LINE公式アカウントのAIチャットボット(β)は、お客様がトークで送った質問を生成AIが読み取り、店舗側が登録したQ&Aの中から近い回答を選んで自動で返信する機能です。
ChatGPTのようにその場で文章を作って答える仕組みではないため、返信の質は、登録するQ&A表の出来でほぼ決まります。始める前に決めるのは、「自動で返してよい質問」と「スタッフに回す質問」の線引きです。
この記事は、飲食店・美容室・工務店・不動産会社などで、LINE公式アカウントに届く営業時間・予約・料金・空き状況の問い合わせに、手作業で返信している経営者や受付担当の方に向けて書いています。
先に費用と始める条件を答えておきます。Q&Aの登録と応答テストは契約前でも試せますが、お客様へ実際に自動返信させるには、チャットProオプション(月額3,000円・税別)の契約が必要です。医療・福祉など、契約しても使えない場合がある業種もあります。料金と利用条件は、LINEヤフーの公式ページで2026年10月31日に確認しました。
この記事では、Q&A表の列と記入例、スタッフに回す質問の決め方、自動生成したQ&Aの点検手順、公開前に試す質問リスト、自動返信を始める手順を、そのまま使える形で載せます。
記事中の店舗・質問・回答文は、すべて説明用の架空の例です。弊社がこの機能を自社のアカウントで動かした検証結果や、導入先での成果ではありません。
この記事で分かること
- 答えが相手や日によって変わる質問は、AIに答えを選ばせず、スタッフに回します
- 件数が多い上位10〜20件の用件から作り始めると、少ない登録数でも自動で返せる割合が大きくなります
- 公式マニュアルには「生成されたQ&Aは、保存する前に必ず確認してください」とあります
AIチャットボット(β)は
何をする機能か
最初に、AIが何を判断し、どこまでを店舗側が用意するのかを確認します。
登録したQ&Aから返信を選ぶ
LINEヤフーの公式マニュアルでは、AIチャットボット(β)を「トークルーム上でユーザーが質問すると、登録済のQ&Aから最適な回答を自動で選んで返信する機能」と説明しています。
店舗側が登録するのは、「お問い合わせ例」と「返信メッセージ」の組です。お客様のメッセージがどのお問い合わせ例に当たるかを生成AIが判別し、そのQ&Aの返信メッセージを送ります。当てはまるQ&Aがなければ、店舗側で文面を決めておいた「システムメッセージ」が送られます。
公式の説明では、返信は登録済みのQ&Aの中から選ばれます。登録していない情報は答えられない仕組みです。裏を返せば、登録した内容が古ければ、古い情報がそのまま自動で送られます。
応答メッセージ・
手動チャットとの違い
LINE公式アカウントには、以前から無料で使える「応答メッセージ」もあります。
| 返信の方法 | 返信の決まり方 | 向いている質問 |
| 応答メッセージ(キーワード応答) | 登録したキーワードと完全に一致したときに、決めた文を返す | 「メニュー」「クーポン」など、送ってほしい言葉を店舗側が指定できるもの |
| 応答メッセージ(一律応答) | 内容に関わらず、届いたすべてのメッセージに同じ文を返す | 「返信は営業時間内に行います」のような、受け付けたことの案内 |
| AIチャットボット(β) | 言い換えや曖昧な聞き方も、AIが近いQ&Aに当てはめて返す | 営業時間・駐車場・支払い方法など、聞き方はばらばらでも答えが1つに決まるもの |
| 手動チャット | スタッフが読んで返す | 予約の確定、見積り、苦情など、相手ごとに答えが変わるもの |
公式ヘルプによれば、応答メッセージ・AIチャットボット(β)・手動チャットは併用でき、キーワードが一致して応答メッセージで返信できる場合は、応答メッセージが優先され、AIチャットボット(β)は返信しません。一方、一律応答とAIチャットボット(β)を同時に使ったときにどちらが返信するかは、確認した公式ページには書かれていませんでした。
すでに応答メッセージを使っている店舗は、管理画面でキーワード応答と一律応答の両方の設定を開き、残すものを先に決めます。一律応答を残す場合は、AIを有効にした直後に実際のトークで返信のされ方を確かめてください。
