入社手続きを生成AIで効率化するなら、まず任せるのは「入社者ごとのチェックリスト」と「入社案内メールの下書き」です。
期限の計算と社会保険・雇用保険の加入判断はAIに決めさせず、Excelの式と公的機関の原文で確かめます。
この記事は、人事システムを入れていない、または一部だけ使っている会社で、入社のたびに総務・人事の担当者が書類と連絡を手で追っている方に向けています。
会社側のチェックリスト、締切をExcelで出す式、AIへの指示文、案内メールの例文を載せ、入社初日から最初の1週間の準備までつなげて説明します。
記事内の入社者・日付・社内ルールは架空の設計例です。AIの実行結果や、導入した会社の効果を測った数字ではありません。
この記事で分かること
- 入社者の情報は、手続きの要否を決める項目だけに絞ります
- AIに不足する書類や受診日を補わせず、確認済みの一覧と社内の案内だけを使います
- 入力の手間を減らすことが目的なら、まず既製のシステムで足りるかを比べます
入社手続きで
AIと人が担う仕事
最初に、AIに頼む範囲と担当者が決める範囲を分けます。
入社手続きには、案内文や依頼文のように「書けば終わる作業」と、届出の要否や期限のように「間違えると会社の責任になる判断」が混ざっています。
生成AIで作業が速くなるのは前者です。入社者の雇用形態や配属先に合わせて、提出書類の案内、部署への準備依頼、初日の予定表を下書きできます。
| 作業 | 生成AIに任せること | 担当者が決めること |
| 入社者ごとのチェックリスト | 社内の項目一覧から、その人に必要な行を選んで表にする | 対象外にした行が本当に不要か |
| 入社案内メール | 提出書類・締切・初日の集合場所を入れた文面の下書き | 締切の日付、提出方法、個人情報の受け取り方 |
| 部署への準備依頼 | 情シス・配属先・経理への依頼文を部署別に分ける | 付与する権限と、貸与する備品 |
| 社会保険・雇用保険の届出 | 提出状況の一覧づくり、提出予定日の声かけ文 | 加入の要否、届出の内容、提出期限 |
期限と加入は担当者が確かめる
社会保険・雇用保険に加入するかどうかは、労働時間や雇用期間の見込みなどで決まります。
「この人は社会保険の対象ですか」と文章で聞くと、所定労働時間や雇用期間の見込みが書かれていなくても、AIが「対象です」と答えてしまうおそれがあります。
加入の判断は、公的機関の案内と社内の担当者(必要に応じて社会保険労務士)が行い、AIの出力には「要確認」として残させます。
日付も同じ考え方です。祝日や月末をまたぐ計算はExcelの式で出し、AIには計算済みの日付を渡します。
マイナンバーや
口座番号は入力しない
チェックリストと案内文を作るだけなら、マイナンバー、基礎年金番号、口座番号、健康状態は必要ありません。
AIに渡すのは、入社日、雇用形態、所定労働時間、配属先、扶養に入れる家族の有無といった「どの手続きが要るかを決める情報」までにします。
社内で利用を認めた生成AIでも、入力した情報の扱いは製品と契約によって違います。社外のAIに個人番号を貼らない、というルールを最初に決めておくと、担当者が迷いません。
会社側の手続きを一覧にする
ここでは、AIに読ませる元になる「社内の項目一覧」を作ります。
会社側の手続きは、内定後から入社前、入社日、入社後の3つの時期に分けると、締切の近い順に並べやすくなります。
| 時期 | 会社側の作業 | 期限・確認先 |
| 内定後〜入社前 | 労働条件通知書(雇用契約書)を作成し、本人へ明示する | 労働契約を結ぶとき。明示事項は厚生労働省の案内で確認 |
| 内定後〜入社前 | 入社案内を送り、提出書類を回収する | 社内で決めた回収締切(例:入社日の5営業日前) |
| 内定後〜入社時 | 雇入時の健康診断を行う(3か月以内に受けた健康診断の結果を本人が書面で出せば、相当する項目は省略できる) | 常時使用する労働者を雇い入れるとき(労働安全衛生規則第43条) |
| 入社前 | メール・勤怠・社内チャットのアカウント、PCや備品を部署に依頼する | 社内で決めた依頼締切 |
| 入社日 | 初日の説明、貸与物の受け渡し、本人確認書類の確認 | 初日の予定表どおりに進んだか |
