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介護記録の生成AI活用メモから記録文を作る
指示文と個人情報の注意点

公開日:2026年10月19日

執筆:

現場のメモを生成AIが介護記録の文章に整え、職員が確認して確定する流れ

介護記録に生成AIを使うと、現場で取った短いメモを、経過記録や申し送りの文章に整える作業を補助できます。実際に手間が減るかは、職員が出力を直す時間も含めて確かめます。

ただし、AIに任せるのは「清書」と「確認が必要な点の候補出し」までです。何を見たか、記録をどう確定するかは、記録した職員が決めます。

この記事は、介助の後にまとめて記録を書き直している介護事業所の管理者・サービス提供責任者・主任の方に向けて書いています。

メモから記録文を作る指示文、出力の見本と直す箇所、申し送り用の指示文を、そのまま試せる形で載せます。

あわせて、利用者の情報をAIに入力する前に、個人情報保護委員会と厚生労働省の資料で何を確認するかを説明します。

実際の利用者のメモは、氏名を外しただけでは入力できません。事業所が使うサービスと契約を決め、残る情報でも本人を特定できないかを確かめてから判断します。まずは架空のメモで試してください。

以下のメモ・記録文・出力は、説明用に作った架空の設計例です。特定の事業所の記録や、AI製品の性能を測った結果ではありません。

この記事で分かること

  • 指示文を試す前に、事業所として何をどのAIサービスに入力してよいかを決めます
  • 申し送りや家族への連絡文は、清書前のメモではなく、職員が確認して確定した記録から作ります
  • 最初に選ぶのは、書き直しに時間がかかっていて、内容の確認がしやすい記録です

介護記録でAIと
職員が担う作業

最初に、記録の仕事のうちAIに渡す部分と、職員が持つ部分を分けます。

記録の「清書」と
「観察」は別の仕事

介護記録の手間は、観察して書き留める作業と、それを読める文章に整える作業に分かれます。

生成AIには後者の下書きを頼めます。メモの語順や言葉を記録の書き方にそろえ、抜けている項目の候補を挙げるよう指示します。指示どおりになるかは、架空のメモで確かめてください。

メモを取る時間そのものが負担なら、スマートフォンの音声入力で文字にする方法もあります。書き直しと書き留めのどちらに時間がかかっているかで、先に試す道具が変わります。

一方、利用者の表情や皮膚の状態、転倒しかけた場面を見ていないAIは、観察そのものを補えません。

メモにないことをAIが書き足した記録は、誰も見ていない事実を残すことになります。

記録の工程AIに任せる作業職員が決めること
観察してメモを取る任せない(音声入力の文字起こしは補助になる)何を見て、何を聞いたか
メモを記録文に整える語順・言葉づかい・項目の並びをそろえるメモにない内容が足されていないか
はっきりしない点を残す確認が必要な点の一覧案を出す本人や他職員に確かめて書き直すか
申し送りを選ぶ候補を挙げる次の勤務帯へ何を伝えるか
記録を確定する任せない記録者として内容を確認し、保存する

記録の種類で、AIの
使いどころが変わる

同じ「介護記録」でも、読む人と目的が違えば、AIに頼む内容も変わります。

経過記録は事実を正確に残すことが目的なので、文章を整える用途に向いています。家族への連絡文は、伝える範囲と言い回しを職員が決めてから下書きを頼みます。

記録の種類AIに頼みやすいこと特に人が確認すること
経過記録・ケース記録メモを時系列の文章に整える時刻・数値・本人の言葉が変わっていないか
申し送り記録から次の勤務帯に伝える候補を抜き出す伝え漏れと、伝えなくてよい情報の混入
事故・ヒヤリハット報告発生時の状況・対応・その後を項目に分ける原因や過失をAIに推測させていないか
家族への連絡文職員が選んだ内容を、読みやすい文面にする伝える範囲と、医療的な説明を含めていないか
モニタリング・会議の記録発言メモから決定事項と保留を分けるケアプランの変更判断をAIの要約で決めていないか