自動で返信されないお客様と、
使えない業種
AIチャットボット(β)を有効にしても、すべてのお客様に自動返信が届くわけではありません。LINEヤフーの発表資料には、次の条件が書かれています。
- お客様側のLINEで『LINE公式アカウントAI機能での情報利用』をオンにしている人にだけ自動返信される。オフの人には、AIの返信ではなく、情報利用の許可を促すメッセージが届く
- グループトークでは返信されない
つまり、AIを入れた後も、自動返信が届かないお客様の質問をスタッフが読む体制は残ります。
業種の条件にも注意が必要です。公式ヘルプでは、健康状態や財務状況などの機微な情報を扱う可能性がある業種として、医療・福祉(病院、診療所、介護施設など)、金融、宗教、政治・行政、法律関連を例に挙げ、チャットProオプションの購入有無に関わらず、LINEヤフーの判断で利用できない場合があるとしています。
クリニックや介護事業所は、Q&A表を作り込む前に、自院・自社のアカウントで使えるかを管理画面と公式ヘルプで確かめてください。挙げられているのは例示であり、内訳は予告なく変わる場合があると書かれています。

利用条件と費用
(2026年10月31日確認)
AIチャットボット(β)でお客様に自動返信させる費用は、いま払っているLINE公式アカウントの月額プランの料金に、チャットProオプション(月額3,000円・税別)を足した額です。無料のコミュニケーションプランなら、AIの分として月3,000円(税別)がかかります。
| 項目 | 公式ページの記載 | 確認先 |
| 実際にお客様へ返信する条件 | チャットProオプション(月額3,000円・税別)の契約。未契約では、AIで返信する設定を有効にできない | 料金プランのページ、発表資料、公式ヘルプ |
| 契約前に使える機能 | 「Q&A登録」と「Q&A応答テスト」。ただし認定セールスパートナーが開設・管理しているアカウントは、この2つにも契約が必要 | 公式マニュアル |
| 月額プラン | コミュニケーションプラン0円、ライトプラン5,000円、スタンダードプラン15,000円(いずれも税別・月額換算)。オプションはどのプランでも契約できる | 料金プランのページ |
| 登録できるQ&Aの数 | 100件まで | 公式マニュアル |
| PDF・画像からの自動生成 | 月30回まで。PDF・画像はそれぞれ最大10個、1ファイル30MB以下 | 公式マニュアル |
| Q&A改善(AIの改善提案) | 月30回まで | 公式マニュアル |
| 操作できる画面 | Web版の管理画面のみ。利用開始の同意は管理者権限を持つ担当者だけができる | 公式マニュアル |
料金はLINE公式アカウントの料金プランのページで、2026年10月31日に確認しました。「(β)」が付いた機能のため、契約前に料金と条件を公式ページで確かめてください。
月の無料メッセージ通数(コミュニケーションプランなら月200通)との関係も確認しました。料金プランのページでは、LINEチャットの送受信や応答メッセージは、無料メッセージ通数に数えない扱いです。
AIチャットボット(β)の返信は、公式マニュアルのメッセージ通数の分析で、送った通数として集計されます。ただし表の中では、無料メッセージ通数に数える「有償タイプ」の印が付いておらず、応答メッセージやチャットと同じ扱いになっています。
「数えない」と文章で書かれているわけではないため、契約後しばらくは、分析画面の有償タイプの通数が増えていないかを見てください。
Q&A表の作り方
管理画面に入力する前に、社内用のQ&A表を1枚作ります。登録は100件までなので、何を入れて何を入れないかを先に決めておく必要があります。
最初に、1か月分の
トークから質問を数える
Q&Aの材料は、実際に届いているメッセージです。管理画面のチャット画面で直近1か月分のトークを見返し、質問を用件ごとに数えます。
営業時間、駐車場、予約方法、料金、空き状況のように用件名を書き出し、「正」の字で数えます。件数が多い上位10〜20件の用件から作り始めると、少ない登録数でも自動で返せる割合が大きくなります。