| 入社後 | 健康保険・厚生年金保険の被保険者資格取得届を提出する | 事実発生から5日以内(日本年金機構) |
| 入社後 | 扶養に入る家族がいれば、健康保険被扶養者(異動)届を手続きする | 協会けんぽの場合は事実発生から5日以内(日本年金機構)。健康保険組合の場合は組合の案内で確認 |
| 入社後 | 労働者名簿を作る(氏名・生年月日・履歴など) | 労働基準法第107条。記入事項が変わったら遅滞なく訂正 |
| 入社後 | 雇用保険被保険者資格取得届をハローワークへ提出する(前職で加入していた人は被保険者番号を確認) | 被保険者となった日の属する月の翌月10日まで |
| 入社後 | 扶養控除等(異動)申告書を受け取り、給与計算に登録する | 本人が最初の給与の支払を受ける日の前日まで(国税庁) |
表の項目は、多くの会社で共通する手続きを並べたものです。住民税の切り替え、通勤手当、身元保証書など、会社ごとに異なる項目は自社の一覧に足してください。AIに貼る自社の一覧には、各作業の担当部署と本人に依頼する書類の列も足しておきます。
公的な期限は、原文で確かめる
期限は、AIの回答や他社のまとめ記事ではなく、手続きを受け付ける機関の案内で確認します。
健康保険・厚生年金保険の資格取得届は、日本年金機構の案内で「事実発生から5日以内」と示されています。マイナンバーまたは基礎年金番号の記入が必要です(日本年金機構:就職したとき(健康保険・厚生年金保険の資格取得)の手続き)。
日数の数え方に迷う場合は年金事務所に確認し、健康保険組合に加入している会社は組合の案内もあわせて確認します。
雇用保険は、31日以上引き続き雇用される見込みがあり、1週間の所定労働時間が20時間以上の人が原則として対象です。昼間学生などの例外があるため、個別の加入要件もハローワークの案内で確認します。資格取得届は、被保険者となった日の属する月の翌月10日までに、事業所を管轄するハローワークへ出します(厚生労働省:雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか!)。
労働条件の明示は、2024年4月から明示事項が増えました。すべての労働者には、就業場所・業務の変更の範囲を明示します。有期契約の人には、契約の締結時と更新時に、更新上限の有無と内容も明示します。無期転換を申し込める更新のときは、申し込める機会と無期転換後の労働条件も明示します(厚生労働省:令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます)。古い雛形のまま労働条件通知書をAIに作らせると、これらの項目が抜けるおそれがあります。パートや契約社員を雇う会社は、有期契約の項目が雛形にあるかを先に確かめてください。
雇入時の健康診断は、労働安全衛生規則第43条で、常時使用する労働者を雇い入れるときに行うよう定められています。労働者名簿は、労働基準法第107条で各労働者について作るよう定められています(e-Gov法令検索:労働基準法/e-Gov法令検索:労働安全衛生規則)。
扶養控除等(異動)申告書は、その年の最初に給与の支払を受ける日の前日までに、給与の支払者へ提出する書類です(国税庁:給与所得者の扶養控除等(異動)申告書)。
制度は改正されることがあります。チェックリストを使い始める前と、年に一度は、各機関の原文で期限と様式を見直してください。
入社日から締切をExcelで出す
締切は、入社日を1か所に入れると全部の日付が出るようにします。
次の式は、B2に入社日、「祝日」シートのA列に会社の休日一覧を入れた例です。
書類の回収締切(入社日の5営業日前)
=WORKDAY(B2,-5,祝日!A:A)
情報システム担当へのアカウント依頼の締切(入社日の3営業日前)
=WORKDAY(B2,-3,祝日!A:A)
貸与物の準備の締切(入社日の前の営業日)
=WORKDAY(B2,-1,祝日!A:A)
社会保険の資格取得届を出す社内目標(入社日の2営業日後)
=WORKDAY(B2,2,祝日!A:A)
雇用保険の資格取得届の期限(入社した月の翌月10日)
=DATE(YEAR(B2),MONTH(B2)+1,10)
「祝日」シートのA列には日付だけを入れ、見出しの文字は入れない形にしておきます。土曜日も営業日の会社は、休みの曜日を指定できるWORKDAY.INTL関数を使います。
