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AI活用

施工計画書を
生成AIで作る手順章ごとのプロンプト例と
安全書類の確認方法

公開日:2026年10月17日

執筆:

施工計画書の文章の章を生成AIで下書きし、数値と安全書類は担当者が元資料と照合する流れ

施工計画書は、生成AIを使うと「施工方法」や「安全管理」など文章の多い章の下書きを作る手間を減らせます。

ただし、数量・機械の能力・工程の日付など現場の数字は、AIに作らせず、図面・仕様書・見積の元資料から人が入れます。

この記事は、中小の建設会社や専門工事会社で、施工計画書や安全書類の作成を担当している工事担当者・工務担当者向けです。

施工計画書の章ごとにAIへ任せられる範囲を整理し、そのまま使える指示文(プロンプト)と、安全書類(グリーンファイル)で人が確認する点を説明します。

記事中の工事・数値・出力見本は、説明のために作った架空の設計例です。

特定の工事でAIを実行した結果や、導入による時間短縮の実績ではありません。

この記事で分かること

  • 施工計画書の「施工方法」「安全管理」「環境対策」は、工種・工法・現場条件が決まれば、文章の骨組みを作れます
  • 指示文では、書かれていない数値と根拠を作らず、空白を【要確認】として残すよう求めます
  • 施工計画書を生成AIで作るときの判断基準は、文章の章はAIに下書きさせ、数字と根拠は元資料から人が入れることです

生成AIに任せられる
書類、任せられない書類

まず、施工計画書と安全書類のどこがAI向きかを分けます。

生成AIが得意なのは、決まった条件から説明文を組み立てる作業です。名簿や台帳のように、事実を一字一句そのまま写す書類は得意ではありません。

施工計画書の「施工方法」「安全管理」「環境対策」は、工種・工法・現場条件が決まれば、文章の骨組みを作れます。

一方、作業員名簿や施工体制台帳は、氏名・保険・資格・下請の契約内容を正しく転記する書類です。

AIが文章を「それらしく」整えるほど、元の書類と一字違う誤りに気づきにくくなります。

書類生成AIに任せられること人や元資料で決めること
施工計画書(施工方法・安全管理など文章の章)工種と現場条件から説明文の下書きを作る工法、機械、数量、工程の日付、責任者
作業手順書・新規入場者教育の説明資料手順メモを読みやすい文章や確認項目に整える現場固有の危険箇所、立入禁止範囲、連絡先
作業員名簿・施工体制台帳・再下請負通知書元請ごとの様式の項目を対照表にする、未記入欄を探す氏名・保険・資格・契約内容など記載する事実すべて
資格の有効期限・健康診断の受診日・保険の加入状況の管理一覧から、期限が近い人や未記入の欄を抜き出す方法を考えさせる証明書の原本との照合、更新の手配

表のとおり、安全書類ではAIに書類を「書かせる」より、項目の対照や抜けの確認に使うほうが、誤りが出たときの影響を小さくできます。

施工計画書の章とAIの使い方

施工計画書に書く項目は、発注者の仕様書や元請の指定で決まります。

例えば、国土交通省北海道開発局の「工事検査技術マニュアル」(令和6年8月)の「施工計画書記載事項」の表には、次の16項目が並んでいます。

工事概要、計画工程表、現場組織表、指定機械、主要船舶・機械、主要資材、施工方法(主要機械、仮設備計画、工事用地等を含む)、施工管理計画、安全管理、緊急時の体制及び対応、交通管理、環境対策、現場作業環境の整備、再生資源の利用の促進と建設副産物の適正処理方法、法定休日・所定休日(週休二日の導入)、その他です。

この表には、項目ごとに検査で確かめる点も書かれています。例えば「安全管理」では、安全訓練の実施計画、各種法令・指針の根拠や参考事項、ライフライン事故防止対策が適切かを確かめます(北海道開発局 工事検査技術マニュアル(令和6年8月))。見出しがそろっているだけでは足りず、発注者が求める中身が書けているかが問われます。

同じ局の「道路・河川工事仕様書」(令和元年7月版)の施工計画書の条項は15項目で、「法定休日・所定休日」はありません。文書や時期によって項目が変わる例です。この条項には、維持工事など簡易な工事では監督職員の承諾を得て一部を省略できること、重要な変更が生じたら変更施工計画書を提出することも書かれています(北海道開発局 道路・河川工事仕様書)。

