すべき事項は、公正取引委員会の取適法の説明で確認してください。

書式を決める段階で項目の不足がないかを確認しておきます。

毎回の下書きでも項目の漏れがないか確認します。

Q. 仕入先からの納期回答の確認も、AIに任せられますか?

A. 回答と発注内容を並べて差異を一覧にする作業は任せられます。

納期の遅れや数量の変更を受け入れるかは、依頼者と相談して担当者が決めます。

日付のない回答は空欄で返すよう指示しておくと、読み違いに気づきやすくなります。

Q. 自動発注(在庫が減ったら発注する仕組み)とは何が違いますか?

A. この記事で扱うのは、社内の依頼を受けて発注書を作り、仕入先の回答を確認する作業です。

在庫数から発注量を計算する自動発注とは、使う情報も判断する人も異なります。

在庫の数え方や発注点の決め方は別に検討してください。

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この記事の執筆者と編集部

執筆

Web制作・デザイン出身。AIを使ったアプリ開発と業務自動化を、設計から実装まで担当しています。自ら開発・運用する経験をもとに、仕事でAIを使う手順と注意点を解説します。

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まるっとAI編集部

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