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AI活用

保険代理店のAI活用更改案内・事故受付・
提案書の
指示文と
顧客情報の入力ルール

公開日:2026年10月29日

執筆:

保険代理店の更改案内・事故受付・提案書の下書きを生成AIが作り、AIに入れる顧客情報を入力ルールで仕分けたうえで、代理店の職員が確認して仕上げる様子

保険代理店のAI活用は、更改案内の文面、事故受付の電話メモ、提案書の説明文、チラシの表現確認といった、文章を作って整える作業から始めます。

4つのうち、更改案内のひな形づくりは架空の例だけで試せます。チラシの表現確認も、原稿から顧客の名前や体験談を除けば、顧客情報をAIに入れずに始められます。

事故受付のメモと提案書の下書きは、名前を伏せても顧客の情報が残ります。入力データの扱いと所属保険会社の規程を確かめ、代理店として契約したサービスに限って、情報を必要な範囲まで減らしてから使います。

AIに任せるのは、下書きと確認漏れの候補出しまでです。どの商品を勧めるかは代理店が、保険料の算出や保険金を支払うかどうかは保険会社が決めます。

この記事は、従業員5〜50名ほどの損保・生保の乗合代理店で、更改や事故受付の記録に追われている代表・事務責任者の方に向けて書いています。

4つの業務それぞれの指示文を、そのまま試せる形で載せます。あわせて、どの顧客情報をAIに入れないかを決める入力ルールの表と、金融庁の監督指針・個人情報保護委員会の資料で確かめる点を説明します。

本文の顧客メモと出力の見本は、説明のために弊社が作った架空の例です。指示文はAIで実行していません。特定の代理店の記録や、AI製品の性能を測った結果ではありません。

この記事で分かること

  • 更改案内では、顧客ごとの文章をAIに書かせず、変更の種類ごとのひな形をAIに作らせます
  • 指示文を試す前に、代理店として、どの情報をどのAIサービスに入れてよいかを決めます
  • AIでのメモの整理は、報告を済ませた後に、記録票の清書と聞き漏れの確認に使います

保険代理店の業務で、
AIに任せる作業と
代理店が決めること

最初に、4つの業務を工程に分け、AIに渡す部分を決めます。

4つの業務を工程に分ける

代理店の事務は、保険会社の代理店システムで行う手続きと、顧客に送る文章や社内の記録を作る作業に分かれます。生成AIが手伝えるのは後者です。

業務AIに任せる作業代理店が決めること
更改案内変更の種類ごとの案内文のひな形、予想される質問の回答案システムで出した保険料・補償の確認と転記、補償を変える提案をするかどうか
事故受付保険会社へ報告した後の受付メモの整理、聞き漏れの候補を挙げる保険会社への速やかな報告、契約者へ伝える範囲
提案書意向と提案内容の対応を説明する文章、推奨理由の文章化どの商品を勧めるか、推奨の理由そのもの
募集文書の確認根拠が要る言葉や、長所だけを書いた箇所の候補出し直すかどうか、所属保険会社の規程に沿った確認の手続き

表の「代理店が決めること」は、AIの性能が上がっても代理店に残る判断です。この判断までAIに任せると、誰も判断していない提案や約束が顧客に届きます。

保険会社のシステムで行う
手続きはAIに移さない

見積もり、設計書の作成、申込み、計上、事故の報告は、所属保険会社の代理店システムで行います。保険料の計算や補償の組み合わせを汎用のAIに尋ねても、保険会社の最新の料率や引受の基準を反映した答えになる保証はありません。

AIの役割は、システムから出た結果を顧客に伝える文章を整えることと、記録の抜けを見つけることに絞ります。数字はシステムの画面や帳票から人が転記し、AIの出力に数字が入っていたら元の帳票と照らし合わせます。

AIに入れてよい顧客情報を
先に決める

指示文を試す前に、代理店として、どの情報をどのAIサービスに入れてよいかを決めます。

健康状態や事故のけがは
「機微情報」として扱う

保険代理店が扱う情報には、告知の内容や通院歴、事故によるけがの状態など、健康に関わる情報が多く含まれます。

個人情報保護委員会と金融庁の「金融分野における個人情報保護に関するガイドライン」には、「機微(センシティブ)情報」という区分があります。要配慮個人情報に、労働組合への加盟、門地、本籍地、保健医療、性生活に関する情報を加えたもので、取得・利用・第三者提供は原則として禁じられています。

ガイドラインは法令等に基づく場合などの例外を9つ挙げています。保険業で主に関わるのは、適切な業務運営のために、本人の同意に基づき、業務遂行上必要な範囲で扱う場合です(第5条第1項第8号、個人情報保護委員会のQ&A)。

引受や支払いのために同意を得て集めた健康に関する情報を、文章を整える目的で外部のAIに貼り付けることが、この範囲に入るとは言い切れません。この記事の指示文は、機微情報をAIに入れない前提で作っています。

個人情報保護委員会の
注意喚起で確かめる2点

個人情報保護委員会は、2023年6月2日の「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」で、事業者が個人情報を含む指示文を入力する場合の注意点を2つ示しています(注意喚起の原文)。