担当者会議の記録をまとめる方法は、AI議事録の作り方でも説明しています。

AIに入力してよい
情報を先に決める

指示文を試す前に、事業所として何をどのAIサービスに入力してよいかを決めます。

病歴・障害の記載は
要配慮個人情報

個人情報保護委員会と厚生労働省の医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス(令和8年4月一部改正版)は、介護関係事業者の個人情報の例として、ケアプラン、介護サービス提供にかかる計画、提供したサービス内容等の記録、事故の状況等の記録を挙げています。

同じガイダンスは、介護関係記録の病歴や障害の事実などを、要配慮個人情報の例に挙げています。

また、診療録などの形に整理されていない情報も、個人情報に当たると明記されています。

同ガイダンスは、介護関係記録について、紙か電子かにかかわらず個人データに当たるとしています。氏名を仮の呼び名にしただけで、事業所内の記録を自由に外部へ入力できるわけではありません。

現場の走り書きのメモも、記録ソフトに入る前から個人情報として扱う必要があります。

個人情報保護委員会の
注意喚起を読む

令和5年6月2日公表の生成AIサービスの利用に関する注意喚起等で、入力前に確認する条件を確かめます。

事業者向けの注意点は二つです。一つは、個人情報を含む指示文を入力するなら、特定した利用目的の達成に必要な範囲内かを十分に確認することです。

もう一つは、本人の同意なく個人データを含む指示文を入力し、そのデータが応答の出力以外の目的で扱われる場合、個人情報保護法の規定に違反する可能性があるという点です。

注意喚起は、そうした入力をする場合に、提供事業者が入力データを機械学習に利用しないこと等を十分に確認するよう求めています。

利用者の注意点として、提供事業者の利用規約やプライバシーポリシーを確認することも挙げています。

「個人情報を一切入力してはいけない」と書かれているわけではありません。目的の範囲と、入力したデータの扱いを確かめてから使うという考え方です。

ただし、介護記録は病歴などの要配慮個人情報を含みやすいため、入力するか迷う情報は、入力しない側で決めておきます。

同じ製品名でも、個人向けの契約と法人向けの契約で、入力データの扱いや管理機能が違う場合があります。職員が個人のアカウントで使い始める前に、事業所が使うサービスと契約を決めてください。

名前を消すだけでは、
特定できなくなるとは限らない

氏名を「Aさん」に置き換えても、日付、居室番号、持病、家族構成が並ぶと、事業所の職員や家族には誰のことか分かる場合があります。

入力するメモから、氏名に加えて居室番号・生年月日・住所・家族の名前を外すことを、最初の決まりにするのが現実的です。

外した後も、日付や出来事の組み合わせから本人を特定できないか、入力前に事業所で確かめます。対応表や事業所内の記録と照合して本人が分かるなら、呼び名を変えても個人情報として扱います。

病名や服薬内容のように記録に必要な情報をどこまで入れるかは、事業所の個人情報の規程と、使うサービスの契約を見て判断します。本人を特定できないと確認できない情報や判断に迷う情報は、入力せず管理者に確認します。

使い方の段階入力する情報始める前に決めること
① 練習・文例づくり架空のメモ、一般的な言い回し(事業所が利用を認めたAIで行う)実際の利用者の情報を入れないこと
② 実際のメモの清書を検討する氏名・居室などを外し、残る情報でも本人を特定できないか確かめたメモ使うサービスと契約、入力データの扱い、入力してよい項目。特定の可能性が残る場合は入力しない
③ 記録ソフトや事業所の仕組みとの連携記録ソフトの利用者情報と記録委託先の管理、閲覧できる職員、保存先、操作の記録

ガイダンスは、医療情報システムを導入する医療機関等と、医療情報を取り扱う介護関係事業者について、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」によることを示しています。AIサービスに記録を渡す②③の段階では、この点も提供事業者に確認します。