実際に書く項目は、担当する工事の発注者が示す最新の仕様書で確認してください。 自治体や民間の元請では、項目名や順番が変わります。

章ごとの向き不向き

16項目を、AIの役割ごとにまとめると次のようになります。

章AIの役割根拠にする資料
工事概要・現場組織表・指定機械・主要船舶・機械・主要資材使わないか、表の体裁を整えるだけ契約書、設計図書、社内の配置表
計画工程表工程の順番に抜けがないか指摘させる工程表の原本、協力会社との調整結果
施工管理計画管理項目の表の体裁を整えるだけ発注者の施工管理基準、特記仕様書の規格値・測定頻度
施工方法工種・工法・条件から説明文を下書きする設計図書、特記仕様書、過去の自社の計画書
安全管理・緊急時の体制・交通管理作業ごとの危険と対策を下書きし、抜けを指摘させる現場の条件、作業手順書、連絡先の一覧
環境対策・現場作業環境・建設副産物定型の説明文を下書きする特記仕様書、処分先の契約、近隣への配慮事項
その他(品質証明の計画、総合評価の提案内容の計画など)提案書の約束が漏れていないかを照合させるだけ総合評価の技術提案書、品質証明の社内計画
法定休日・所定休日使わない工程表、現場閉所の予定、技術者・技能労働者の休日の計画

数字や固有名詞が中心の章では、AIの出番はほとんどありません。「その他」には、このマニュアルでは品質証明に関する計画や、総合評価で提案した内容の計画が挙がっています。該当する工事では、発注者の仕様書と自社の提案書で求められる内容を確かめて書きます。

文章の量が多い「施工方法」と「安全管理」が、最初に試す章として向いています。

過去の自社の計画書が
一番の材料になる

AIに一般的な施工計画書を書かせると、どの現場にも当てはまる薄い文章になりがちです。

自社が過去に提出し、指摘を受けて直した版の計画書の章を見本として渡すと、言い回しや書く粒度をそろえやすくなります。

その際、過去の計画書から現場名・発注者名・個人名を消してから渡すなど、社外のAIサービスへ入れてよい情報かを、会社のルールで先に決めておきます。

社内のルール作りは法人で生成AIを使うときの権限と機密情報の確認方法でも整理しています。

安全管理の章を書く指示文

例に使うのは、通学路に近い市道で表層を切削して舗設し直す架空の工事です。

AIに渡す前にそろえる情報

指示文より先に、AIへ渡す条件を書き出します。

条件が少ないと、AIは一般論で空白を埋めてしまいます。誘導者や交通誘導警備員を配置する方針も、人が決めた条件として渡します。方針が未定なら【要確認:配置方針】とし、AIに配置を確定させません。

項目架空の例どこから持ってくるか
工事の種類市道の表層打換え(切削・舗設)契約書・設計図書
現場の条件片側交互通行、近くに小学校の通学路、夜間作業なし現地調査の記録、特記仕様書
主な作業路面切削、運搬、乳剤散布、舗設、転圧施工方法の章、工程表
主な機械路面切削機、ダンプトラック、アスファルトフィニッシャ、ローラ機械の手配表
発注者が求める安全管理の事項安全訓練の実施計画、地下埋設物などライフラインの事故防止対策特記仕様書、発注者の確認表や検査の手引き
確認する人現場代理人、職長(自社の配置に合わせる)現場組織表
書き方の見本自社の過去の計画書の安全管理の章(固有名詞を消したもの)社内の保管フォルダ

そのまま使える指示文

次の指示文は、ChatGPT・Gemini・Claudeなど、会社が利用を認めた対話型AIに貼り付けて使う想定で作った設計例です。

【】の部分を自社の工事の条件に書き換えてください。

あなたは建設会社の工事担当者を補助します。
次の条件から、施工計画書の「安全管理」の章の下書きを作ってください。

# 守ること
- 条件に書かれていない数値(高さ、重量、距離、人数、日付)は書かない。
  必要な箇所には【要確認:何の数値か】と書く。
- 法令名や条文番号、基準の名前は、条件に書かれたもの以外は書かない。
  引用が必要だと思う箇所は【要確認:根拠の確認】と書く。
- 条件にない機械・作業・工法・人の役職を追加しない。
  配置方針に書かれた役割は使えるが、人数や配置位置は推測しない。
- 「発注者が求める安全管理の事項」は、すべて章の中で扱う。
  条件から書けない事項は、項目名を挙げて【要確認:何が足りないか】と書く。
- です・ます調で、見本の計画書と同じ書き方にそろえる。