1つ目は、その入力が、特定した利用目的を達成するために必要な範囲内かを十分に確認することです。

2つ目は、サービスの提供事業者が、入力された個人データを機械学習に利用しないこと等を十分に確認することです。本人の同意なく個人データを入力し、それが応答の出力以外の目的で扱われる場合は、個人情報保護法に違反する可能性があると書かれています。

1つ目は入力する目的の問題なので、どのサービスを使う場合も代理店が判断します。2つ目は、サービスの種類、契約の形、設定によって答えが変わります。

個人向けのプランにも入力を学習に使わない設定を持つものがありますが、職員がそれぞれ個人のアカウントで使うと、どの設定で何を入れたかを代理店が把握できません。代理店として契約するサービスを決め、入力データの扱いを規約と管理画面の設定で確かめ、所属保険会社の規程とも照らしてから使います。

なお、2026年7月に成立した改正個人情報保護法は、統計情報等の作成(統計作成等と整理できるAI開発等を含む)にのみ使われることが担保されていること等を条件に、個人データ等の第三者提供と、公開されている要配慮個人情報の取得について、本人の同意を要しない例外を設けました。

2026年10月28日時点では、この例外の施行は原則として公布から2年以内に政令で定める日とされ、対象の範囲は委員会規則等で定める予定です(個人情報保護委員会の資料)。

特定の顧客に送る文章や、その顧客の記録を作るためにAIへ情報を入れるのは、統計情報等の作成とは目的が違います。この改正は、代理店の入力ルールを緩める理由にはなりません。

顧客情報を入れるサービスで
確かめる5つの点

学習に使われないことだけでは、顧客情報を入れてよいとは決められません。注意喚起の2点に、金融分野のガイドラインと所属保険会社の規程で求められる点を加えて、次の5つを確かめます。

確かめる点確かめる内容
入力する目的顧客に示している利用目的の範囲に収まるか。どの業務で何を入れるかを社内のルールに書く
学習への利用入力と出力をモデルの学習に使わないことを、提供事業者の説明と管理画面の設定で確かめる
保存と削除入力と出力がどれだけの期間残るか、履歴を削除できるか、管理者が保存期間を決められるか
見られる人管理者がアカウントを発行・停止でき、入力の履歴を誰が見られるかを決められるか。退職した職員のアカウントを止められるか
委託と保険会社の規程提供事業者への入力が個人データの取扱いの委託に当たる場合は、委託先として選び、監督する(金融分野のガイドライン第10条)。所属保険会社の規程で、外部サービスへの入力が認められているか

学習への利用は、法人向けのプランなら提供事業者が公式に説明しています(2026年10月28日に確認)。OpenAIは、ChatGPT BusinessやChatGPT Enterpriseなどのデータ(入力と出力を含む)を、既定ではモデルの学習や改善に使わないとしています(OpenAIの説明)。

Googleは、Google WorkspaceのGeminiでは、顧客のデータを人がレビューすることも、許可なくドメインの外で生成AIのモデルの学習に使うこともないとしています(Googleの説明)。

Microsoftは、法人向けのMicrosoft Copilot(旧称Microsoft 365 Copilot)の指示文と応答を基盤のモデルの学習に使わないとし、管理者がMicrosoft Purviewで、Copilotとのチャットに関するデータの保持期間を設定できると説明しています(Microsoftの説明)。

これらの説明が答えるのは、5つのうち学習への利用と、保存の一部です。入力する目的、見られる人の決め方、委託に当たるかどうか、所属保険会社の規程は、代理店が自分で確かめます。プランの名前や条件は変わることがあるので、契約の前に最新の説明を読んでください。

顧客情報の入力ルールを
3段階で決める

入力してよい情報は、次の3段階に分けて決めておくと、職員が1件ごとに迷わずに済みます。

区分情報の例扱い方
入れない氏名、住所、電話番号、メールアドレス、生年月日、証券番号、車のナンバー、口座・カードの番号、告知の内容、病名・通院歴、事故の日時と場所、けが人の有無とけがの状態、事故の相手方の氏名・電話番号・ナンバーAIには入れず、出力の差し込み欄に人が書き足す
置き換えて入れる氏名→「契約者」、事故の相手→「相手方」、年齢→「40代」、家族→「配偶者と子どもあり」上の5つの点を確かめ、代理店で使うと決めたサービスにだけ入れる。置き換えた後も顧客の情報として扱い、文章に要る範囲まで減らす
そのまま入れてよい保険会社が公開しているパンフレットや契約概要の文言、架空の例公開資料は最新版かどうかを確かめる。代理店が書いた原稿は、入れる前に読み、顧客の情報や公開前の商品・契約の情報を除く

個人情報保護法は、他の情報と容易に照らし合わせて特定の個人を識別できるものも、個人情報に含めています(第2条第1項第1号)。名前を「契約者」に置き換えても、代理店の顧客台帳と照らせば誰のことか分かる以上、代理店にとっては顧客の個人情報のままです。

