公開日:2026年9月29日

商談を終えたあと、「相手は何に困っていたか」は覚えている。でも提案書を開くと、製品説明から書き始めてしまう。
AIで提案書を作るときも、最初に渡すべきものは自社のサービス紹介ではなく、相手の発言を残した商談メモです。
このページでは、営業担当者がメモを整理し、AIで下書きを作り、人が確認して送れる形にするまでを、ひとつの架空例で見せます。
完成例とプロンプトを先に使いたい方は、提案書の完成例とコピー用プロンプトへ進んでください。
「相手が話したこと」「弊社が提案できること」「まだ聞いていないこと」を混ぜないのが出発点です。
この区別がないと、AIは聞いていない事情まで自然な文章で補いがちです。読みやすい提案書に見えても、根拠のない約束が混ざります。
ここから使うA社は説明用の架空企業です。実在の顧客、商談、導入実績ではありません。
| 分けるもの | 架空の商談メモ | 提案書での扱い |
|---|---|---|
| 相手の発言 | 注文がメールとFAXで届き、担当者がExcelへ転記している | 現状の課題として書ける |
| 弊社が提案できること | 注文の受け付け方と転記箇所を整理し、現行のExcelを使った改善案を検討する | 提案の範囲として書ける |
| まだ聞いていないこと | 月間の件数、削減できる時間、予算、導入希望日 | 数字を埋めず、確認事項にする |
社内資料や顧客情報をAIへ貼り付ける前に、利用するサービスが会社の承認を得ているか確認してください。説明用の練習なら、まず匿名化したメモで試せます。

「提案書を作って」だけでは、何を根拠に書いたか確認できません。
次の文に、相手の発言、社内で提供できると確認した範囲、未確認事項を分けて入れます。まず文章で確認し、内容が決まってからスライドやPDFへ移すと直しやすくなります。
あなたは法人営業の提案書を編集する担当者です。
下の確認済み情報だけを根拠に、顧客へ送る提案書の下書きを作ってください。
読み手:商談に参加した担当者と、その上長
目的:相手が「自分たちの課題を理解しているか」「次に何を決めるか」を判断できるようにする
必ず守ること:
・相手が話した事実と、こちらの提案を分ける
・以下の3欄にない数字、導入効果、費用、納期、機能を作らない
・分からない情報は「要確認」と書き、最後に質問をまとめる
・最初の段落で相手の課題を示す。自社紹介から始めない
・1段落は3行程度に収め、見出しと箇条書きを使う
・敬語は自然に。抽象的な美辞麗句は使わない
出力する順番:
1. 提案書の件名
2. 相手から聞いた現状と課題
3. 今回提案すること(対象範囲と、まだ対象にしないこと)
4. 進め方(決まっていない日付は入れない)
5. 相手に確認したいこと
6. 送付前に人が照合すべき記述
相手から聞いた事実:
[ここに匿名化した商談メモを貼る]
社内で提供できると確認した範囲:
[ここに提供可能な作業だけを書く]
未確認事項:
[件数・費用・納期など、まだ決まっていないことを書く]
このプロンプトは、どのAIでも同じ結果を保証するものではありません。出力を読んで、元のメモにない文を削る前提で使ってください。
次の3つの情報をもとに、提案書の文面を作ります。
以下は編集部の架空例です。AIの実出力や顧客案件ではありません。
相手から聞いた事実:注文はメールとFAXで届き、担当者がExcelに転記。別の人が転記後に確認している。注文の形式は取引先によって異なる。手作業の箇所を把握したく、現行のExcelを使い続けたい。次回までに進め方を見たい。
社内で提供できると確認した範囲:現行の注文受け付けから確認までの流れを整理し、注文書とExcelの項目を照合できる。
未確認事項:注文の件数、削減できる時間、予算、導入希望日。
このメモから「AIで受注処理を自動化すれば何時間削減できる」と書くことはできません。注文の件数も、どこまで自動処理できるかも分からないためです。
先日の商談では、取引先から届く注文を担当者がExcelへ転記し、その後に別の方が確認していると伺いました。
注文の形式が取引先ごとに異なるため、まず手作業が発生する箇所を整理することが必要だと考えています。
現在使っているExcelを前提に、メール・FAXで注文を受け取ってから確認が終わるまでの流れを一緒に整理します。
注文書の項目とExcelの入力欄を照らし合わせ、どの転記を減らせるか検討します。
この段階では、新しいシステムの導入も、注文処理をすべて自動化することも前提にしません。
例外的な注文を誰が確認するかは、現場の運用を伺ってから決めます。
これらを確認してから、改善する範囲と進め方をご相談します。作業量、費用、実施時期は現時点では確定していません。
送付前の社内チェック:相手の発言を商談メモと照合し、注文書とExcelの項目照合が実際に提供可能か再確認します。費用、効果、納期は未確定のままです。
完成例のポイントは、相手が聞いたことから始まり、まだ決められないことを最後に残している点です。長い会社紹介や「業務を飛躍的に効率化します」という約束は入れていません。