# 工事の条件
工事の種類:【市道の表層打換え(切削・舗設)】
現場の条件:【片側交互通行。近くに小学校の通学路がある。夜間作業なし】
主な作業:【路面切削、運搬、乳剤散布、舗設、転圧】
主な機械:【路面切削機、ダンプトラック、アスファルトフィニッシャ、ローラ】
発注者が求める安全管理の事項:【安全訓練の実施計画、地下埋設物などライフラインの事故防止対策】
確認する人:【現場代理人、職長】
誘導者の配置方針:【重機の後退は誘導者の合図で行う。人数と位置は協議後に確定】
交通誘導警備員の配置方針:【片側交互通行の規制に合わせて配置する。人数・規制区間・時間帯は協議後に確定】

# 書き方の見本(自社の過去の計画書から固有名詞を消したもの)
【ここに見本の文章を貼る】

# 出力の形
1. 作業ごとに「予想される危険」「対策」「確認する人」を表にする。
2. 交通誘導と第三者(一般車両・歩行者・通学児童)への対策を別の段落で書く。
3. 「発注者が求める安全管理の事項」ごとに段落を立てる。
4. 最後に、人が確認しなければならない箇所を一覧にする。

指示文では、書かれていない数値と根拠を作らず、空白を【要確認】として残すよう求めます。

AIは空欄を嫌って、もっともらしい数値や基準名で埋めることがあります。

埋められた数値は一見正しく見えるため、提出前の確認で見落とすおそれがあります。

ただし、指示文に書いたからといって、AIが必ず守るとは限りません。出力は必ず人が読み、条件にない数値や基準名が入っていないか確認します。

出力の見本と、確認する箇所

次は、上の指示文で期待する出力の形を、弊社が手で作った見本です。AIの実行結果ではありません。

見本の危険と対策は、形を示すための一般的な例です。実際の計画書では、自社の作業手順書や過去の計画書の書き方に合わせてください。

作業予想される危険対策(下書き)確認する人
路面切削切削ドラムやコンベヤへの巻き込まれ、積込み中の切削機とダンプトラックの間への挟まれ、切削くずの飛散積込み中は切削機とダンプトラックの間に立ち入らせません。稼働中の回転部には近づかないことを朝礼で確認します。職長
運搬ダンプトラックの後退時のひかれ後退時は重機の誘導者の合図で動かし、合図の方法を朝礼で確認します。誘導者の配置は【要確認:誘導者の人数と位置】とします。職長
乳剤散布乳剤の飛散や皮膚への付着、散布面での滑り保護具を着用し、散布後の面には立ち入らないよう区画します。職長
舗設・転圧高温の合材によるやけど、ローラの後退時のひかれローラの後退時は後方を確認し、稼働範囲に人を立ち入らせないよう区画します。職長

見本の続きでは、交通誘導と第三者への対策を別の段落にします。

「片側交互通行の規制区間に一般車両や歩行者が入らないよう、交通誘導警備員を配置します。配置人数は【要確認:交通誘導警備員の人数】、規制の範囲は【要確認:規制区間の延長と時間帯】とします。通学時間帯の作業は【要確認:通学時間帯の作業の扱い】とします。」

発注者が求める事項の段落は、例えば次の形です。「地下埋設物の位置は【要確認:地下埋設物の位置と管理者の立会いの要否】とし、切削前に図面と管理者への照会で確かめます。安全訓練は【要確認:安全訓練の実施日と内容】とします。」

最後に、要確認の一覧として「誘導者の人数と位置」「交通誘導警備員の人数」「規制区間の延長と時間帯」「通学時間帯の作業の扱い」の4件に加え、発注者が求める事項から「安全訓練の実施日と内容」「地下埋設物の位置と管理者の立会いの要否」の2件が並ぶ形を期待します。条件に日程や埋設物の情報がないため、AIが書けるのは項目の枠までです。

通学時間帯に作業を止めるか、交通誘導警備員を増やすかは、発注者(監督職員)や所轄の警察、学校との協議で決まります。AIの下書きに書かれた対策が、実際の協議結果と一致しているかを照らし合わせてください。