置き換えは名前だけで終わらせず、満期日や車種のように組み合わせで特定できる情報も、入れないか、文章に要る範囲まで一般化します。事故の日時と場所は、一般化せずに入れない側に置きます。

置き換えは、入れてよいサービスを代理店で決めたうえで、入れる量を減らすための手順です。置き換えたから、どのAIに入れてもよいという意味ではありません。

生成AIに入れない情報(氏名・証券番号・事故の日時と場所・けがの状態)、代理店で契約したAIにだけ置き換えて入れる情報(契約者・相手方・40代)、そのまま入れてよい情報(公開パンフレット・架空の例)を3つのトレーに仕分けて示しています。

所属保険会社の定めも確かめる

保険会社から委託を受けて顧客情報を扱う以上、AIを使うかどうかは代理店の都合だけでは決められません。代理店向けの規程や手引きに、外部サービスの利用や顧客情報の持ち出しについての定めがないかを見ます。

代理店自身の義務もあります。金融庁の監督指針は、代理店などの保険募集人の顧客情報の管理(外部委託先を含む)について、規模や業務の特性に応じて、保険会社向けの情報管理の着眼点(Ⅱ-4-5)に準じるとしています(Ⅱ-4-2-9(2))。AIへの入力も、代理店の顧客情報の管理の一部として、社内のルールに書いておきます。

乗合代理店では、定めの書き方が所属する保険会社ごとに異なることもあります。社内の入力ルールは、所属する全社の定めを並べ、最も厳しいものに合わせておくと、案件ごとに判断し直さずに済みます。

1社でも外部のサービスへの顧客情報の入力を認めていなければ、どの会社の契約についても、顧客の情報はAIに入れない運用にそろえます。その場合も、顧客情報を入れずに使える更改案内のひな形づくりとチラシの表現確認は試せます。

更改案内の下書きを作る指示文

更改案内では、顧客ごとの文章をAIに書かせず、変更の種類ごとのひな形をAIに作らせます。顧客ごとの数字は人が差し込みます。

顧客ごとではなく、
変更の種類ごとに頼む

満期一覧の顧客を1件ずつAIに入れると、氏名や保険料、証券番号を毎回入力することになります。

満期の案内で文面が変わるのは、「前年と同じ条件で継続」「補償は同じで保険料が上がる」「車を入れ替えた」「補償の見直しを提案したい」といった変更の種類です。種類ごとにひな形を作り、満期日や保険料はExcelの差し込みや顧客管理システムで入れれば、AIに顧客情報を渡さずに済みます。

更改案内のひな形を作る指示文

次の指示文は、保険料が上がる自動車保険の契約に送る案内文のひな形を作るものです。補償内容が前年から変わっていないことを、担当者が前年と更改後の帳票で確かめた契約に使います。

あなたは損害保険代理店の事務担当です。自動車保険の満期の案内文のひな形を作ってください。

【案内の種類】
保険料が前年より上がる契約への案内(補償内容が前年から変わっていないことを、担当者が帳票で確かめた契約に使う)

【文面に入れること】
・満期日と、手続きの期限
・保険料が変わること(金額は【新保険料】【前年保険料】の差し込み欄にする)
・補償内容についての一文(【補償内容の確認結果】の差し込み欄にする)
・内容を変えたい場合の連絡方法
・手続きの方法(【手続き方法】の差し込み欄にする)

【守ること】
・顧客名、日付、金額、証券番号は書かず、【 】の差し込み欄にする
・保険料が上がった理由は書かない。理由は、問い合わせを受けたときに担当者が契約内容を確かめてから説明する
・補償内容が前年と同じだとは書かない。補償内容は【補償内容の確認結果】の欄にする
・「お得」「最安」「必ず」など、根拠を示せない言葉を使わない
・補償を増やす・減らすことを勧めない
・はがきに収まるよう、本文は400字以内にする

【出力】
1. 案内文のひな形
2. 差し込み欄の一覧と、それぞれをどの帳票から転記するか
3. 顧客から来そうな質問を3つと、事務担当が答える前に確かめること

はがき、封書、メール、LINEでは、収まる字数と言い回しが変わります。送る手段に合わせて、【守ること】の最後の行を書き換えてください。顧客名や保険料を差し込んで送る案内なので、メールやLINEを使う場合は、その手段で送ってよいかを所属保険会社の規程で確かめます。宛先の取り違えを防ぐ確認の手順も、あわせて決めておきます。

出力の見本と、送る前に直す箇所

以下は、上の指示文に期待する出力を弊社が書いた架空の見本です。AIを実行した結果ではありません。

1. 案内文のひな形
【契約者名】様

いつもお世話になっております。【代理店名】の【担当者名】です。
【契約者名】様の自動車保険は、【満期日】に満期を迎えます。

今回のご継続では、保険料が【前年保険料】から【新保険料】に変わります。
【補償内容の確認結果】

補償内容を見直したい場合や、お車・運転される方に変更がある場合は、【期限】までに【連絡先】へご連絡ください。
保険料が変わった理由のご説明が必要な場合も、【連絡先】までお問い合わせください。
お手続きは【手続き方法】でお願いいたします。