同時に、「答えが相手によって変わる質問」に印を付けておきます。予約が取れるか、いくらかかるか、体調や症状に関わるか、といった質問です。印を付けた質問は、Q&A表で「スタッフに回す質問」として扱います。
Q&A表に入れる9つの列
次の1行をExcelのA1セルに貼り付け、「データ」の「区切り位置」でカンマ区切りを選ぶと、9つの列に分かれます。
No,分類,お問い合わせ例,似た聞き方(テスト用),返信メッセージ,スタッフに回すか,回答の根拠,更新担当,最終確認日
管理画面に登録するのは「お問い合わせ例」と「返信メッセージ」です。残りの列は、社内で正しさを保つために使います。
| 列 | 書くこと | なぜ必要か |
| No | 通し番号 | テスト結果と照らし合わせる |
| 分類 | 営業時間・予約・料金・アクセスなど | 重なったQ&Aを見つける |
| お問い合わせ例 | お客様がいちばんよく使う聞き方 | AIが判別に使う(登録する) |
| 似た聞き方(テスト用) | 同じ用件の別の言い方を3〜5個 | 言い換えても同じQ&Aが選ばれるかを試す |
| 返信メッセージ | お客様に送る文面 | そのまま送られる(登録する) |
| スタッフに回すか | はい・いいえ | 「はい」は引き継ぎの文面にする |
| 回答の根拠 | 料金表・ホームページ・店内掲示など | 元の情報が変わったとき、直すQ&Aを探す |
| 更新担当 | 直す人の名前か役割 | 変更を誰が反映するかを決める |
| 最終確認日 | 内容を確かめた日 | 古いQ&Aを見つける |
AIチャットボット(β)は登録した文面をそのまま送るため、元の料金表が変わってもQ&Aは自動では変わりません。根拠の資料が分からないと、値上げのたびに100件を全部読み直すことになります。
業種別の記入例(架空)
飲食店・美容院・小売店・EC・宿泊施設などの質問と回答の例は、LINEヤフーの公式コラムにも載っています。ここでは、公式の例にない工務店と不動産を加え、どの質問を自動で返し、どの質問をスタッフに回すかまで判断を付けた例を示します。
以下は、説明のために作った架空の店舗・会社の記入例です。お問い合わせ例・返信メッセージ・スタッフに回すかの3列だけを抜き出しています。
飲食店(予約制のレストラン)
| お問い合わせ例 | 返信メッセージ(要約) | スタッフに回すか |
| 何時まで営業していますか | 営業時間とラストオーダーの時刻、定休日を案内する | いいえ |
| 予約はどうすればいいですか | 予約ページのURLと電話番号を案内する | いいえ |
| 今夜4人で入れますか | 空席は自動で答えられないこと、予約ページで空きを確認できること、急ぐ場合の電話番号を伝える | はい |
| このコースに卵は入っていますか | アレルゲン表のURLを案内し、食物アレルギーがある場合はスタッフが確認して返信すると伝える | はい |
アレルギーの質問は、聞かれる回数が多くても「入っていません」と自動で返す設計にしません。仕入れ先や調理工程が変わると答えも変わり、間違えたときの影響が大きいためです。
工務店・リフォーム会社
| お問い合わせ例 | 返信メッセージ(要約) | スタッフに回すか |
| 見積りは無料ですか | 現地調査と見積りの費用の扱いと、申し込み方法を案内する | いいえ |
| 外壁塗装はいくらかかりますか | 建物の大きさや傷み具合で変わるため、現地調査のうえ見積りを出すと伝え、住所と希望日を送ってもらう | はい |
| 天井から水が落ちてきています | LINEでは返信が遅れる場合があるため、緊急連絡先の電話番号へかけるよう案内する | はい |
雨漏りや水漏れのような急ぎの連絡は、LINEで受けるとスタッフが読むまで誰も気づきません。急ぎの用件は、LINEで受け付けず電話へ案内する文面にしておきます。
不動産仲介・管理会社
| お問い合わせ例 | 返信メッセージ(要約) | スタッフに回すか |
| 内見の申し込み方法を教えてください | 申し込みフォームと、送ってほしい項目(物件名・希望日時)を案内する | いいえ |