現場条件から安全管理の章を下書きし、不明な数値を要確認として残し、元資料と協議結果で確定して担当者が照合する流れ

施工方法の章を下書きする指示文

施工方法の章では、作業の順番と使う機械を、工程表と手配表の内容どおりに書かせます。数値や根拠の補完を禁じる点は、安全管理の章と同じです。

あなたは建設会社の工事担当者を補助します。
次の条件から、施工計画書の「施工方法」の章の下書きを作ってください。

# 守ること
- 作業の順番は「作業の順番」に書かれたとおりにし、入れ替えたり足したりしない。
- 機械は「使う機械」に書かれたものだけを書く。規格や台数は条件にあるものだけを書き、
  ないものは【要確認:何の規格・台数か】と書く。
- 厚さ、温度、締固めの回数など品質の数値は書かない。
  必要な箇所には【要確認:特記仕様書の値】と書く。
- です・ます調で、見本の計画書と同じ書き方にそろえる。

# 工事の条件
工事の種類:【市道の表層打換え(切削・舗設)】
作業の順番:【規制設置 → 路面切削 → 清掃 → 乳剤散布 → 舗設 → 転圧 → 規制解除】
使う機械:【路面切削機、ダンプトラック、アスファルトフィニッシャ、ローラ】
現場の条件:【片側交互通行。夜間作業なし】

# 書き方の見本(自社の過去の計画書から固有名詞を消したもの)
【ここに見本の文章を貼る】

# 出力の形
1. 作業の順番ごとに見出しを付け、作業の内容と使う機械を書く。
2. 最後に【要確認】の箇所を一覧にする。

環境対策や建設副産物の章も、この指示文の「工事の条件」と「守ること」を差し替えれば同じ形で使えます。処分先や運搬の経路など、契約や届出で決まる事実は条件として渡し、AIには推測させません。

誘導者の人数や配置位置、品質の数値、機械の規格・台数を、協議結果・特記仕様書・手配表で確認する対応を示しています。
数値や基準名をAIに補わせず、現場の根拠資料から確認します。

仕様書と下書きを
照合させる指示文

下書きが一通りそろったら、別の指示文で章の抜けを確認させます。

次の「記載すべき項目」と「施工計画書の下書き」を照合してください。

- 記載すべき項目と、項目ごとに求められる内容のうち、下書きに見出しや記載がないものを一覧にする。
- 見出しはあるが、求められる内容に触れていない項目も一覧にする。
- 下書きの中で【要確認】が残っている箇所を、章の名前と一緒に一覧にする。
- 下書きの内容を書き換えたり、足りない章を作ったりしない。

# 記載すべき項目と求められる内容(発注者の仕様書や確認表から写す)
【ここに項目と、項目ごとに求められる内容を貼る】

# 施工計画書の下書き
【ここに下書きを貼る】

照合の指示文では、AIに文章を直させず、抜けの一覧だけを出させます。

直させると、どこを変えたのかを追う作業が増えるためです。

AIが「抜けなし」と返しても、提出前に人が項目ごとの中身を仕様書や確認表と一つずつ照らし合わせます。AIは見出しや似た言葉があるだけで、書けていると判断することがあるためです。

作業手順書を文章に整える方法は、業務メモから手順書を作る方法でも詳しく説明しています。

名簿と台帳の照合にAIを使う

安全書類(グリーンファイル)は、下請の会社が元請へ提出する労務・安全関係の書類一式を指す呼び方です。

このうち作業員名簿や施工体制台帳のように事実を写す書類は、AIで文章を作るより、元の情報を一か所にまとめ、元請ごとの様式へ正しく写し、抜けと期限切れを見つける作業にAIや表計算を使います。

法定の書類と全建統一様式

建設業法第24条の8は、発注者から直接工事を請け負った特定建設業者が、下請契約の総額が政令で定める金額以上になる場合に施工体制台帳を作成し、工事現場ごとに備え置くことを定めています。

同じ条文で、その下請負人がさらに別の建設業者へ請け負わせたときは、相手の商号や工事の内容、工期などを元請へ通知することも求めています(建設業法(e-Gov法令検索))。

公共工事では金額の条件がなく、下請契約を結べば施工体制台帳を作成します。 入札契約適正化法第15条がこの読み替えを定め、作成した台帳の写しを発注者へ提出することも求めています(情報通信技術で発注者が確認できる措置を講じている場合を除く。公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(e-Gov法令検索))。

労働安全衛生法第30条は、特定元方事業者に、協議組織の設置・運営、作業間の連絡と調整、作業場所の巡視、関係請負人が行う安全衛生教育への指導と援助などの措置を求めています(労働安全衛生法(e-Gov法令検索))。

