仕入先の商品表を販売管理やECへ移すたびに、品番の先頭ゼロ、箱と個の違い、色違いの行を見直している。
列名を合わせても、そのまま登録してよいか迷う卸売・ECの担当責任者向けの記事です。
商品マスタ登録の自動化では、仕入先の項目を自社形式へそろえます。
その後、新規・更新・要確認を分けてから登録する順で進めます。
同じ商品名だけで行を統合せず、品番、規格、入数、販売単位の対応を残すことが出発点です。
AIは、ばらばらな表から項目を抜き出したり、不明な対応を候補にしたりする補助に使います。
すでに決まっている列変換やID照合はルールで行い、登録先へ反映する前に担当者が差分を見ます。
架空の仕入先3行を使って、その記入例を示します。
この記事で分かること
- 商品名が似ていても、箱と個や色違いを同じ行へ統合しません
- 入力にないSKUやJANは補わず、新規・更新・要確認を分けます
- 登録前の差分と、少量登録後の結果を照合します
商品名が同じでも、
販売単位や色が違えば分ける
商品マスタには、似た名前をきれいにまとめるより、受注・仕入・在庫で区別すべき単位を保つことが必要です。
商品名の表記が近くても、箱売りと個売り、色やサイズの違いを同一行へまとめるとは限りません。
「1箱10個」と「1個」は
同じ価格の単位ではない
架空の仕入先表に「保管ケース青、1箱10個、2,000円」と「保管ケース青、1個、240円」があったとします。
価格はどちらも税抜と明記された例です。
商品名だけで同じ商品へ合わせると、箱の価格を1個の価格として登録するおそれがあります。
この例では、箱と個を別の販売単位として登録する方針にします。
実務で箱の商品と個の商品を別マスタにするか、換算関係を持たせるかは、利用中のシステムと社内ルールへ合わせます。
AIが一般論で決める項目ではありません。
仕入先品番、自社SKU、
登録先IDの役割を分ける
仕入先品番は相手の商品を識別する番号、自社SKUは自社で区別する在庫・販売単位の管理番号です。
登録先IDは、販売管理やECにすでにあるデータを特定するための番号などを指します。
同じ文字列とは限りません。
JANコードは商品を識別する共通コードで、自社内の管理番号とは区別します。確認できない番号は資料や担当者へ確認します。
入力にないSKUやJANを、AIに作って埋めさせません。
新しい自社SKUが必要なら、会社の採番方法で担当者が割り当て、対応表へ追加します。
仕入先品番が同じでも、仕入先が違えば別物の可能性があるため、品番単体の一致にも注意が必要です。
元の表と自社項目の
対応表を、変換前に作る
最初に作るのは、どの列をどこへ移すかと、判断が必要な条件を並べた表です。
元データは残し、比較や変換の列を別に作ります。
元資料へ戻れる行番号や版も添えてください。
| 仕入先の項目 | 自社側の項目 | 移すときのルール | 保留する条件 |
| 品番 | 仕入先品番 | 文字列としてそのまま保持 | 空欄、読取不能、同じ品番の相違行 |
| 品名 | 商品名 | 原文を残し、表示名の案は別列 | 名称だけで同一商品と決める場合 |
| 色・規格 | バリエーション・規格 | 色とサイズ等を分けて保持 | 項目の意味や値が不明 |
| 入数 | 包装あたり数量 | 1箱10個なら数量10を記録 | 1箱か1個か判別できない |
| 単位 | 仕入・販売単位 | 箱、個などを対応ルールで区別 | 社内の管理単位との関係が未定 |
| 価格 | 仕入価格等の対象列 | 価格の種類と対象単位を明記 | 販売価格か仕入価格か不明 |
| 税の記載 | 税込税抜・税区分の候補 | 資料にある記載だけを移す | 根拠なく税率や区分を補う場合 |
| 仕入先の識別 | 仕入先ID | 承認された対応表へ照合 | 似た社名だけで一致させる場合 |
| 既存の対応表 | 自社SKU・登録先ID | 登録済みの識別情報へ照合 | 該当なし、複数候補、単位の違い |
価格の列は、
名前より対象を確認する
仕入先の「単価」が、自社側の「販売価格」と同じ意味とは限りません。
仕入価格、参考小売価格、売価を分け、何に対する金額かを確認します。
税込・税抜も同じ表の中で混ざっていないかを見る項目です。
税の記載が欠けている場合は、一般的な税率を入れて完成扱いにしません。