| この部屋はまだ空いていますか | 空室状況は日々変わるため、物件名を送ってもらえばスタッフが確認して返信すると伝える | はい |
| エアコンが動きません(入居中) | 入居者向けの故障受付の電話番号と、水漏れなど急ぐ場合の連絡先を案内する | はい |
不動産では、自動で返すのは手続きの方法までにして、空室・家賃交渉・入居審査の可否はスタッフに回します。
返信メッセージの書き方
登録した文面は、手直しされずにお客様へ届きます。次の4点を守って書きます。
- 1つのQ&Aに1つの用件だけを書く。営業時間と駐車場を1つの返信にまとめると、どちらかを聞いた人にも両方が届きます
- 変わる可能性がある情報には、条件や時期を書き添える(例:「年末年始は別の営業時間です」)
- 最後に、次にすることを1つ書く(予約ページ・電話番号・送ってほしい情報)
- 予約が取れた、値引きできる、といった約束になる言葉を書かない
架空のレストランで、営業時間のQ&Aを書いた例です。
営業時間は、昼11:30〜14:30(ラストオーダー14:00)、夜17:30〜22:00(ラストオーダー21:00)です。
定休日は毎週火曜日です。祝日と年末年始は営業時間が変わることがあるため、お知らせ欄をご確認ください。
ご予約は、こちらのページから24時間受け付けています。
https://example.com/reserve
管理画面へ登録する
Q&A表ができたら、Web版の管理画面で「AIチャットボット(β)」を開きます。最初に、管理者権限を持つ担当者が注意事項を確認し、「AIチャットボット(β)を利用」を押して利用を始めます。
Q&Aの作成方法は「個別作成」「複数作成」「自動生成」の3つです。件数が多い場合は「複数作成」を使い、CSVファイル(UTF-8またはShift-JIS)で一括登録できます。CSVの雛形は管理画面からダウンロードでき、2行目と3行目に例文が入っています。
公式マニュアルには雛形の列名が載っていないため、ダウンロードした雛形の1行目で列名を確かめてください。その列名と並びに合わせて、Q&A表から「お問い合わせ例」と「返信メッセージ」を写します。
1つのQ&Aに複数の聞き方を登録できるかも、雛形で確かめます。できない場合は、いちばん多い聞き方をお問い合わせ例にし、似た聞き方は応答テストに使います。
Q&Aの登録と、管理画面の「Q&A応答テスト」は、チャットProオプションを契約する前でもできます。ただし、LINEヤフーの認定セールスパートナーが開設・管理しているアカウントは、登録と応答テストにも契約が必要です。

スタッフに回す質問の決め方
自動で返してよいのは、誰に聞かれても答えが同じになる質問だけです。答えが相手や日によって変わる質問は、AIに答えを選ばせず、スタッフに回します。
相手や日によって
答えが変わる質問
次の表に当てはまる質問は、Q&A表の「スタッフに回すか」を「はい」にします。
| 質問の種類 | 例 | 自動で返す内容 |
| 予約の確定・変更・取消、空き状況 | 「明日の10時に変更できますか」「今日空いてますか」 | 予約ページか電話番号。変更・取消はスタッフが確認して返信すると伝える |
| 個別の見積り・値引き | 「この広さでいくら」「まとめて頼むと安くなりますか」 | 見積りに必要な情報を送ってもらい、スタッフが返信すると伝える |
| 体調・症状・安全に関わること | 「カラーの後にかゆみが出た」「この料理はアレルギーでも大丈夫か」 | スタッフが確認すると伝える。症状が強い場合は医療機関の受診を案内する |
| 苦情・トラブル・緊急 | 「頼んだ料理と違った」「水が漏れている」 | おわびと受け付けたことを伝え、急ぐ場合の電話番号を案内する |
| その人の契約・注文・支払い | 「私の契約はいつ更新ですか」「先月の請求額は」 | 本人確認が必要なため、スタッフが確認して返信すると伝える |
美容室で「カラーの後にかゆみが出た」と届いたとき、AIが「よくある症状です」と返すことはありません。登録していない答えは送られないからです。