下請から元請へ提出する名簿や計画書は、こうした台帳の作成や現場の安全管理に使われる情報です。

書式は、全国建設業協会がまとめた「全建統一様式」が使われる場面があります。

ただし、使う書式の種類や版、追加で求められる書類は元請ごとに違うため、提出先の元請の指定に合わせます。

元請の様式を比較する指示文

複数の元請と取引がある会社では、同じ作業員の情報を、元請ごとに少しずつ違う様式へ書き写しています。

この違いを把握する作業は、AIに任せやすい部分です。

渡すのは様式の項目名だけにし、作業員の個人情報は入れません。

次の2つの様式の「項目名」を比べて、対照表を作ってください。

- 列は「項目の意味」「元請Aの項目名」「元請Bの項目名」「違い」にする。
- 片方にしかない項目は、もう片方の列を「なし」とする。
- 項目名から意味を推測した行には【推測】と付ける。
- 記入例や個人の情報は作らない。

# 元請Aの様式の項目名
【ここに項目名を貼る】

# 元請Bの様式の項目名
【ここに項目名を貼る】

対照表ができると、自社で持つ元の一覧に「どの項目を必ずそろえるか」を決められます。

元の一覧を一つに決めておけば、作業員の入れ替わりや資格の更新があっても、直す場所は一か所で済みます。

提出前に確認する4つの点

元請へ提出する前に、自社の一覧と書類を次の順で確認します。AIや表計算に任せられるのは、抜き出す作業までです。

確認すること抜き出す方法人がすること
未記入の欄表計算で空欄に色を付ける本人や所属会社に確認して埋める
資格の有効期限期限が近い人を関数で抜き出す資格証の写しと照合し、更新を手配する
健康診断の受診日前回の受診日から1年近く経つ人を抜き出す受診の予定を確認する
保険の加入状況加入状況の欄が空欄か「未加入」の人を抜き出す元請の求める証明書類と照合する

作業員情報は入力前に確認する

作業員名簿には、氏名や生年月日、社会保険の加入状況、健康診断の受診日など、個人に関する情報が並びます。

個人情報保護委員会は、生成AIサービスに個人情報を含む指示文を入力する場合、利用目的の範囲内かを十分に確認するよう注意を呼びかけています(個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」)。

名簿の中身を対話AIへ貼り付ける前に、二つを確かめてください。一つは、いま触れた利用目的の範囲に、その入力が収まっているかです。もう一つは、入力したデータが回答の作成以外の目的、例えばAIの学習に使われないかです。後者は利用するサービスの契約や設定で確認します。同じ注意喚起は、本人の同意なく個人データを入力し、それが回答の作成以外に扱われると、法律に違反するおそれがあるとしています。会社のルールで入力が認められていない場合は入れません。

期限切れの確認だけなら、生成AIを使わず、表計算の関数や条件付き書式で十分な場合もあります。

AIには「期限切れの30日前に色を付ける関数を教えて」と、個人情報を含まない形で聞けば済みます。

期限確認は表計算で処理し、様式比較は項目名だけをAIへ渡し、名簿の内容は入力前に契約と社内ルールを確認する使い分け

AIの下書きでつ
まずきやすい点

施工計画書の下書きでAIを使うと、次のような誤りが起きることがあります。どれも、提出前の確認で見つけられるように手順へ組み込んでおきます。

起きやすいことなぜ起きるか防ぎ方
足場の高さや機械の能力など、条件にない数値が入るAIは空欄を一般的な値で埋めようとする指示文で数値の補完を禁止し、【要確認】を残させる
存在しない基準名や、古い法令の条文が引用される学習した文章から、それらしい名前を組み立てる引用は人がe-Gov法令検索や発注者の資料で確かめてから入れる
現場で使わない工法や機械が説明に混ざる工種の一般的な説明から書き足される条件にない機械・工法を足さないよう指示し、手配表と照合する
過去の現場の固有名詞が残る見本として渡した計画書の文章を引き写す見本から固有名詞を消して渡し、出力でも現場名を検索する
どの文をAIが書いたか分からなくなる下書きと修正を同じファイルで繰り返すAIの下書きと、人が確認した版を分けて保存する