例えば入社日が2026年11月2日(月)の場合、書類の回収締切は10月26日(月)、アカウント依頼の締切は10月28日(水)、貸与物の準備の締切は10月30日(金)になります。
11月3日は文化の日です。休日一覧に11月3日を入れておくと、社会保険の社内目標は11月5日(木)になります。休日一覧が空なら11月4日(水)と出るため、祝日シートを毎年更新することもチェックリストに入れておきます。
雇用保険の式は、12月入社でも翌年1月10日を返します。Excelの日付関数は13月を翌年1月として扱うためです。
社内目標は法定の期限より前に置きます。連休があると「2営業日後」が法定の期限を過ぎる場合もあるため、計算した日付を確認済みの法定期限と毎回比べ、必要なら前倒しします。早めに置くのは、書類の不備で差し戻されても間に合うようにするためです。目標日の決め方は会社の体制に合わせてください。
入社者ごとの一覧を作る指示文
社内の項目一覧と、Excelで出した日付がそろったら、入社者1人分のチェックリストをAIに作らせます。
全員に同じ一覧を配ると、パートの人に正社員だけの手続きが混ざったり、扶養家族がいる人の届出が漏れたりします。
AIに渡す入社者の情報
入社者の情報は、手続きの要否を決める項目だけに絞ります。氏名は社内の管理番号に置き換えても進められます。
| 項目 | 架空の入社者の例 | 使い道 |
| 管理番号 | N-001 | 氏名を入力せずに、表とメールを結び付ける |
| 入社日 | 2026年11月2日(月) | Excelで締切を計算する起点 |
| 雇用形態・所定労働時間 | 正社員(期間の定めなし)・週40時間 | 社会保険・雇用保険の確認行を出す |
| 前職 | あり(2026年に給与の支払あり) | 前職の源泉徴収票と、雇用保険の被保険者番号の確認行を出す |
| 扶養に入れる家族 | 配偶者1人を予定 | 被扶養者の届出と、確認書類の依頼行を出す |
| 配属先・勤務場所 | 営業部・本社勤務 | 部署別の準備依頼を出す |
下書きに必要な情報へ絞り、加入の判断は担当者が行います。
チェックリストを作る指示文
次の指示文は、そのまま貼って使える設計例です。【】の部分を自社の内容に置き換えてください。
あなたは中小企業の総務担当者の補助です。
次の「社内の項目一覧」と「入社者の情報」から、この入社者1人分の入社手続きチェックリストを作ってください。
# 守ること
- 社内の項目一覧にない手続きを追加しないでください。追加したほうがよいと考える手続きは、表の下に「追加の候補」として分けて書いてください。
- 社会保険・雇用保険に加入するかどうかを判断しないでください。該当する行の「確認すること」に「加入要件を担当者が確認」と書いてください。
- 日付は「計算済みの日付」に書かれたものだけを使ってください。自分で日付を計算しないでください。日付が無い行は「日付未設定」と書いてください。
- 入社者の情報から判断できない行は削除せず、「確認すること」に不足している情報を書いてください。
- 担当部署と本人に依頼する書類は、社内の項目一覧に書かれたものだけを使ってください。一覧に書かれていない行は、推測で埋めずに「一覧に記載なし」と書いてください。
# 出力の形
表の列:時期/作業/担当部署/期限/本人に依頼する書類/確認すること
並び順:期限の早い順。日付未設定の行は最後。
# 社内の項目一覧
【自社の入社手続き一覧を貼る。列は「時期/作業/担当部署/期限・確認先/本人に依頼する書類」】
# 計算済みの日付
書類の回収締切:2026年10月26日(月)
配属先の上司への予定作成の依頼締切:2026年10月26日(月)
アカウント依頼の締切:2026年10月28日(水)
貸与物の準備の締切:2026年10月30日(金)
社会保険の資格取得届の社内目標:2026年11月5日(木)
被扶養者(異動)届の社内目標:2026年11月5日(木)
雇用保険の資格取得届の期限:2026年12月10日(木)
# 入社者の情報
管理番号:N-001
入社日:2026年11月2日(月)
雇用形態:正社員(期間の定めなし)、所定労働時間は週40時間
前職:あり(2026年に前職から給与の支払あり)
扶養に入れる家族:配偶者1人を予定