文章のうまさより、相手が判断できる事実と次の行動が残っているかを見てください。
| 確認する箇所 | 見つけたい問題 | 直し方 |
|---|---|---|
| 相手の課題 | 商談で聞いていない悩みが書かれている | 元のメモへ戻り、確認できる言葉だけにする |
| 機能・作業範囲 | 提供できるか未確認の機能を約束している | 社内で確認し、未確定なら候補として書く |
| 数字・費用・納期 | 根拠のない削減率や日付が入っている | 削除して「要確認」にする。見積もりは別に確認する |
| 次の行動 | 「ご検討ください」で終わり、何を決めるか不明 | 次回の確認資料や質問を一つに絞る |
良さそうな文章をそのまま送らないために、AIへ「この提案書で、商談メモに根拠がない文を引用して」と追加で聞くこともできます。ただし、その指摘自体をうのみにせず、自分でも照合します。
提案先の社名、担当者名、製品名は最後に確認してください。テンプレートを使い回すほど、前の顧客の情報が残りやすくなります。
内容が固まる前にデザインを整えると、誤った数字や見出しまできれいに見えてしまいます。文章を確定してから、資料の体裁を整えます。
PowerPointやスライド生成AIを使う場合も、上の文章を先に整えておくと修正対象がはっきりします。見た目の自動生成と、提案内容の事実確認は別の仕事です。
まずは商談メモを1件選び、「元メモ→下書き→人の修正」を残してください。よく直す箇所が分かれば、プロンプトを変えるべきか、商談メモの取り方を変えるべきか判断できます。
複数人が同じ形式で提案書を作るなら、商談メモの入力項目、過去の承認済み資料、確認担当を揃える必要があります。ここまで来て初めて、既存の顧客管理や資料作成ツールとの連携を検討できます。
関連して、営業メールを生成AIで作る方法では、提案書を送る前後の文面を扱っています。業務全体で何をAIに任せるかは、AI導入の進め方も参考にしてください。
今日できることは、直近の商談メモを一つ選び、相手の発言・こちらの提案・未確認事項を分けることです。 そこまで整理できれば、AIの下書きが「もっともらしい文章」から、検討に使える材料へ変わります。
よくある質問
Q. 提案書をAIに全部作らせてもよいですか?
A. 構成と下書きには使えますが、顧客の課題、製品仕様、費用、納期、効果、契約条件は人が資料と照合します。情報がない箇所は空欄のままにせず、要確認と書きます。
Q. 商談メモが短くても提案書を作れますか?
A. たたき台は作れます。ただし相手の課題や決裁条件が分からないまま完成版にせず、確認すべき質問を先に洗い出してください。
Q. 無料のAIでも作れますか?
A. 利用できる文章生成AIがあれば、このページのプロンプトを試せます。ただし機密情報や個人情報を入力する前に、会社の利用規則とサービスのデータ取り扱いを確認してください。
Q. 提案書にAIで作った文章と明記すべきですか?
A. 提出先の指定や社内ルールがあれば従ってください。記載の有無にかかわらず、内容の正確さと権利関係は送付前に確認します。
Q. 提案書の体裁までAIに任せられますか?
A. 文章の構成案は作れますが、表紙、図表、フォント、改ページを含む最終の見た目は人が確認してください。見栄えが整っていても、提案の根拠や数字が正しいとは限りません。

まるっとAI編集部
業務のヒアリングから、生成AIを使った専用ツールの設計・開発・改善まで支援しています。既存のExcelや業務ツールを確認し、AIの下書き、人の確認、通常の自動処理を分けながら運用できる仕組みを設計します。