ただし、似た言葉を含むQ&A(例:「カラーの持ちをよくする方法」)が選ばれてしまう可能性はあります。体調に関わる言葉が来たら引き継ぎのQ&Aが選ばれるかを、応答テストで必ず確かめます。苦情を受けた後の返信文の作り方は、クレーム対応のAI活用で扱っています。
引き継ぎ用のQ&Aを作る
スタッフに回す質問も、Q&Aとして登録しておきます。登録しないと、お客様には「適切な回答がない」というシステムメッセージだけが届き、次に何をすればよいか分かりません。
引き継ぎ用の返信メッセージには、①スタッフが確認すること、②いつ頃返信するか、③急ぐ場合の連絡先、④送ってほしい情報、の4つを入れます。架空の美容室の例です。
ご予約の変更・キャンセルは、スタッフが予約状況を確認してからご返信します。
営業時間内(10:00〜19:00)であれば、通常1時間以内にお返事します。営業時間外のメッセージは、翌営業日の午前中にお返事します。
当日のご予約の変更は、お電話(000-0000-0000)でご連絡ください。
このトークに、次の2点を送ってください。
・ご予約のお名前
・変更前のご予約日時と、ご希望の日時
送ってほしい情報は、スタッフが返信するのに必要な最小限にします。生年月日や住所、病歴のように、トークでやり取りする必要のない情報は求めません。「1時間以内」のような返信の目安は、実際に守れる時間で書いてください。
スタッフが
見落とさないようにする
引き継ぎのQ&Aを作っても、スタッフがトークを開かなければお客様は待たされます。次の3つを決めておきます。
1つ目は応答設定です。管理画面の[設定]>[応答設定]で、AIチャットボット(β)を手動チャットと組み合わせる項目を選ぶと、スタッフもトークに返信できます。公式ヘルプによれば、営業時間内は手動チャット、営業時間外だけAIチャットボット(β)にする切り替えもできます。
2つ目は、トークを見る担当者と時刻です。引き継ぎ用のQ&Aが送られたときに担当者へ知らせが届くかどうかは、確認した公式ページには書かれていませんでした。知らせに頼らず、「開店前・昼休み・閉店後に、受付担当が管理画面のチャット一覧を開く」のように、見る人と時刻を決めます。担当者が休みの日に代わりに見る人も決めておきます。
トークを確認する間隔は、返信文で案内した時間までに返事を作って送れるように決めます。数時間おきにしか見られないなら、「1時間以内」とは案内せず、次に確認できる時刻と返信の準備にかかる時間に合わせて文面を変えてください。
AIが返信したトークが未読のまま残るかどうかも、公式ページでは確かめられませんでした。未読の印だけで探さず、前回見た時刻より後にメッセージが届いたトークを順に開きます。
3つ目は、対応の済んでいないトークの見分け方です。公式マニュアルによれば、チャット画面ではトークごとに「要対応」と「対応済み」を切り替えられ、「要対応」のトークだけを絞り込んで表示できます。
AIが引き継ぎ用のQ&Aを送ってもトークが自動で「要対応」になるとは書かれていないため、一覧を見た担当者が、引き継ぎの文面が送られたトークを手で「要対応」にし、返信したら「対応済み」に切り替えます。
スタッフが返信している最中に、次のメッセージへAIが自動返信するかどうかも、公式ページには書かれていませんでした。応答設定でAIを選ぶと、AIを選んだ時間帯には、お客様のトークにも自動返信が送られます。
AIを選んだ直後、AIが返信する時間帯のうち問い合わせの少ない時刻に、『LINE公式アカウントAI機能での情報利用』をオンにしたお客様役のスマートフォンと、管理画面を開いたスタッフ役の端末で実際にやり取りして確かめてください。情報利用がオフの端末では許可を促すメッセージしか返らず、AIが動いていないように見えます。
答えが見つからないときの
返信を書き換える
Q&Aに当てはまらないときに届く返信も、店舗側で書き換えられます。公式マニュアルによれば、返信の条件は変えられず、変えられるのは文面です。分析画面の説明には「適切な回答が見つからない」「テキスト以外のメッセージを受信」「エラーが発生」の3つが出てきます。