メモを記録文に整える手順

ここからは、架空のメモを使って、指示文・出力の見本・職員が直す箇所を順に示します。

今回使う架空のメモ

入所施設で、介助の合間にスマートフォンや紙に残すメモを想定しています。氏名は置き換え済みとします。

10/8 14:20 Aさん 居室訪室 ベッド横に座ってた
本人「足が痛い」 右ひざ? 見た感じ腫れなし
歩行器で食堂まで 見守り ふらつき1回
看護師に報告済
夕食7割 おかわりなし

このメモには、記録に残すべきことと、まだ確定していないことが混ざっています。

「右ひざ?」は痛む場所が確定していません。「看護師に報告済」には、報告した時刻と看護師の対応が書かれていません。14時20分は訪室の時刻として書かれていますが、その後の移動や夕食の時刻は分かりません。

記録文に整える指示文

社内で利用を認めた対話型のAIに、次の指示文とメモを渡します。文体や項目の並びは、事業所の記録の書式に合わせて書き換えてください。

架空の現場メモをAIが清書し、職員がメモと照合して記録を確定する手順。観察と医療の判断は職員が行います。

介護事業所の経過記録の清書を手伝ってください。
次の【メモ】を、記録の文章に整えてください。

【守ること】
・メモに書かれていない事実、数値、時刻、原因、医療的な判断を追加しない。
・書かれた時刻を、時刻のない別の出来事に当てはめない。時刻がない出来事は分けて示す。
・「?」が付いた内容や、はっきりしない内容は確定させず、その文の末尾に【確認が必要】と書く。
・本人の言葉は「」で残し、言い換えない。
・職員が見たこと、本人の訴え、職員の対応、その後の様子を分けて書く。
・「機嫌が悪い」「わがまま」などの評価の言葉は使わず、見た様子をそのまま書く。
・利用者は「Aさん」のまま書き、実名や他の情報を推測しない。
・文末は「〜した。」「〜していた。」のような過去形でそろえる。

【出力】
1. 記録文
2. 確認が必要な点の一覧(メモだけでは判断できなかった点)
3. 申し送りの候補(最終判断は職員が行う)

【メモ】
ここに、氏名などを外し、残る情報でも本人を特定できないか確かめたメモを貼り付けます。最初は架空のメモを使います。

「メモにないことを書かない」と「はっきりしない点は確認が必要な点として残す」の二つは、どの記録でも外さないでください。

ただし、指示に書いたことをAIが必ず守るとは限りません。出力を読んで、守られていない箇所を職員が直します。

出力の見本と、職員が直す箇所

以下は、この指示文で返ってきてほしい形を弊社が書いた見本です。AIを実行した結果ではありません。

1. 記録文
10月8日14時20分、居室を訪室した。Aさんはベッド横に座っていた。

以下の出来事はメモに時刻の記載がない。
本人より「足が痛い」と訴えがあった。痛む部位は【確認が必要】。
目視では腫れを確認できなかった。
歩行器を使用して食堂まで移動し、職員が見守った。移動中にふらつきが1回あった。
看護師へ報告した。
夕食は7割摂取し、おかわりはなかった。

2. 確認が必要な点の一覧
・訪室以外の出来事の時刻
・痛みの部位(右膝かどうか)
・看護師へ報告した時刻と、看護師の対応
・ふらつきの際に、職員が支えるなどの介助をしたか

3. 申し送りの候補
・足の痛みの訴えと、移動中のふらつき1回

見本の記録文は、メモにない「転倒なし」「バイタル異常なし」などを書いていません。痛みの部位は確定させず、確認が必要として残しています。

実際の出力では、AIが気を利かせて「痛みは軽度」「看護師の指示で様子観察」のような文を足すことがあります。メモと一文ずつ見比べ、メモにない言葉が入っていたら削除します。

