公開日:2026年10月10日

AIはアンケートの自由回答を内容別に分け、改善会議の下書きを作る作業に使えます。
採用するのは、どの回答を何に分類したか、原文へ戻って確かめられる結果です。
複数の意見を一つへ丸めず、空欄と「特になし」も別に残します。
顧客アンケートをCSVで回収しても、自由回答を読み切れず、要望の件数をまとめられない責任者向けの記事です。
企画・顧客対応の改善会議を想定し、架空回答10件から分類表と報告文を作る方法を示します。
原文・分類・指示文・報告文は編集部が作った設計例です。手作業で分類し、件数を通常の計算で確認しました。
AIに実行した結果や、顧客への導入実績ではありません。
AIは整理を助けますが、改善する内容は原文・件数・影響を見て人が決めます。
似た言い方をまとめただけでは、特定の場面の問題か、利用者全体の問題かは分かりません。
選択式の満足度集計と、自由回答の分類は別の作業です。満足度が「4」の回答者でも、予約変更には困る場合があります。
その人の回答を丸ごと「満足」へ分類すると、予約への要望が消えてしまいます。
各回答へ内容のタグを付け、タグ別に数え、最後に報告文を作ります。
原文からいきなり「重要な改善案を3つ」と頼むと、何が選ばれ、何が省かれたか分かりにくくなります。
スマイルサーベイの自由記述分析ガイドにも、分類軸の設計、出力形式の指定、原文確認が説明されています。
製品を問わず、結果を確認するための元の回答番号を残す考え方が使えます。
MicrosoftのCopilotの公式案内には、文章のテーマや感情を整理し、Excelに新しい列を追加する機能が記載されています。
利用できるかと、自社の分類ルールを表現できるかは別です。実際の契約・画面で確認してください。
10件程度を一度だけ読むなら、AIへの準備や出力点検より、担当者が直接分類するほうが早い場合があります。
一定の件数を超えれば必ずAIにすべき、という境目はありません。
複数拠点から定期的に集まり、同じ基準で読んでも集計が間に合わないなら、AIを検討します。
分類と確認を含めた作業全体が減るかを、過去の回答で比べます。

設問は「今回のサービスについて、良かった点と困った点を教えてください」とします。
受付・予約・案内のあるサービスを想定しています。
掲載データは架空です。氏名や連絡先は含みません。
一回答に複数意見があっても、原文のセルはそのまま保管します。回答番号を付け、分析表から原文へ戻れるようにします。
回答番号は投稿の番号で、人物IDではありません。 本例では一人一回答を前提とします。
複数投稿を許す調査では、回答行数と人数は一致しません。人数を出すなら、適切に管理した回答者IDで重複を除きます。
| 回答番号 | 架空の自由回答原文 | 読み取る際の注意 |
|---|---|---|
| R01 | 予約した時間どおりに始まった。入口の案内は分かりにくかった。 | 待ち時間の評価と案内の不満が同居 |
| R02 | 受付で20分待ったが、スタッフの対応は丁寧だった。 | 待ち時間は否定、対応は肯定 |
| R03 | 料金が高いとは思わない。ただ、追加料金の説明がなかった。 | 「高い」を料金への不満と判定しない |
| R04 | 予約変更が面倒で、電話もつながらなかった。 | 予約手続きと連絡手段の二つの不満 |
| R05 | スタッフが丁寧で、説明も分かりやすかった。 | 対応と説明を分けて記録 |
| R06 | 待ち時間がなく、安心して利用できた。 | 待ち時間への肯定。安全事故の報告ではない |
| R07 | 廊下の段差で転びかけた。注意する案内がなかった。 | 安全上の指摘を、案内の分類だけに隠さない |
| R08 | 特になし | 具体意見なし。満足の根拠にはしない |
| R09 | 空欄 | 分析用の表示。元データは文字のないセル |
| R10 | 使いやすいとは言えない。予約画面で次に進めなかった。 | 「使いやすい」の単語だけで肯定にしない |
回答行は10件です。具体的な意見のある回答8件、「特になし」1件、空欄1件に分かれます。
空欄を先に消すと、回収した回答と分析した回答の差を説明できなくなります。
「特になし」は、書くことがないという回答です。満足か不満かは分かりません。
意見なし・空欄を、肯定や満足へ変換しない条件を、AIへの指示にも入れます。
分析しやすくするために表記を揃える場合も、原文は残します。句読点や誤字を直した列を別に作り、修正前へ戻れるようにします。
否定の「ない」、条件の「ただ」、程度の「少し」を落とすと、意味が変わります。
「高いとは思わない」を「高い」へ短くすると、分類前に答えを変えてしまいます。