初期設定の文面は「適切な回答がありません」で、そのままではお客様は次に何をすればよいか分かりません。架空の工務店で、よく使われる2つを書き換えた例です。エラーのときの文面も、急ぎの連絡先を入れる形で同じように書きます。
【適切な回答が見つからないとき】
お問い合わせありがとうございます。この内容は自動ではお答えできないため、担当者が確認してご返信します。
営業時間内(9:00〜18:00、日曜定休)であれば、当日中にお返事します。
雨漏りや水漏れなど急ぎのご連絡は、お電話(000-0000-0000)でお願いします。
【テキスト以外のメッセージ(写真・スタンプなど)を受け取ったとき】
写真やスタンプには自動でお答えできません。写真は担当者が確認してご返信します。
ご質問の内容を、文字で送っていただくと早くお答えできます。
工務店や不動産では、傷んだ箇所の写真が送られてくることがよくあります。写真を受け取ったときの文面で「担当者が確認して返信する」と伝えても、担当者がトークを開くまで返信は進みません。決めた時刻にチャット一覧を見る担当者が、写真の届いたトークを「要対応」にして返信するところまでを、文面とセットで決めておきます。

自動生成したQ&Aの
点検から公開までの手順
料金表やパンフレットのPDF、店内掲示の写真からQ&Aを自動で作れます。公式マニュアルには「生成されたQ&Aは、保存する前に必ず確認してください」とあります。点検は次の3段階で進め、最後に自動返信を始めます。
アップロードする資料を選ぶ
自動生成の材料にするのは、お客様に見せてよい最新の資料だけです。終わったキャンペーンのチラシや、改定前の料金表が混ざると、古い情報がQ&Aになります。料金表のPDFがない店舗は、ホームページの料金や案内のページをPDFや画像で保存してアップロードする方法も、公式マニュアルに書かれています。
予約台帳の画面やお客様の名前が写った写真は使いません。公式ヘルプでは、会話ログや自動生成時にアップロードした情報はAIの学習には利用されないと回答しています。一方で、発表資料には本機能がOpenAIのAPIを使用していると書かれています。学習に使われなくても、外部の仕組みで処理されないとは限りません。
お客様の個人情報を外部のサービスに渡さずに済む資料を選ぶのが基本です。他社のチラシや写真のように、権利を侵害する恐れのある内容も使わないよう、公式マニュアルで注意されています。
お客様がトークに書き込む内容も、Q&Aを選ぶためにAIが読み取ります。名前や症状などがトークで送られてくることを前提に、導入前に、利用開始のときに表示されるLINEヤフーの注意事項を読み、自社のプライバシーポリシーでLINEでのやり取りの扱いをどう案内しているかを確かめます。
生成されたQ&Aを1件ずつ
元の資料と照らし合わせる
生成されたQ&Aは、保存する前に、元の資料と並べて1件ずつ読みます。見るのは次の6点です。
| 点検すること | よくある間違い | 直し方 |
| 数字・日付・時刻 | 料金・営業時間・期限が元の資料と違う | 元の資料の表記に合わせる |
| 条件の抜け | 税込・税別、「平日のみ」「要予約」などが落ちている | 条件を返信メッセージに書き足す |
| 言い切りすぎ | 「いつでも」「必ず」「すぐに」と書かれている | 実際に守れる表現に直す |
| 約束になる文 | 「ご予約を承りました」「割引いたします」 | 引き継ぎ用の文面に置き換える |
| 重なり | 同じ用件のQ&Aが2件以上ある | 1件にまとめるか、用件を分けて書き直す |
| 載せたくない情報 | 社内向けの注意書きやスタッフ名が入っている | 削除する |
点検したQ&Aは、社内用のQ&A表にも書き写し、「回答の根拠」にアップロードした資料名、「最終確認日」に点検した日を入れます。自動生成した分も社内のQ&A表で管理しておけば、料金改定のときに直す場所が分かります。
公開前に試す質問リスト
登録が終わったら、管理画面の「Q&A応答テスト」で、お客様が送りそうな質問を試します。テストできる回数には1日あたりの上限があるため、試す質問は先にリストにしておきます。架空のレストランで使う場合の例です。
【言い換え:同じQ&Aが選ばれるか】
1. 何時までやってますか
2. 夜は何時まで?