2. 差し込み欄の一覧
【契約者名】【満期日】【前年保険料】【新保険料】:保険会社の満期案内の帳票
【補償内容の確認結果】:担当者が前年と更改後の帳票(満期案内・契約概要)を見比べて書く。変更がなければ「補償の内容は、前年と同じです。」
【代理店名】【担当者名】【期限】【連絡先】【手続き方法】:代理店で決める

3. 予想される質問
・なぜ保険料が上がったのか → 保険会社の改定のほか、等級や割引の適用、年齢などの条件でも変わる。契約内容と保険会社の案内を確かめてから答える
・安くする方法はあるか → 補償の変更になるため、意向を聞いてから提案する
・手続きをしないとどうなるか → 補償が切れる時期と自動継続の有無を、契約内容で確かめてから答える

見本の中で特に気を付けて読むのは、4か所です。

1つ目は、保険料が上がった理由の文です。書かないよう指示しても、AIが「事故の増加により」などの一般的な理由を書き足すことがあります。保険料は保険会社の改定のほか、等級や割引の適用などでも変わるため、保険会社全体の改定の理由が、その契約の値上がりの理由とは限りません。

理由の文が入っていたら消し、問い合わせを受けたときに契約内容を確かめて答えます。

2つ目は、補償内容の文です。「補償内容は前年と同じです」のような文をAIが書いていたら、差し込み欄に戻します。前年と同じ条件で継続する場合でも、保険会社の商品改定で特約の内容や補償の範囲が変わることがあるからです。この欄は、担当者が前年と更改後の帳票を見比べてから書きます。

3つ目は、補償の見直しを勧める文です。「この機会に見直しませんか」のような文が出力に入っていたら、ひな形からは外します。提案をするかどうかは、担当者が契約ごとに決めます。

4つ目は、質問への回答案です。等級や事故歴、自動継続の特約の有無によって答えが変わる質問に、「契約内容を確かめてから答える」という条件が残っているかを見ます。

ひな形を初めて使う前に、所属保険会社の代理店向けの規程で、代理店が作った案内文を送る前に保険会社の確認が要るかを確かめます。確認が要る場合は、確認を受けたひな形を社内で決めておき、文面を変えるときにどうするかもあわせて確かめておきます。

契約内容が実質的に変わる更改は、
意向の確認が要る

ひな形の案内文で足りるのは、補償内容を前年から変えずに継続する契約です。保険料だけが変わる場合も含め、どの変更が実質的な変更に当たるかは、所属保険会社の基準で確かめます。

金融庁の「保険会社向けの総合的な監督指針」は、既存契約の更新や一部変更でも、意向の把握・確認が要る場合を示しています。実質的な変更に当たる場合は、その変更部分について意向を把握・確認するものとしています(Ⅱ-4-2-2(3)③、金融庁の監督指針)。

実質的な変更に当たる更改は、ひな形の送付で終わらせず、意向把握の帳票と面談や電話の記録を残す流れに乗せます。同じ条件で継続する場合も、更改の手続きそのものは所属保険会社のシステムと手順で行い、案内を送っただけでは終わりません。AIで作るのは、面談や手続きの前に送る案内文までです。

監督指針は、新規契約だけでなく契約の更新・更改でも、顧客の意向に基づかない補償重複について、説明等が十分かつ適切に行われることを求めています(Ⅱ-4-2-2(5))。個人賠償責任の特約のように、ほかの契約と補償が重なることがあるものは、案内文とは別に、所属保険会社の手順で説明と確認を行います。

AIが更改案内のひな形を作り、職員が保険会社の規程を確認し、満期日と保険料を差し込みます。実質的な変更がある契約は、意向を確認してから手続きへ進むことを示しています。

事故受付の電話メモを
整理する指示文

事故の連絡では、契約者の安全と保険会社への報告を先に済ませ、その後の受付メモの整理と聞き漏れの洗い出しをAIに任せます。

事故の連絡を受けたら、
AIより先にすること

日本損害保険協会は、交通事故を起こしたら、まず被害者の救護や警察への届出などの現場での対応を行い、その後に事故の状況を直ちに保険会社または代理店へ連絡するよう案内しています(日本損害保険協会の案内)。保険を使う可能性がある場合は、当事者同士で示談や約束をせず、保険会社に相談するよう求めています。

代理店が電話を受けたら、けが人の救護と警察への届出が済んでいるかを確かめ、所属保険会社の手順で事故を先に報告します。AIでのメモの整理は、報告を済ませた後に、記録票の清書と聞き漏れの確認に使います。

受付で聞く項目と、
AIに入れる書き方

自動車事故の受付で代理店が聞き取る項目と、AIに入れるときのメモの書き方を表にしました。所属保険会社の事故報告の項目に合わせて、行を足し引きしてください。

聞く項目AIに入れるメモの書き方AIに入れないもの
いつ・どこで【事故日時】【事故場所】の欄のまま入れる日時と場所そのもの(職員が記録票から書き込む)
誰が運転していたか契約者本人/契約者の家族運転者の氏名、免許証の番号
相手の有無相手方あり(乗用車)、連絡先は聞き取り済み相手方の氏名・電話番号・ナンバー
けが人【けが人の有無・状態】の欄のまま入れるけが人の有無、けがの部位、病院名、診断の内容
警察への届出届出済み警察署の名前、受理番号
車の状態自走できない、レッカーを手配済み修理工場の担当者の名前
契約者の希望代車が使えるか知りたい特になし