確認が必要な点の一覧に出た内容は、分かる職員に聞いて書き足すか、確認できなかったことを記録に残します。AIに推測で埋めさせません。

架空の介護メモにある本人の言葉と右ひざの疑問符を残し、職員が痛みの部位とメモにない判断を確かめる図です。
架空例です。本人の言葉を残し、未確認の部位やメモにない判断を断定しません。

記録の悪い例と直し方

「機嫌が悪い」のような職員の解釈だけが残っていると、後で読んだ職員は実際に何があったかを確かめられません。指示文に「見た様子をそのまま書く」と入れておくと、メモの言葉を書き換える候補をAIに出させられます。

メモにありがちな書き方見たままの書き方の例確認すること
機嫌が悪かった声をかけると顔をそむけ、「今はいい」と言った実際の言葉と動作がメモに残っているか
食欲なし主食を2口食べ、「おなかがいっぱい」と言った量の書き方が事業所の決まりと合っているか
落ち着かない様子10分ほどの間に3回立ち上がり、出口の方へ歩いた回数や時間がメモにあるか。なければ足さない

「見たままの書き方の例」は、メモにその動作や言葉が書かれている場合だけ使えます。メモに「機嫌が悪い」としか書かれていなければ、AIは見たままの様子を作れません。その場合は、次からメモに本人の言葉を残すよう、書き方のほうを変えます。

確定した記録から、
申し送りと家族連絡を作る

申し送りや家族への連絡文は、清書前のメモではなく、職員が確認して確定した記録から作ります。

申し送りの指示文

勤務帯ごとの記録をまとめて渡し、次の勤務帯が対応すべきことを抜き出してもらいます。実際の記録を使う前に、事業所が使うAIサービスと入力条件を確認してください。

記録ソフトから写した記録も、氏名・居室番号を外し、利用者ごとに別の仮の呼び名へ置き換えます。Aさん、Bさんの対応表は事業所の中だけで管理し、AIには渡しません。ただし、残る情報から本人を特定できる場合は、仮の呼び名でも入力しません。

申し送りを記録ソフトへ戻す前に、職員が対応表と元の記録で利用者を照らし合わせます。別の利用者の記録へ貼り付けないための確認です。

次の【確定した記録】から、次の勤務帯への申し送りの候補を作ってください。

【守ること】
・記録に書かれていることだけを使い、原因や今後の見通しを推測しない。
・「次の勤務帯で確認・対応が必要なこと」と「共有だけでよいこと」に分ける。
・各項目に、根拠となった記録の時刻を書く。時刻が記録にない場合は「時刻の記載なし」と書く。
・記録に【確認が必要】が残っている項目は、そのまま【確認が必要】として残す。

【出力の形】
利用者 / 次の勤務帯でやること / 根拠の記録(時刻)

【確定した記録】
ここに、職員が確認した記録を貼り付けます。

根拠となる時刻を示すと、申し送りを受けた職員が元の記録を探しやすくなります。時刻がない項目はその旨を残し、職員が元の記録を確認します。

申し送りに何を載せるかは、最後にその勤務帯の責任者が決めます。AIの候補に出なかったことも、必要なら職員が書き足します。

申し送りの書式そのものを整えたい場合は、引き継ぎ書の書き方の項目の分け方も参考になります。

家族連絡は、職員が
伝える内容を選ぶ

家族への連絡文は、記録をそのまま渡して要約させる使い方を避けます。

記録には、家族に伝える前に看護師や管理者の判断が必要な内容が含まれていることがあります。

職員が「今月伝えること」を2〜3点選び、それだけをAIに渡して文面を整えてもらいます。体調や受診に関わる内容は、AIの文面ではなく、看護師や管理者が説明の言葉を決めます。

確定した記録から申し送りの候補を作り、家族への連絡は職員が選んだ内容だけで文面を整える流れを示しています。

介護記録に使う道具の選び方

同じ清書の作業でも、何人の職員が、どの記録で使うかによって、合う道具が変わります。

記録ソフトの機能から試す

介護記録の作成を補助する機能を持つ製品もあります。例えば三菱電機デジタルイノベーションの記録NAVIは、AIで作成した文例を選んで記録を作る仕組みを案内しています(2026年10月19日に公式ページで確認。弊社では試験していません)。