分類は待ち時間、案内、料金、説明、予約、連絡、スタッフ対応、安全の8テーマです。
一回答に別のテーマがあれば、それぞれ一つの意見として扱う設計にします。
R02は「待ち時間・否定」と「スタッフ対応・肯定」に分かれます。何を維持し、何を直すかが分かります。
R03は、料金が高いという不満ではありません。ただし安い・満足とも言い切れず、料金の評価は中立とします。
同じR03の「追加料金の説明がなかった」は、説明への否定です。
評価の基準は設問と目的に合わせます。判断が割れる文は確認待ちにし、AIの点数をそのまま不満の強さに使いません。
| 回答番号 | テーマと評価の設計例 | 記録する意見数 |
|---|---|---|
| R01 | 待ち時間・肯定/案内・否定 | 2 |
| R02 | 待ち時間・否定/スタッフ対応・肯定 | 2 |
| R03 | 料金・中立/説明・否定 | 2 |
| R04 | 予約・否定/連絡・否定 | 2 |
| R05 | スタッフ対応・肯定/説明・肯定 | 2 |
| R06 | 待ち時間・肯定 | 1 |
| R07 | 安全・否定/案内・否定。安全は別途確認対象 | 2 |
| R08/R09 | 具体意見なし/空欄 | 0/0 |
| R10 | 予約・否定 | 1 |
Excelへ戻す分類表には意見番号も付けます。R01-1を待ち時間、R01-2を案内とし、複数意見を別の行で扱います。
列は「意見番号・回答番号・テーマ・評価・根拠の原文・確認状態」とします。
R02の待ち時間なら「受付で20分待った」を根拠に残します。要約だけで判断しない形です。
本例は、一回答で同じテーマ・評価を繰り返しても一件とします。「予約が難しい。手順が多い」は予約への否定一件です。
文の数をそのまま意見数にすると、長文の回答者の影響が大きくなります。
同じテーマに肯定と否定があれば、両方の根拠を残します。
「平日は予約しやすいが土日は難しい」なら、平日の肯定と土日の否定を分けて記録できます。
本例は一人一回答なので、同じ回答番号を一度だけ数えれば人数を集計できます。
回答数と意見数は同じ単位ではありません。 本例は10回答・14意見です。具体意見のある8回答から、複数テーマが抽出されています。
分類名だけでは、R03・R10の否定表現やR07の安全問題を、期待どおり扱うとは限りません。
指示文に、残してほしい違いを具体的に書きます。
顧客アンケートの自由回答を、改善会議用に分類してください。
原文を変更せず、改善策の決定や顧客への返信は行いません。
テーマ:待ち時間、案内、料金、説明、予約、連絡、スタッフ対応、安全。
待ち時間=受付や開始までの時間。
案内=入口・場所・注意事項の表示。
料金=高い・安いなど金額への評価。
説明=内容や追加料金についての説明。
予約=予約画面・予約変更の手順。
連絡=電話などのつながりやすさ。
スタッフ対応=担当者の接し方。
安全=転倒など、身体への危険についての記述。
一回答に複数のテーマがあれば、テーマごとに分けます。
同じテーマ・同じ評価の繰り返しは、一回答につき一件にします。
テーマと評価(肯定・否定・中立・確認待ち)を別の列で出します。
「高いとは思わない」「使いやすいとは言えない」など、否定の意味を保ちます。
「特になし」は具体意見なし、文字のないセルは空欄とします。
いずれも満足や肯定へ変換しません。
安全上の指摘は件数に関係なく別の確認一覧にも出してください。
分類できない意見は確認待ちにし、新しい分類名を勝手に増やしません。
入力にない原因や回答者の気持ちを補わないでください。
出力列:意見番号、回答番号、テーマ、評価、根拠の原文、確認状態。
具体意見なし・空欄も回答番号ごとに処理結果を残します。
最後に、入力回答数、処理した回答数、具体意見のある回答数、意見数を示します。
以下に回答番号と自由回答原文を入れます。
試す前に、担当者が期待する結果を決めます。
R03は料金不満ではなく、R07は安全と案内に分かれます。R09は空欄です。
出力を見てから正解を合わせると、誤りを見つける試行になりません。
曖昧な回答、長文、否定表現、少数の重要な指摘も試します。短文だけで測った精度は、全回答に通用するとは限りません。
不一致は、分類の定義不足か、AIが定義を守らなかったのかを分けます。
「その他」が多ければ、原文を読みます。会議に必要な新しいテーマがあるか確かめます。