事故の日時と場所は組み合わせると誰の事故か分かり、けがの情報は健康に関する情報にも当たります。そのため、どちらもAIには入れず、出力の欄に職員が記録票から書き込みます。残りの項目も顧客の情報なので、入力ルールの表のとおり、5つの点を確かめて代理店で使うと決めたサービスにだけ入れます。

事故受付メモを整理する指示文

あなたは損害保険代理店の事務担当です。保険会社へ事故を報告した後の受付メモを、記録票の項目に並べ直してください。

【メモ】
(ここに受付メモを貼る。氏名・住所・電話番号・ナンバー・事故の日時と場所・けが人の有無と状態は書かず、「契約者」「相手方」と書く。日時・場所・けがは【事故日時】【事故場所】【けが人の有無・状態】の欄のままにする)

【並べる項目】
1. 事故の日時(【事故日時】の欄のまま残す)
2. 事故の場所(【事故場所】の欄のまま残す)
3. 運転していた人(契約者との関係)
4. 相手方の有無と種類
5. けが人の有無と状態(【けが人の有無・状態】の欄のまま残す)
6. 警察への届出
7. 車の状態と、レッカー・修理の手配
8. 契約者が知りたいこと・希望していること

【守ること】
・メモに書いていないことは書かない。分からない項目は「未確認」と書く
・【 】の欄は埋めずに、そのまま残す
・保険金が支払われるかどうか、過失の割合、示談の進め方、けがの重さや治療の見込みは書かない
・事故の原因を推測して書かない
・メモの中のあいまいな言葉(「たぶん」「〜と思う」)は、そのまま残して【要確認】と付ける

【出力】
A. 項目ごとの整理(上の1〜8)
B. 未確認の項目の一覧と、契約者に聞き直す質問文(【 】の欄にした項目は対象外)
C. 契約者へ送る受付確認のメッセージ案(200字以内。今後の連絡は【今後の連絡の予定】の欄にする。保険金の支払い・過失の割合・示談・修理代の負担・けがの重さや治療の見込みには触れない)

Bの質問文は、保険会社へ報告した後に、まだ聞けていないことを折り返しの電話で確かめるときに使います。【 】の欄にした日時・場所・けがの状態は、AIの一覧には出てきません。この3つが記録票で空いていないかは、職員が記録票を見て別に確かめます。

Cのメッセージは、受け付けたことと、今後の連絡の流れを伝える文面にとどめます。保険会社から連絡が入る予定を確かめていない段階では「保険会社からご連絡します」とは書かず、【今後の連絡の予定】の欄に、確かめた内容だけを書き足します。

整理した内容を記録票や保険会社への追加の連絡に使うときは、【 】の欄と氏名・ナンバーを記録票から書き足します。AIの出力をそのまま貼るのではなく、記録票と1項目ずつ見比べてから使ってください。

事故受付でAIに
書かせない4つのこと

事故の直後の契約者は、「保険は使えるのか」「相手にいくら払うことになるのか」を真っ先に知りたがります。

保険金を支払うかどうか、過失の割合、相手方との示談の進め方の3つは、保険会社の損害サービスの担当者が事実を調べたうえで扱います。受付の段階でAIの文面が「補償の対象です」「過失は相手にあります」と書けば、後で覆ったときに代理店の説明として残ります。

4つ目は、けがの重さや治療の見込みです。医療の判断に当たる内容は、AIに渡すメモにもAIの出力にも書きません。事故の原記録から、顧客が話したけがや治療の事実を消すという意味ではありません。指示文の【守ること】とCのメッセージの条件にこの4つを書いておき、送る前に、出力にそれらしい表現が残っていないかを読みます。

事故の電話を受けた職員が救護と警察への届出を確かめて先に保険会社へ報告し、その後にAIが受付メモを項目に並べ、職員がAIの整理結果に記録票から日時・場所・けがを書き戻し、支払い・過失・示談は保険会社が判断する流れを示しています。

提案書の下書きで、
意向と推奨理由を文章にする

提案書では、設計書の数字は保険会社のシステムで作り、顧客の意向と提案の対応、面談で聞いた意向の記録、推奨の理由を説明する文章の下書きをAIに頼みます。

意向と提案内容の
対応を説明する指示文

監督指針は、意向の把握・確認の方法の例を挙げています(Ⅱ-4-2-2(3)①ア)。顧客の意向を把握してから個別プランを提案し、そのプランが意向とどう対応しているかも含めて説明する流れです。対応の説明は、担当者によって書き方が分かれやすい部分です。

次の指示文では、生命保険の提案を例に、意向とプランの対応を説明する文章を作ります。お客様の状況を入れるので、入力ルールの表の「置き換えて入れる」と同じ扱いです。5つの点を確かめて代理店で使うと決めたサービスで使い、状況は説明文に要る範囲まで一般化します。