適用する区分は資料や社内の確認担当へ戻します。
この記事の金額は商品データの整備例で、税務上の判断や申告方法を案内するものではありません。
決まった変換は、
AIへ毎回判断させない
「品番」を「仕入先品番」へ移す、列の順番を変えるといった対応が固定の場合もあります。
その場合は、表計算の取込みや既存システムの変換機能で足りることがあります。
AIを使うのは、資料内で分かれていない「色・入数」の読み取り候補など、曖昧さが残るところです。
AIが候補を出しても、元の記載と照合する担当を残します。
元表が変わったときに変換が崩れるなら、列名が変わったことを検知して止める方法も必要です。
列の位置だけを頼りに移すと、仕入価格を別の列へ入れる可能性があります。
仕入先の3行を、単位を
保った登録候補へ直す
以下は架空の仕入先S-Aの表です。
3行はそれぞれ別の品番で、金額はすべて税抜の仕入価格、対象は記載された販売単位とします。
自社の販売価格や、実際の取引条件ではありません。
| 行 | 仕入先品番 | 商品名・色 | 包装・単位 | 仕入価格・税の記載 |
| P01 | 00120 | 保管ケース・青 | 1箱10個、箱 | 2,000円/箱、税抜 |
| P02 | 00121 | 保管ケース・青 | 1個、個 | 240円/個、税抜 |
| P03 | 00122 | 保管ケース・赤 | 1箱10個、箱 | 2,000円/箱、税抜 |
既存の対応表には「S-A+00120→自社SKU C-B10→登録先ID R501」があります。
仕入先品番00121と00122には対応がなく、自社SKUは未割当とする条件です。
C-B10とR501は、説明用に用意した既存IDです。
| 元行 | 保持する単位・色 | 自社SKU/登録先ID | 判定候補 | 登録前に見ること |
| P01 | 青、箱、包装数量10 | C-B10/R501 | 既存更新候補 | 価格と規格の旧値・新値 |
| P02 | 青、個、包装数量1 | 未割当/未登録 | 新規候補・採番待ち | 箱と分ける管理方針と必要項目 |
| P03 | 赤、箱、包装数量10 | 未割当/未登録 | 新規候補・採番待ち | 色の別と必要項目。青へ統合しない |
AIに対応候補を出させる指示文
機密を含まない架空の入力表と、確認済みの対応表を使って試します。
以下は、その表を整理するための指示です。
連携先への書込みや実データの投入を求めるものではありません。
添付した架空の仕入先表を、自社項目の対応表へ整理してください。
入力にある値だけを使い、元の行ID・品番・名称・色・単位・入数・価格・税の記載を残します。
品番は文字列として扱い、先頭ゼロを消しません。
商品名が似ていても、色・単位・規格が違えば統合しません。
自社SKUと登録先IDは、別添の確認済み対応表にある組だけを使います。
一致しない場合は「未割当」「未登録」とし、SKU・JAN・税区分を創作しません。
不明な単位、複数候補、価格の対象が不明な行は「要確認」にします。
出力列:元行ID、元品番、商品名、色、単位、包装数量、価格と対象単位、税の記載、自社SKU、登録先ID、判定候補、要確認の理由。
登録・上書き・公開の操作はしないでください。
期待する見本は上の3行の表です。
特定AIを実行した出力ではありません。
P02へC-B10を付けたり、P03を青の行へまとめたりしたら、差し戻します。
名前の類似だけで、別商品を統合した誤りのためです。
単位換算と、販売単位の
決定を混ぜない
箱2,000円を10個で割れば、計算上は1個200円です。
しかし、P02の個売り240円を200円へ上書きする根拠にはなりません。
箱と個では価格条件が違うという入力を保つ必要があります。
換算値を分析用に持たせるなら、「箱価格から求めた比較用の値」と列名で区別します。
元の価格と対象単位は残し、登録する価格は社内ルールへ合わせて担当者が決めます。
登録前に、新規・更新・
要確認の差分を並べる
候補の表ができたら、既存の商品マスタと照合し、どこが変わるかを見ます。
更新する行と新しい行、まだ判断できない行を分けると、登録ボタンを押す前に確認すべき対象が明確になります。
商品名だけで既存商品と
一致させてよい?