配属先:営業部、本社勤務
指示文の中心は、AIが「書かないこと」を決めている3行です。項目の追加、加入の判断、日付の計算を禁止し、分からない行は消さずに残させています。
出力の例(想定・一部抜粋)
次の表は、指示文が狙う出力の形を示すために手で作った想定例の一部です。AIで実行した結果ではありません。全体を作る際は、労働条件通知書や労働者名簿など、登録済みの全行が含まれているか確認します。
| 時期 | 作業 | 担当部署 | 期限 | 本人に依頼する書類 | 確認すること |
| 入社前 | 入社書類の回収 | 総務 | 2026年10月26日(月) | 扶養控除等(異動)申告書、雇用保険の被保険者番号が分かる書類、扶養の確認書類、前職の源泉徴収票 | 前職の源泉徴収票は届き次第で可とするか |
| 入社前 | アカウントとPCの準備依頼 | 情報システム担当 | 2026年10月28日(水) | なし | 付与する権限を担当者が決めたか |
| 入社後 | 健康保険・厚生年金保険の資格取得届 | 総務 | 2026年11月5日(木) | なし | 加入要件を担当者が確認 |
| 入社後 | 健康保険被扶養者(異動)届 | 総務 | 2026年11月5日(木) | 扶養の確認書類 | 配偶者の収入など、扶養の条件が分かる情報が不足。認定の要件は担当者が確認 |
| 入社後 | 雇用保険の資格取得届 | 総務 | 2026年12月10日(木) | なし | 加入要件を担当者が確認。前職の被保険者番号 |
表にない日付は「日付未設定」、判断に足りない情報は「情報が不足」として残ることが、この指示文の狙いです。空欄を埋めた表より、担当者が次に何を確かめるかが分かる表のほうが、手続きの漏れを防げます。
出力の確認で見るところ
AIの出力は、そのまま本人や部署へ送らず、担当者が次の3点を確かめてから使います。
| 確認すること | 見る場所 | 見つけたときの直し方 |
| 項目一覧にない手続きが混ざっていないか | 表の本体と「追加の候補」 | 必要なら社内の項目一覧に足してから作り直す |
| 期限がExcelの日付と一致しているか | 期限の列 | Excelの日付に直し、AIが計算した日付は使わない |
| 被扶養者の届出など、本人の状況で増える行が残っているか | 扶養・前職に関する行 | 入社者の情報の書き方を見直し、もう一度作る |
最初の数人分は、従来の手作業のチェックリストと突き合わせ、抜けた行と増えた行を記録しておきます。同じ抜けが続くなら、指示文ではなく社内の項目一覧のほうに条件を書き足します。

入社案内メールを作る
入社予定者が案内メールから読み取りたいのは「何を、いつまでに、どうやって出せばよいか」です。チェックリストの「本人に依頼する書類」の列から作ると、メールと表の内容をそろえやすくなります。
以下の例文は、抜粋表に加えて、会社が入社承諾書・給与振込先の届出・健康診断の結果を提出書類一覧に登録し、源泉徴収票は届き次第でよいと確認した想定です。AIに不足する書類や受診日を補わせず、確認済みの一覧と社内の案内だけを使います。
案内メールの例文(架空)
件名:入社手続きのご案内(11月2日入社)
〇〇様
このたびは入社をご承諾いただき、ありがとうございます。
総務部の△△です。11月2日(月)の入社に向けて、手続きのご案内をお送りします。
■ ご提出いただく書類(10月26日(月)までにお願いします)
1. 入社承諾書(添付の書式に記入・押印をお願いします)
2. 給与振込先の届出(添付の書式)
3. 扶養控除等(異動)申告書(添付の書式)
4. 配偶者の方を扶養に入れるための確認書類(必要な書類は別途ご案内します)
5. 雇用保険の被保険者番号が分かる書類(前職で雇用保険に加入していた場合)
6. 健康診断の結果(3か月以内に受けたものがあれば、その結果の書面。書面がない場合は、雇入時の健康診断の受診日を個別にご案内します)
■ 届き次第で構わない書類
7. 前職の源泉徴収票(2026年分)
前職の会社から届いたら、お送りください。
■ ご提出方法
書類は【社内で決めた提出方法】でお送りください。
マイナンバーの確認方法は、このメールとは別にご案内します。メールへの記載や添付はしないでください。
■ 入社日について