あなたは保険代理店の担当者の補助です。お客様の意向と、提案するプランの対応を説明する文章の下書きを作ってください。

【お客様の状況】(氏名・生年月日・勤務先・健康状態は書かず、説明に要る範囲まで一般化する)
40代、会社員、配偶者と子どもあり。住宅ローンあり(団体信用生命保険に加入済み)。

【把握した意向】
・自分が亡くなった場合に、子どもが大学を出るまでの生活費を残したい
・毎月の保険料は【上限額】円までにしたい
・貯蓄の機能は求めない

【提案するプラン】(保険会社の設計書・契約概要から転記した内容だけを書く)
・商品名:【商品名】
・保障の内容:【設計書から転記】
・保険期間・保険料:【設計書から転記】

【担当者が決めた推奨理由】(担当者が確かめて決めた理由を書く。かっこ内は書き方の例)
・【推奨理由1(例:保障額が、意向の生活費に合う)】
・【推奨理由2(例:保険料が上限内に収まる)】

【守ること】
・【提案するプラン】に書いていない保障・特約・数字を書き足さない
・推奨理由は【担当者が決めた推奨理由】の内容だけを文章にする。理由を追加しない
・推奨理由の欄が例のままや空欄なら、文章を作らずに「推奨理由が未記入です」と返す
・「必ず」「一番」「損はしない」など、言い切る言葉や根拠を示せない言葉を使わない
・他の商品の悪い点を書かない

【出力】
1. 意向とプランの対応表(意向/プランのどこで応えているか/応えきれていない点)
2. お客様に渡す説明文(400字以内)
3. 説明の前に担当者が確かめる点

出力の「応えきれていない点」の欄が空になっていたら、そのまま使わずに見直します。保険料の上限に収めるために保障額を下げた場合など、意向に応えきれない点があるなら、それも説明文に入れておきます。

商談のメモから提案書の構成を作る一般的な手順は、提案書を生成AIで作る方法で説明しています。

面談のメモから、
意向把握の記録を下書きする

監督指針は、意向把握に使った帳票(アンケートや設計書など)のうち、最初の意向と最終的な意向に関するものを保存するなどの措置を求めています(Ⅱ-4-2-2(3)④ア)。意向確認書面には、顧客の意向、契約の内容が意向とどう対応しているか、意向を満たさない点があればその旨などを書くとしています(同イ)。

面談のメモから、こうした記録に書く文章の下書きを作る作業はAIに頼めます。帳票の書式は所属保険会社のものを使い、AIの出力は欄ごとに人が見比べて転記します。

あなたは保険代理店の担当者の補助です。面談のメモから、意向把握の記録に書く内容の下書きを作ってください。

【面談のメモ】
(ここにメモを貼る。氏名・生年月日・勤務先・健康状態は書かず、「お客様」と書く)

【分ける項目】
1. 面談の最初に聞いた意向(望む保障、保険料の上限、期間など)
2. 面談の最後に確かめた意向
3. 1と2で変わった点と、お客様が話した理由
4. 提案したプランで、意向を満たせない点

【守ること】
・メモに書いていない意向や理由を書き足さない。分からない項目は「メモに記載なし」と書く
・お客様の言葉は、意味を変えずに短くまとめる
・どの商品がよいかの判断は書かない

【出力】
項目ごとの下書き(1〜4)と、担当者がお客様に確かめ直す点

3の「変わった理由」は、担当者が面談で聞いた言葉だけで書きます。AIが「保険料を抑えたいため」のような理由を補うことがあるので、メモにない理由が入っていたら消します。

商談のメモから確認メールや次の作業を作る一般的な手順は、商談議事録のAI活用で説明しています。

乗合代理店は、
推奨の理由を自分たちで決める

複数の保険会社の商品を扱う乗合代理店には、監督指針Ⅱ-4-2-9(5)で追加の注意点が示されています。意向に沿った比較可能な商品の概要を示すことと、特定の商品を勧める場合に、その理由を分かりやすく説明することです。同じ箇所では、手数料の高い商品へ誘導するための絞り込みをしないよう注意を促しています。

推奨の理由は、代理店の判断そのものです。AIに「どの商品を勧めるべきか」を尋ねて、その答えを推奨理由にしてはいけません。指示文で【担当者が決めた推奨理由】を別の欄にしているのは、判断と文章づくりを分けるためです。

比較推奨販売については、内閣府令と監督指針の改正が2026年8月28日に公表され、2028年3月1日から適用されます。金融庁は、乗合代理店が適用日を待たずにできるだけ早く体制を整えることが望ましいとしています。意向把握義務は今回の改正の対象外で、今も適時・適切に対応する必要があるとも書いています(金融庁の公表)。

これとは別に、2025年の改正保険業法に関わる内閣府令等が、2026年6月1日に施行されています(金融庁の公表)。中身は特定大規模乗合保険募集人の体制整備の強化や、保険会社等による過度な便宜供与の禁止の対象の拡大などで、比較推奨販売の改正とは別のものです。