提出する施工計画書の内容に責任を持つのは、作成した会社と担当者です。 AIの下書きは、確認を経るまで社内の作業用ファイルとして扱います。

小さく始めて、社内の型にする

施工計画書のAI活用は、全部の章を一度に変えるより、一つの章から始めるほうが確認の負担を小さくできます。

1. 次の工事で、
安全管理の章だけ試す

まず次に提出する工事で、安全管理の章だけを上の指示文で下書きします。

今までの書き方と比べて、確認に何分かかったか、【要確認】がいくつ残ったかを記録しておくと、続けるかどうかを判断しやすくなります。

2. 工種ごとの指示文をそろえる

舗装、土工、型枠など、自社がよく受ける工種ごとに、指示文と見本の章を一組にして保存します。

担当者ごとに指示文がばらばらだと、出来上がる計画書の質もばらつきます。

3. 元の一覧や工程表と
つなぐかを決める

工事の条件や機械の手配表、作業員の一覧が社内のExcelや現場管理ツールに入っている場合、そこから条件を自動で取り出して指示文に入れる仕組みも作れます。

この段階では、どのデータをAIへ渡すか、誰が最終版を確認するか、提出した版をどこに残すかを決める必要があります。

ここから先は、複数の書類と社内データをつなぐ設計の作業になります。 見積から支払予定までをつなぐ全体像は、建設業のAI活用事例で工程ごとに整理しています。

次の工事で1章だけ試す

施工計画書を生成AIで作るときの判断基準は、文章の章はAIに下書きさせ、数字と根拠は元資料から人が入れることです。

安全書類はAIに書かせず、様式の対照と抜けの確認に使います。作業員の個人情報は、会社のルールとサービスの契約を確かめるまで入力しません。

最初の一歩は、次の工事の安全管理の章で、この記事の指示文を一度試すことです。

その結果を見て、工種ごとの型づくりや、社内データとの連携へ進むかを決めてください。

まるっとAIでは、施工計画書や安全書類の作り方を工程ごとに確認し、既存のExcelや現場管理ツールを残したまま、下書き・照合・期限確認の仕組みづくりをお手伝いしています。

よくある質問

Q. 施工計画書をChatGPTやGeminiで作っても問題ありませんか?

A. 会社が利用を認めたサービスで、文章の章の下書きに使う分には作成を助けられます。

ただし提出する内容の責任は作成した会社にあるため、数値・工法・根拠は元資料と照合してから使います。

発注者や元請がAIの利用について指定している場合は、その指示に従ってください。

Q. 施工計画書の全部の章をAIに作らせることはできますか?

A. 全部の章を一度に任せるのは勧めません。

工事概要や現場組織表、主要資材は契約書や配置表の事実を写す章で、AIが補える部分はほとんどありません。

工程表も、AIに任せるのは順番の抜けを指摘させる程度です。

施工方法や安全管理など、文章の多い章から試すと確認の負担を小さくできます。

Q. AIが書いた数値や基準名が正しいか、どう確かめればよいですか?

A. 数値は設計図書・機械の手配表・協議結果など、元の資料と一つずつ照らし合わせます。

法令や基準の名前は、e-Gov法令検索や発注者の仕様書で原文を確認してから記載します。

指示文で数値の補完を禁止し、分からない箇所を【要確認】として残させると、確認する場所を絞れます。

Q. 作業員名簿の内容を生成AIに入力してもよいですか?

A. 入力する前に、二つを確かめてください。

名簿の個人情報を集めたときの利用目的の範囲に収まる入力か、そして入力したデータが回答の作成以外の目的、例えばAIの学習に使われないかです。

後者は利用するサービスの契約や設定で確認し、会社のルールで認められていなければ入力しません。

作業員名簿には氏名や保険、健康診断などの個人情報が含まれます。

様式の項目名の比較や、期限切れを探す関数の作成など、個人情報を入れずに済む使い方から始める方法もあります。

Q. 全建統一様式と元請の指定様式が違う場合はどうしますか?

A. 提出先の元請が指定する様式に合わせます。

元請ごとの項目の違いは、項目名だけをAIに渡して対照表にすると把握しやすくなります。

自社では元になる一覧を一つに決め、そこから各様式へ写す形にすると修正の手間を減らせます。

Q. 小さな会社でも施工計画書のAI活用は始められますか?

A. 次の工事の安全管理の章だけで試すなら、特別なシステムは必要ありません。

会社が利用を認めた対話型AIと、過去に提出した自社の計画書があれば始められます。

工種ごとの型づくりや社内データとの連携は、試した結果を見てから判断してください。

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この記事の執筆者と編集部

執筆

Web制作・デザイン出身。AIを使ったアプリ開発と業務自動化を、設計から実装まで担当しています。自ら開発・運用する経験をもとに、仕事でAIを使う手順と注意点を解説します。

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編集・検証

まるっとAI編集部

施工計画書や安全書類の作成に生成AIを使う際の、任せる範囲と人が確認する点を整理しています。