集合時間:9時30分
場所:本社3階 受付
持ち物:筆記用具、本人確認書類
■ 締切の一覧
1〜6:10月26日(月)
7:届き次第
ご不明な点は、このメールにご返信ください。
当日お会いできることを楽しみにしております。
総務部 △△
源泉徴収票は、前職の会社から届く時期が人によって違います。例文のように、締切までに届かない書類は「届き次第で構いません」と書き分けておくと、本人が無理に急がずに済みます。
提出を催促する例文(架空)
締切を過ぎても届かない書類があるときは、足りない書類だけを挙げて短く連絡します。例文の10月29日は、社内で決めた再締切の例です。
件名:【ご確認】入社書類のご提出について(11月2日入社)
〇〇様
総務部の△△です。入社書類のご提出ありがとうございます。
次の書類がまだ確認できていないため、ご連絡しました。
・給与振込先の届出
10月29日(木)までに、前回と同じ方法でお送りいただけますか。
行き違いでお送りいただいている場合は、ご容赦ください。
総務部 △△
パートやアルバイトの方へ送る場合は、労働時間などの条件で必要な書類が変わります。チェックリストを入社者ごとに作っておけば、メールもその表から作り分けられます。
案内メールを作る指示文
次の確認済みチェックリストの「本人に依頼する書類」「期限」と「社内で決めたこと」だけを使って、入社予定者に送る入社案内メールの下書きを作ってください。
# 守ること
- チェックリストにない書類や締切を書かないでください。
- マイナンバー、口座番号、健康状態をメール本文に書かせる依頼をしないでください。
- 入社日・提出方法・集合時間・場所・持ち物は、下の「社内で決めたこと」の内容だけを使ってください。
- 敬語は丁寧にし、1文を短くしてください。最後に、書類ごとの締切を一覧で再掲してください。
# 社内で決めたこと
入社日:2026年11月2日(月)
提出方法:【例:社内の提出フォーム】
集合時間:9時30分
場所:本社3階 受付
持ち物:筆記用具、本人確認書類
# チェックリスト
【AIが作り、担当者が確認したチェックリストを貼る】
送る前に確認すること
送信前に、締切の日付と曜日、添付ファイルの有無、宛先を担当者が確認します。
AIの下書きは、あいさつや結びの定型文が長くなることがあります。本人が読むべき提出物と締切が、メールの最初の画面に入っているかを見てください。
初日から1週間の準備を整える
手続きの書類がそろっても、初日にPCが使えない、誰に何を聞けばよいか分からない状態では、入社者が仕事を始められません。
オンボーディング(入社した人が仕事に慣れるまでの受け入れの取り組み)のうち、準備の段取りにも生成AIを使えます。
アカウントと備品を
部署ごとに頼む
総務が1通のメールで全部署に依頼すると、各部署が自分の担当分を探す手間がかかります。チェックリストの「担当部署」の列で分け、部署ごとの依頼文をAIに作らせます。
| 依頼先 | 依頼する内容の例 | 期限の例 |
| 情報システム担当 | メール・社内チャット・勤怠システムのアカウント、PCの初期設定 | 入社日の3営業日前(例:10月28日) |
| 配属先の上司 | 初日と最初の1週間の予定、相談相手になる先輩の決定 | 入社日の5営業日前(例:10月26日) |
| 総務 | 名刺、社員証、制服、鍵などの貸与物 | 入社日の前の営業日(例:10月30日) |
| 経理・給与担当 | 給与計算への登録、通勤手当の確認 | 最初の給与計算の締め日 |
付与するアカウントの権限は、依頼文を作る前に担当者が決めます。AIに「営業部に必要な権限」を推測させると、必要以上の閲覧範囲が書かれることがあるためです。
依頼文は部署ごとに作り、権限は担当者が先に決めます。
初日の予定とよく
ある質問をそろえる
初日の予定表は、時刻・場所・担当者・持ち物の4列で作ると、本人も受け入れる側も同じ表を見て動けます。
入社して最初の1週間は、例えば「経費の申請方法」「勤怠の修正方法」「会議室の予約方法」のように、社内の手順についての質問が出てきます。社内規程や手順書からよく聞かれる質問と回答の下書きをAIに作らせ、担当者が確認して配っておくと、同じ説明を何度も繰り返さずに済みます。