比較表はAIに作らせない

複数社の商品を並べた比較表は、AIに作らせると見た目は整います。ただ、監督指針が示す比較表示の注意点から外れやすい資料でもあります。

監督指針Ⅱ-4-2-2(9)②は、保険業法第300条第1項第6号に抵触する比較表示の例を挙げています。客観的な事実に基づかない数値の表示、正確な判断に必要な事項の一部だけの表示、長所だけをことさらに強調する表示などです。

契約概要を並べずに表にまとめる場合の要件も示されています(同(注2))。比較したすべての商品の契約概要をすぐに渡せるようにしておくことと、比較表は参考情報であり、契約概要やパンフレットで全体を確かめる必要があるという注意の文言を載せることです。

比較表が必要なら、契約概要を並べて示すか、(注2)の要件を満たす比較表を担当者が各社の契約概要から作ります。表の中身をAIに作らせることはしません。

チラシや案内文を出す前に、
表現をAIで洗い出す

代理店が独自に作るチラシ、ニュースレター、ホームページ、LINEの配信文は、出す前に表現の確認が要ります。AIは、人が確認する前に、問題になりそうな表現の候補を拾う役に使います。原稿に顧客の名前や体験談、公開前の商品の情報が入っている場合は、AIに貼る前に除きます。

根拠が要る言葉を拾う指示文

監督指針は、「最高」「日本一」「業界初」「割安」などの用語を使う場合の条件を示しています(Ⅱ-4-10(3)(注)④)。その用語の根拠となった調査方法、出典又は前提条件を表示する必要があるとしています。

また、単に「公平・中立」と表示すると、保険会社と顧客の間で中立であると顧客が誤解するおそれがある点にも注意を促しています(Ⅱ-4-2-9(4)(注))。次の指示文は、こうした表現を洗い出すためのものです。

次の文章は、保険代理店が顧客に配る予定の文章です。保険の募集に使う文章として、確認が必要な表現を探してください。

【文章】
(ここにチラシ・ニュースレター・配信文の本文を貼る。顧客の名前や体験談、公開前の商品・契約の情報が入っていたら、除いてから貼る)

【探す表現】
1. 根拠の表示が必要な言葉(最高、日本一、No.1、業界初、他社にない、割安、最低水準 など)
2. 言い切る言葉(必ず、絶対、損はしない、確実に など)
3. 長所だけを書き、条件や対象外を書いていない箇所
4. 他の保険会社や商品と比べている箇所
5. 「公平・中立」など、代理店の立場を誤解させるおそれのある表示
6. 保険料の金額を書いているのに、前提(年齢・補償内容・割引の条件など)が書かれていない箇所

【守ること】
・法律に違反しているかどうかの判断は書かない。「確認が必要な箇所」として挙げる
・文章全体を書き直さない。修正案は1案だけ、元の文の隣に示す

【出力】
表の形で:該当箇所の原文/探す表現の番号/確認が必要な理由/修正案

AIは、見落とすことも、問題のない表現を挙げることもあります。AIの洗い出しは、人が読む前の下準備です。AIが何も挙げなかったことを、問題がない証拠にはしません。

最後の確認は、
所属保険会社の手順で行う

監督指針は保険会社に対し、募集用の資料の表示内容を漏れなく審査する体制を求めています(Ⅱ-4-10(5))。代理店が独自に作った文書を配るときに、所属保険会社のどの手続きを通す必要があるかは、各社の代理店向けの規程や手引きで確かめます。

複数社の商品を載せるチラシは、関係する保険会社それぞれの確認が要ることがあります。AIで拾った候補を先に直しておくと、社内の読み合わせを早く進められます。読み合わせでは、AIが挙げなかった箇所も含めて全文を読みます。

代理店で試すときの順番

4つの業務を一度に始める必要はありません。1つの業務から試します。

更改案内のひな形から始める

顧客情報をAIに入れずに試せるうえ、出力を送る前に人が全文を読めます。指示文の書き方を覚える最初の業務として、顧客に影響が出にくいのが利点です。

事故受付のメモ整理は、使うサービスの確認と、置き換えの書き方を職員の間でそろえてから始めます。提案書と募集文書の確認は、担当者の判断や保険会社の手続きが関わるので、ひな形で入力ルールに慣れた後に回します。

ほかの事務も含めて、どれから手を付けるかを比べる場合は、業務棚卸し表で件数と1件にかかる時間を並べてから決めます。試行から社内の定着までの進め方は、中小企業のAI導入の進め方にまとめています。

1件にかかる時間と、
直した箇所を記録する

試す前と後で、同じ職員が1件の作業を終えるまでの時間を測ります。AIの出力のどこを直したかも、毎回書き留めておいてください。

時間が短くなっても、毎回同じ箇所を直しているなら、指示文の【守ること】に1行足します。直した箇所の記録は、そのまま指示文を良くする材料です。

顧客管理システムとつなぐ
段階で決めること

ひな形での試行がうまくいくと、満期一覧の取り込みから、案内文への差し込み、送信の記録までをつなげたくなります。この段階で増えるのは、指示文よりも仕組みの設計で決めることです。