3. ラストオーダーは何時ですか
4. 火曜日は開いていますか
【スタッフに回す質問:引き継ぎのQ&Aが選ばれるか】
5. 今夜7時に4人で入れますか
6. 明日の予約を2人から3人に変えたいです
7. 子どもが卵アレルギーなのですが、食べられるコースはありますか
8. 昨日食べた料理に髪の毛が入っていました
9. 20人で貸し切りにするといくらですか
【つまずきやすい送り方】
10. 営業時間と駐車場を教えてください(1通に2つの質問)
11. 先週行った者ですが、忘れ物をしたかもしれません。黒い傘です。(前置きが長い)
12. 予約できますか?(「予約方法」と「空き状況」のどちらにも取れる)
13. 写真を1枚だけ送る
結果は、Q&A表のNoを使って「質問番号・選ばれたQ&AのNo・期待どおりか」の3列で記録します。間違ったQ&Aが選ばれたら、お問い合わせ例を直すか、似たQ&Aを1件にまとめて、もう一度試します。
自動返信を始める手順
チャットProオプションの契約は、応答テストで期待どおりのQ&Aが選ばれると確かめてからで間に合います。
- チャットProオプションを契約する。未契約のままでは、AIで返信する設定を有効にできません
- お客様に送るQ&Aを、Q&Aリストの「ステータス」で有効にする。点検前のQ&Aは無効のまま残します
- キーワード応答と一律応答の設定を開き、残すものを決める
- [設定]>[応答設定]で、AIチャットボット(β)が送られる設定にする。チャットをオンにしている場合は、応答方法でAIチャットボット(β)を含む項目を選びます。応答時間を使う場合は、応答時間内と応答時間外で別々に選べるため、AIに返信させたい時間帯にだけ選びます(例:営業時間外だけAIにするなら、応答時間外だけで選ぶ)
- 設定した直後、AIが返信する時間帯のうち問い合わせの少ない時刻に、情報利用をオンにしたお客様役のスマートフォンから、試す質問リストの何問かを送って確かめる
4の応答設定を保存した時点から、AIを選んだ時間帯には、お客様のトークにも自動返信が送られ始めます。2と3を先に済ませておけば、点検していないQ&Aや、残すつもりのなかった一律応答が送られる心配を減らせます。
実際のトークで誤った返信や、スタッフとAIの二重返信が起きた場合は、[設定]>[応答設定]を開き、AIを選んだ時間帯の応答方法を、手動チャットか従来使っていた方法に戻して保存します。応答時間を使っている場合は、応答時間内と応答時間外の両方を確かめます。
変更後はお客様役の端末から送り、AIの自動返信が止まり、スタッフが返信できることを確かめてください。Q&Aと応答設定を見直し、管理画面の応答テストで確認してから、同じ応答設定でAIの返信を再開します。この停止・再開は、上の応答設定を使った運用の設計例で、弊社で実際に操作して確かめた手順ではありません。

使い始めてからの見直し方
公開した後は、分析画面の数字と、スタッフが受けた引き継ぎの中身を見てQ&Aを直します。
分析画面では、応答した回数、「Q&Aが見つからなかった割合」、返答率などから計算した3段階の満足度調査を、7日間または30日間で確認できます。お客様のフィードバック(GoodとBadの比率)は、分析画面ではなく、Q&Aリスト画面の「フィードバック」欄に表示されます。集計期間は、こちらも7日間か30日間を選べます。
| いつ | 見るもの | すること |
| 毎週1回 | 分析画面の「Q&Aが見つからなかった割合」と、Q&Aリストの「フィードバック」欄でBadの多いQ&A | 見つからなかった質問をトークで読む。2回以上来た用件は、自動で答えてよい質問か、引き継ぎの文面にする質問かを「スタッフに回す質問の決め方」の表で分けてから、Q&Aに足す |