手順書そのものを整える方法は生成AIでマニュアルを作る方法、入社後の質問を受け付ける仕組みは社内問い合わせを効率化する方法で説明しています。
人事システムとの使い分け
入社が年に数人なら、Excelの項目一覧と生成AIの指示文だけでも手続きの抜けを減らせます。
入社が毎月ある、拠点が複数ある、パートやアルバイトの雇用形態が多い場合は、入力を何度も繰り返す作業が残ります。
人事システムで足りるかを比べる
本人がスマートフォンで情報を入力し、そのまま届出の書類を作れるクラウド型の人事労務システムは、複数の会社から提供されています。
健康保険・厚生年金保険の資格取得届は、日本年金機構の案内でも電子申請が提出方法の一つに挙がっています。入力の手間を減らすことが目的なら、まず既製のシステムで足りるかを比べます。料金や対応する届出は製品ごとに違うため、各社の公式ページで確認してください。
複数の台帳をつなぐ前に確認する
既製のシステムを入れても、採用管理の表、給与計算、アカウントの管理表、備品の台帳が別々に残る場合があります。
この段階では、入社者の情報をどこで一度だけ入力し、どの台帳へ渡すかを決める設計が必要になります。AIは、台帳の間で食い違っている項目を見つけて一覧にする作業や、各部署への依頼文づくりを受け持てます。
一方で、個人番号を扱う範囲、アクセスできる担当者、退職したときのアカウント停止までを決めずに連携を広げると、管理する場所だけが増えます。連携の前に、個人情報を保存する場所と、見られる人を決めておきます。
どの業務からAIに任せるかの順番は、業務の棚卸し表や中小企業のAI導入の進め方で整理できます。
送る前に決めておく3つのこと
AIの下書きをそのまま送らないために、止める地点と記録の残し方を先に決めます。
| 決めること | 決め方の例 |
| 送る前に止める地点 | 案内メールと部署への依頼は、担当者が表と照合してから送る。AIに送信までさせない |
| 記録の残し方 | AIの下書きと確認後の版を、入社者ごとのフォルダに残す |
| 誤りに気づいたとき | 期限や宛先の誤りに気づいたら、総務の責任者が以後の送信を止め、本人と部署へ訂正を送る |
よくあるつまずきと直し方
生成AIで入社手続きの準備を始めた会社がつまずきやすい点を、確認する場所と直し方に分けて並べます。
| 困っていること | 確認すること | 直し方 |
| AIのチェックリストに、不要な手続きが入る | 指示文で項目の追加を禁止しているか | 社内の項目一覧だけを使わせ、追加は候補として分けさせる |
| パートの人の加入手続きが合っているか分からない | 所定労働時間と雇用期間の見込みを確認したか | 公的機関の案内で確認し、迷う場合は年金事務所・ハローワーク・社会保険労務士に相談する |
| メールの締切と表の締切が違う | メールを表から作ったか、日付をAIに計算させていないか | Excelの日付を表に入れ、メールは確認済みの表と社内の案内だけから作らせる |
| 本人がマイナンバーをメールに書いてきた | 案内メールに受け取り方法が書かれているか | 別の受け取り方法を案内する。受信したメールは担当者以外が見られない場所へ移してから削除し、受け取った日と対応を記録する |
| 初日にアカウントが使えない | 情報システム担当への依頼期限がチェックリストにあるか | 部署別の依頼文に期限を入れ、前日に開通を確認する行を足す |
まずは社内の
項目一覧を1枚作る
入社手続きを生成AIで効率化できるかどうかは、AIの性能より、社内の項目一覧と締切の計算が先に決まっているかで変わります。
最初の一歩は、次の入社者1人分を想定して、会社側の手続きを時期ごとに書き出し、入社日から締切を出すExcelを作ることです。
その一覧と記事の指示文で、チェックリストと案内メールを一度作り、従来のやり方と突き合わせてください。
弊社は、入社手続きを書類づくりだけでなく、採用・給与・アカウント・備品の台帳をつなぐ業務として見ています。
入社者の情報を一度入れれば、給与・アカウント・備品の台帳へ渡り、AIの下書きと担当者の確認が記録に残る。弊社はその流れを会社ごとの決まりに合わせて作り、止める地点と運用の見張りまで受け持ちます。入社のたびに同じ情報を何か所にも入力している場合は、どこで一度入力すれば足りるかを整理するところからご相談いただけます。