決めることの例は、AIへ渡す前に氏名や証券番号を自動で伏せる処理と、誰がどの顧客の情報を見られるかの権限です。AIの出力を顧客へ送る前に担当者が承認する画面や、送信した記録の残し方も決めます。保険会社の代理店システムとの二重入力にならないかも、設計の前に確かめてください。

顧客名簿に重複や表記ゆれが多い場合は、つなぐ前に顧客リストの名寄せを済ませてください。

まず、変更の種類を1つ選んで
更改案内を作る

保険代理店のAI活用は、どのツールを使うかよりも、どの顧客情報を入れないかと、どの判断を代理店に残すかで決まります。

最初の一歩は、次の満期で多い変更の種類を1つ選び、この記事の指示文で案内文のひな形を作ることです。その前に、入力ルールの表を職員と共有し、送る前に誰が読むかを決めておきます。

満期一覧や顧客管理システムとつなぐ段階では、権限や承認の手順まで含めた設計が要ります。いまの帳票と使っているシステムをもとに、AIに任せる工程と代理店が確認する工程を分けるところから検討してください。

よくある質問

Q. 保険代理店でChatGPTやGeminiを使っても大丈夫ですか?

A. 代理店として契約したサービスで、入力データの扱いと入力してよい情報を決めてから使います。

個人情報保護委員会は、個人情報を含む指示文を入力する場合、利用目的の範囲内かを確かめ、提供事業者が機械学習に利用しないこと等を確認するよう注意を促しています。

代理店では、これに加えて、入力と出力の保存期間と削除の方法、入力の履歴を誰が見られるか、委託に当たる場合の委託先の管理、所属保険会社の代理店向けの規程も確かめます。

顧客の名前や証券番号は、どのサービスにも入れません。

職員が個人のアカウントで使う形も避けてください。

Q. 顧客の名前を伏せれば、事故の内容をAIに入れてもよいですか?

A. 名前を伏せるだけでは足りません。

名前を「契約者」に置き換えても、代理店の顧客台帳と照らせば誰の事故か分かる情報は、代理店にとっては個人情報のままです。

事故の日時と場所、けが人の有無と状態はAIに入れず、出力の欄に職員が記録票から書き込みます。

それ以外のメモも、利用目的、学習への利用、保存と削除、履歴を見られる人、委託と所属保険会社の規程の5点を確かめ、代理店で使うと決めたサービスにだけ入れます。

Q. 事故の電話を受けたら、先にAIでメモを整理してもよいですか?

A. 先にするのは、けが人の救護と警察への届出が済んでいるかの確認と、保険会社への事故の報告です。

日本損害保険協会も、現場での対応の後に事故の状況を直ちに保険会社または代理店へ連絡するよう案内しています。

AIでのメモの整理は、報告を済ませた後の記録票の清書と、聞き漏れの確認に使います。

Q. 更改案内を、AIで顧客ごとに自動で作れますか?

A. 顧客ごとの文章をAIに書かせる必要はありません。

変更の種類ごとにひな形をAIで作り、満期日や保険料はExcelの差し込みや顧客管理システムで入れれば、顧客情報をAIに渡さずに済みます。

ひな形を初めて使う前に、所属保険会社の規程で保険会社の確認が要るかを確かめてください。

補償の見直しなど実質的な変更に当たる更改は、ひな形の送付で終わらせず、意向の把握・確認の流れに乗せます。

Q. どの保険商品を勧めるかを、AIに相談してもよいですか?

A. 推奨の理由は代理店の判断なので、AIの答えをそのまま推奨理由にしてはいけません。

汎用のAIの答えは、保険会社の最新の商品内容や料率を反映している保証がありません。

乗合代理店は、特定の商品を勧める理由を分かりやすく説明することが監督指針で求められているため、理由は担当者が決め、AIにはその理由を文章に整える作業だけを頼みます。

Q. AIで表現を確認したチラシは、そのまま配れますか?

A. AIの確認だけで配ってよいことにはなりません。

AIの洗い出しは、人が読む前に候補を拾う下準備で、見落としも起こります。

代理店が独自に作った文書を配る前にどの手続きを通すかは、所属保険会社の代理店向けの規程や手引きで確かめ、その手続きを終えてから配ってください。

Q. 従業員が少ない代理店でも、AIを使う意味はありますか?

A. 人数よりも、同じ種類の文章を何件書いているかで判断します。

まず更改案内のひな形を1種類作り、試す前と後で1件にかかる時間と、AIの出力を直した箇所を記録してください。

時間が減らない場合は、指示文か入力するメモの書き方を見直します。

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いまの帳票と使っているシステムをもとに、AIに任せる工程と代理店が確認する工程を整理します。

この記事の執筆者と編集部

執筆

Web制作・デザイン出身。AIを使ったアプリ開発と業務自動化を、設計から実装まで担当しています。自ら開発・運用する経験をもとに、仕事でAIを使う手順と注意点を解説します。

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編集・検証

まるっとAI編集部

保険代理店で生成AIを使う前に、顧客情報の入力ルールと、代理店と保険会社に残す判断をどう決めるかを説明しています。