確認済みの分類表から、Excelでテーマ別の意見数を数えます。
一回答を一テーマだけに割り振る方式ではありません。元は10回答でも、テーマ別の意見を足すと14件になります。
| テーマ | 意見数と内訳 | 原文を確認する回答番号 |
|---|---|---|
| 待ち時間 | 3件:肯定2、否定1 | R01、R02、R06 |
| 案内 | 2件:否定2 | R01、R07 |
| 料金 | 1件:中立1 | R03 |
| 説明 | 2件:肯定1、否定1 | R03、R05 |
| 予約 | 2件:否定2 | R04、R10 |
| 連絡 | 1件:否定1 | R04 |
| スタッフ対応 | 2件:肯定2 | R02、R05 |
| 安全 | 1件:否定1。件数順位とは別に確認 | R07 |
意見ごとに一行あるテーブルを「分類表」とした場合、予約の否定意見数は次の式で数えられます。今回の例では2件です。
=COUNTIFS(分類表[テーマ],"予約",分類表[評価],"否定")
テーマに該当する回答番号の重複を除けば、回答件数を数えられます。本例では一人一回答なので、回答者数にも対応します。
同じ回答に肯定と否定の二意見があれば、意見数は二件でも回答者は一人です。
複数投稿を許す調査の人数は、回答番号ではなく回答者IDで数えます。
匿名調査で識別できなければ、人数は出しません。
Excelの版に合わせ、重複を除いた番号の一覧から数えられる形にします。
二回の分類結果を継ぎ足して集計しません。回答番号と意見番号で管理し、確認済みの一つの版だけを対象にします。
分母10件は手元の架空回答です。全利用者の人数や回収率は含まれていません。
予約への否定が2件あっても、全顧客の20%が不満だとは言えません。
割合を出すなら「全回答10件のうち、予約への否定を書いた回答は2件」と、分母を説明します。
自由回答を書かなかった人が困っていないとも、書いた人が全員の代表とも判断できません。
前回と比較するなら、設問、回収方法、対象者、分類の定義を揃えます。
分類を細かくしただけで件数が増えることもあります。増加をそのままサービス悪化と読まないようにします。
報告は、頻出テーマ、安全などの個別確認、まだ分からないことを一緒に出します。分類の多い順だけで対応順を決めないためです。
今回の自由回答は10件です。具体的な意見のある回答は8件で、
複数テーマを分けた結果、意見は14件となりました。
「特になし」1件と空欄1件は、満足・不満の判定から外しています。
待ち時間には肯定2件・否定1件、スタッフ対応には肯定2件がありました。
予約への否定は2件です。予約変更の手間(R04)と画面で次へ進めない問題(R10)は、
別の箇所を確認する必要があります。
安全について、廊下の段差で転びかけたという指摘が1件あります(R07)。
件数の少なさで後回しにせず、施設の確認担当へ原文を渡して状況を確かめます。
発生箇所や日時、実際の設備の状態は、この回答だけでは確定できません。
追加料金の説明不足は1件あります(R03)が、料金の高さへの不満ではありません。
価格変更を提案する前に、追加料金をどこで説明しているかを確認します。
以上は今回の自由回答の範囲です。全利用者の意見の割合は示していません。
下書きには、確認済みの分類表と件数表だけを渡します。回答番号を付けるようAIへ指示します。
担当者は引用の原文と回答番号を照合します。件数に未確認の分類が混ざっていないかも確かめます。
「何が書かれたか」と「原因は何か」を分けます。 R10は予約画面で困ったという報告です。
端末の故障、画面の不具合、操作手順の不足のどれが原因かは、この回答だけでは確定しません。