この例では一致させません。
仕入先IDと品番の対応に加え、色と単位も照合し、元の対応表と食い違えば要確認へ戻します。
名前は候補を探す材料にはなっても、上書き先を決定する根拠には足りません。
既存IDが1件見つかった場合
P01のR501に対し、旧価格1,900円/箱、新価格2,000円/箱、税抜という差分があったとします。
変更額は100円/箱です。
重要な価格変更は全件を担当者へ示し、他の項目を意図せず変えていないかも比較します。
対応がなく、新規候補になった場合
P02とP03は、そのまま既存SKUへ押し込めません。
会社の採番方法に従ってSKUを割り当て、登録に必要な規格や単位を満たした後に新規データを作ります。
未割当という文字を本番のSKU欄へ登録しないようにしてください。
候補が複数ある、または単位が食い違う場合
照合できない理由を残し、登録対象から外します。
P01の品番に箱と個の両方の対応があれば、どちらへ更新するかを推測できません。
仕入先資料と過去の対応記録へ戻り、担当者が決めた結果を対応表へ反映します。
| 症状 | 戻る場所 | 次の対応 |
| 00120が120になった | 元資料と表計算の列形式 | 文字列として再取込みし、IDを照合 |
| 箱と個が同じSKUになった | 単位と採番の社内ルール | 誤った対応を止め、別管理か換算関係を決定 |
| 価格の税区分がない | 仕入先資料と確認担当 | 値を補わず要確認のまま保留 |
| 更新先が複数ある | 既存マスタと対応表 | 対象IDを確定するまで書き込まない |
空欄の意味も決めます。
元資料が空欄なら既存値を残すのか、削除するのかは、登録先と項目で違う場合があります。
「記載なし」を空文字へ一括変換して上書きする前に、項目ごとの動作を確かめてください。
少量の試験登録で、
行数と上書き結果を確かめる
整えた表と、登録先が受け付けるデータは別です。
登録先の公式仕様に合わせた出力を用意し、実際に反映された状態を少量で見る工程を置きます。
CSVなら、そのまま
安全に登録できる?