| 毎週1回 | 「要対応」にして引き継いだトーク | 毎回同じ答えをスタッフが返しているなら、自動で返すQ&Aにできないか検討する |
| 料金・営業時間・メニューを変えた日 | Q&A表の「回答の根拠」列 | 該当するQ&Aを直し、最終確認日を更新する |
| 月1回 | Q&A改善の提案(追加・更新・削除・分割・統合) | 提案を1件ずつ読み、元の資料と合うものだけ反映する |
Q&A改善は、AIが現在のQ&Aとお客様のフィードバックをもとに直し方を提案する機能です。月30回までという上限があるうえ、提案の中身が元の資料と合っているかは、自動生成のときと同じように人が確かめます。
予約台帳や在庫と
照らし合わせるなら
連携開発が要る
AIチャットボット(β)が返せるのは、登録した文面だけです。「今日の15時に空きがあるか」「この部品の在庫があるか」のように、その時点の台帳を見て答える質問には、標準の機能では答えられません。
| やりたいこと | 標準の機能で足りるか | 必要になるもの |
| 営業時間・アクセス・手続きの案内を自動で返す | 足りる | Q&A表と、更新担当の決まり |
| 空き状況・在庫を見て答える | 足りない | 予約システムや在庫表とLINEをつなぐ仕組み |
| トークの中で予約を確定させる | 足りない | 予約台帳への登録と、二重予約を防ぐ確認の仕組み |
| お客様ごとの契約・注文の状況を答える | 足りない | 本人確認と、顧客台帳を参照する仕組み |
LINE公式アカウントには、開発者向けに外部のシステムとつなぐための仕組み(Messaging API)があり、予約台帳や在庫表との連携はこちらを使った開発になります。既存の予約システムがLINE連携の機能を持っている場合もあるため、まず今使っている予約システムや顧客管理の仕組みに、LINE連携の機能があるかを確かめます。
選び方を3つに分けると、次のとおりです。
- 標準のAIチャットボット(β):誰に聞かれても答えが同じ質問を、登録した文面で返せば足りる場合
- 既製品のLINE連携:使っている予約システムや、LINE向けのチャットボット製品に連携機能があり、空き状況の案内や予約の受け付けがその製品の中で完結する場合
- 連携開発:複数の台帳をまたいで照らし合わせる、社内の決まりに沿って担当者へ振り分ける、といった部分が既製品の設定では残る場合
問い合わせの受け付けから担当者への引き継ぎ、台帳への記録までをまとめて仕組みにする方法は、まるっとAIの問い合わせ対応のページで紹介しています。費用の考え方は、AI開発の費用相場と見積もりの内訳を参考にしてください。
まずは1か月分のトークから、
上位20件の質問を書き出す
LINE公式アカウントのAIチャットボット(β)は、登録したQ&Aから返信を選ぶ機能です。判断の基準は2つあります。誰に聞かれても答えが同じ質問だけを自動で返しているか。答えが変わる質問を、スタッフが漏れなく受け取れているか。
最初の一歩は、直近1か月分のトークから多い質問を20件書き出し、この記事のQ&A表に落とすことです。Q&A登録と応答テストはチャットProオプションを契約する前から使えるため(認定セールスパートナーが開設・管理しているアカウントを除く)、試す質問リストで選ばれ方を確かめてから契約を決められます。
空き状況や在庫を見て答えたい、予約の確定までLINEで済ませたい、という段階になったら、標準の機能でできる範囲と、台帳とつなぐ開発が必要な範囲を分けて検討してください。