会議で確認が決まったら、業務管理表へ「回答番号・確認内容・担当・期限・状況」を記録します。
R07は設備の確認担当、R10は予約画面の管理担当へ渡すなど、見に行く箇所を分けます。
一回答が複数の仕事に分かれたら、どの仕事にも同じ回答番号を残します。
設備を直しただけで、案内表示の確認まで完了したとは扱いません。
個別返信が必要でも、分析番号と連絡先の対応は限られた担当者だけが持ちます。
返信の下書きはメール返信のAI活用の工程へ分けます。分析結果からそのまま一括送信しません。
原文へ戻れない、意見が落ちる、毎回テーマが変わる状態なら、会議の根拠にする前に修正します。
次の表で、症状ごとに確かめる箇所を示します。
| 症状 | 確かめる原因 | 修正する方法 |
|---|---|---|
| 料金不満へR03が入る | 「高い」の語だけで判定し、否定を落としている | 否定の例文と中立の基準を追加し、同型の回答を再確認 |
| 待ち時間とスタッフ評価が一つになる | 一回答に一分類だけを指定している | テーマごとの意見行へ分け、回答番号を保持 |
| 安全の指摘がその他に入る | 頻出テーマだけで分類名を作っている | 安全の確認一覧を設け、その他も原文を読む |
| 前月より意見が増えた | 分類定義や同じテーマの数え方が変わっている | 同じ基準で前月分も分類し直して比較 |
| 一部の回答が出力にない | 長文や分割処理の途中で回答が抜けた | 入力と出力の回答番号を照合し、未処理を再実行 |
回答を分けて処理するときも、各回でテーマ名を作り直しません。同じ分類定義を使います。
入力範囲と完了した回答番号を記録し、半分だけ成功したら未処理分を再実行します。
「待ち時間」「待ち」「受付の遅れ」が別テーマで増えたら、合算前に意味を確認します。
単純な文字置換では、受付だけでなくサービス提供中の時間を指す回答まで混ざる場合があります。
自由回答には、氏名、病歴、特定の出来事などが書かれる場合があります。
AIへ渡す前に、会社で認めた環境と共有範囲を確認します。分析に不要な特定情報は外します。
番号へ置き換えても、少人数の拠点と日時・出来事の組み合わせで、本人が分かる場合があります。
分析担当へ原文を共有する必要と、会議参加者へ引用を公開する必要も分けてください。
学習利用、保存期間、削除方法、処理を行うサービスを確認します。
回収ツール内でAI分析できても、外部処理や情報の扱いが不明なまま、安全とは判断しません。
現在のツールで、複数タグ・回答番号付きの出力・原文確認・共有範囲を扱えれば、その機能を先に試します。
毎回CSVを書き出して別のAIへ渡す工程を、新しく増やす必要はありません。
拠点ごとの形式が違う、転記が残る、確認待ちを担当へ戻せない場合は、回収後の連携を検討します。
R07のような一回答が、どの仕事へ繋がるかを相談で示します。必要な仕組みが具体的になります。
業務棚卸し表で作業を整理する方法も利用できます。分類・原文確認・担当表への転記を誰が行うか書き出してください。

過去の回答から、複数意見、否定表現、空欄、少数の重大問題を含むものを選びます。
人が期待する分類を先に決めてAIへ渡します。件数だけでなく、一件の意味が保たれているかも確認してください。
回答番号・分類の根拠・確認する担当が揃えば、分析を改善の仕事へ繋げられます。
まるっとAIへの相談では、回答CSVと、会議後に残る転記や確認作業をお聞かせください。
既存のExcelやアンケートツールを活かせるか検討できます。
よくある質問
Q. アンケート分析は無料のAIでもできますか?
A. 利用環境によっては分類の試行ができますが、使えるファイル量や回数、情報の扱いは製品・契約で異なります。
まず架空データで試し、実際の回答を渡す前に会社で認めた環境かを確認します。
Q. 一つの回答に複数の意見がある場合はどう数えますか?
A. 本記事の設計例では、テーマごとに意見を分け、元の回答番号を残します。
回答数と意見数を別々に示し、同じ回答者を二人と数えないようにします。
Q. 空欄や特になしは、満足として扱ってよいですか?
A. 満足として扱いません。
空欄と具体意見なしを別に記録し、満足・不満の根拠がない回答として集計対象と分母を説明します。
Q. AIが判定した感情を、そのまま採用できますか?
A. 否定や条件付きの表現は原文で確かめます。
一回答全体の感情だけでまとめず、テーマごとの評価と根拠を残し、判断が割れるものは確認待ちにします。
Q. 少数の意見は、その他へまとめてよいですか?
A. 安全などの重大な指摘は、件数の少なさだけでその他へ埋めません。
頻出テーマの表とは別に確認一覧を作り、原文と回答番号を担当者へ渡します。
Q. 自由回答の不満件数から、全顧客の不満割合を出せますか?
A. 自由回答の件数だけから全顧客の割合は出せません。
手元の回答を分母にする場合もその範囲を明記し、対象者や回収方法、選択式の結果と合わせて解釈します。

編集・検証について
顧客アンケートの回収後の分類と、改善会議から担当者の作業へつなぐ方法を扱っています。分類表と報告文は、架空回答を手作業で整理した設計例です。