CSVという形式だけで、上書きや公開を防げるわけではありません。
利用中のサービスで、どの列が商品とバリエーションを特定するかを確認します。
どの操作で既存値を変えるかも、確認が必要です。
例えばShopify公式の商品CSV仕様には、商品・バリエーションの列の説明があります。
項目間の依存関係と、既存データの上書きについても説明しています。
この仕様はShopifyの例です。
別の販売管理へ同じ列名や上書き条件を適用するものではありません。
登録先の最新サンプルと、今のマスタから出したデータを見比べます。
古い自社テンプレートが動くとしても、今回必要な項目や動作と合っているかは別に確認します。
プレビューがあれば内容を読み、不明な警告は無視して先へ進めないでください。
試す対象は、通常行と
例外を一緒に選ぶ
新規だけ、更新だけの成功例で全体を判断せず、P01〜P03と要確認の行を含めます。
試験用の環境や、公開しない状態での検証が利用できるかを、管理者へ確かめます。
そのうえで、実際の販売へ影響させない方法を決めます。
登録前のデータを残し、更新対象の旧値と戻し方を確認してください。
元CSVを保存しただけで必ず復旧できるとは限りません。
画像、連携先、公開状態などへの影響も、利用サービスの範囲で調べる必要があります。
試験後は3行が3つの候補として区別され、箱と個、青と赤が意図した単位で残るかを見ます。
P01の価格だけを変えたつもりなら、規格や公開状態、他の商品の価格が変わっていないかも対象です。
反映件数と、見送った件数を照合してください。
試験結果には、
反映しなかった行も残す
P01の価格変更を試したら、R501の旧価格1,900円/箱が2,000円/箱になったかを見ます。
色が青、包装数量が10のままかも照合します。
価格以外を変更しない試験なら、その条件を結果へ書きます。
数量10を在庫10個として登録していないかも、画面の項目名と合わせて見る必要があります。
P02とP03は、SKUを割り当てる前なら保留のままです。
「元表3行、登録候補3行、今回の反映1行、採番待ち2行」のように、処理の段階を分けて記録してください。
3行のファイルを作れたことを、3商品の登録完了とは報告しません。
担当者が後からSKUを決めたら、その番号を対応表に追加し、新規の2行だけを次の試験へ渡します。
同じ仕入先表を再び受け取った場合には、今度は対応がある行として照合されるかが検査の対象です。
毎回新しいSKUが増える動きなら、継続更新の前に止めます。
要確認の理由が解消した経緯も残します。
単位を担当者へ聞いたのか、更新された資料で判明したのかを記します。
次回同じ表現が来たときに、対応ルールを見直せるようにするためです。
未決の別項目まで一括で登録可能に変えないようにしてください。
すでにある商品の在庫数や発注点を見直す場面は、在庫管理のAI活用で扱っています。
登録候補の整備と、その後の入出庫・発注判断を同じ作業にしないことが要点です。
継続更新では、仕入先資料と
対応表の担当を決める
一度登録しても、品番変更、包装変更、価格改定、廃番が届きます。
誰が資料を受け取り、どの版を採用し、対応表と登録先を更新したかを残すことで、次回の処理を始められます。
同じ品番の変更を、
全項目の上書きにしない
価格改定の資料に色や入数が載っていなければ、それらを空欄へ消す意図とは限りません。
資料の目的と更新する項目を決め、価格だけの更新なのか、商品構成を変えるのかを担当が確認します。
変更後は受領した元資料、変換した表、採用した差分、担当者の判断、登録結果を対応させます。
差分が要確認のまま残った商品は、以前のデータを使い続けてよいかも判断が必要です。
自動で新規登録し直して重複を増やす方法にはしません。
自力で足りる部分と、
連携を相談する部分
固定の表を決まった列へ移すだけなら、既存の取込み機能や表計算で対応できる場合があります。
仕入先ごとの資料、複数の登録先、独自の採番や単位ルール、差分確認をつなぐ場合もあります。
その境界が、相談する内容になります。
相談には、機密を含まない3行の資料見本と、自社項目の対応表を用意します。
登録先サービスと、期待する新規・更新・保留の結果も整理します。
未定のSKUは未定とし、担当者と必要な確認も添えてください。
仕様書をすべて完成させてからでないと相談できない、という意味ではありません。
商品説明の文章を作る段階は、生成AIで商品説明文を作る手順へ進めます。
商品名・規格・単位の登録データが確かめられてから、説明文の公開判断を別に行います。
最初の一歩は、仕入先の3行を選び、元品番・色・入数・単位を消さずに自社項目の右へ並べることです。
対応が決まらないセルを残せば、設定で処理できる部分と、担当者へ聞くべきことが見えてきます。
まるっとAIの事務業務の支援へも、その見本を基に相談できます。
読取り・照合・登録・変更後の点検を、どこまでつなぐかを整理します。
対応するサービスと範囲は、現在の環境と要件を踏まえて個別に確認します。