すでに使っている製品に機能があれば、架空の記録で操作を試し、書き直しの手間が減るかを確かめます。

汎用の対話型AIで清書し、記録ソフトと連携しない場合は、出力を記録ソフトへ移す作業が残ります。実際の運用では、貼り付け先の間違いや貼り忘れがないかを、少数の職員で確かめてください。

いまの状況合う選択肢比べる条件
一部の職員で清書を試したい事業所で契約した汎用の対話型AI入力データの扱い、入力してよい項目の決まり、指示文の共有方法
記録ソフトの中で完結させたい記録ソフトの音声入力・文章作成の機能事業所の記録書式に合うか、修正履歴が残るか、追加費用と契約条件
メモ・記録・申し送り・家族連絡を一続きにしたい記録ソフトとつなぐ事業所専用の仕組み記録ソフトとのデータの受け渡し方法、閲覧権限、操作の記録、障害時の手作業への戻し方

既製品の機能で書き直しの手間が減るなら、個別の開発は必要ありません。専用の仕組みが候補になるのは、記録ソフトへの転記や、申し送り・家族連絡への作り直しが、職員の手作業として残り続ける場合です。

専用の仕組みを作る
場合に決めること

記録ソフトとの連携では、清書の前後の設計に時間がかかります。

誰がどの利用者の記録を見られるか、AIに渡す前に外す項目、職員が確定する前の下書きをどこに置くか、記録ソフトへの登録に失敗したときに誰が気づくか、を決めます。

介護事業所の記録・シフト・請求前の確認をまとめて仕組みにする方法は、まるっとAIの介護向けページで紹介しています。シフトの作成だけを先に試す場合は、シフト作成の生成AI活用が参考になります。

事業所で試すときの順番

最初から全職員・全記録で使うと、どこで問題が起きたか分からなくなります。小さく始めて、確かめる項目を決めておきます。

1つの記録と、
数名の職員から始める

最初に選ぶのは、書き直しに時間がかかっていて、内容の確認がしやすい記録です。例えば日中の経過記録から始め、事故報告や家族連絡は後に回します。

試す職員は、記録の書き方に慣れた人と、書き直しに時間がかかっている人を両方入れます。慣れた職員はAIの誤りに気づきやすく、時間がかかっている職員は手間が減るかを確かめられます。

架空のメモから試す

最初の数回は、この記事のような架空のメモで指示文を試し、メモにない言葉が足されないかを確かめます。

実際のメモに移るのは、入力してよい項目、使うサービスと契約、確認する職員を決めてからです。決まりを紙1枚にまとめ、試す職員全員が同じものを見られるようにします。

書き直しの時間と、
直した箇所を記録する

効果を確かめるには、試す前と後で、1件の記録を書き終えるまでの時間を同じ職員で測ります。

あわせて、AIの出力を職員が直した箇所も残しておくと、指示文のどこを変えればよいかが分かります。「メモにない言葉が入った」「確認が必要が付かなかった」などの直しが多い場合は、指示文やメモの書き方を見直します。

時間が短くなっても、直す箇所が多いままなら、確認の負担が別の職員に移っただけの可能性があります。業務の選び方や試行の進め方は、業務棚卸し表で比較する優先順位も参考になります。

まず、書き直しが
多い記録を1つ選ぶ

介護記録では、職員が観察した内容をメモに残し、生成AIで記録文に整えます。

判断の基準は二つです。メモにないことを足さずに清書できているか。利用者の情報を、事業所が決めたサービスと範囲で扱えているか。

最初の一歩は、書き直しに時間がかかっている記録を1つ選び、架空のメモでこの記事の指示文を試すことです。

出力を職員と一緒に読み、直した箇所を残してください。記録ソフトへの転記や申し送りへの作り直しが手作業で残るなら、その工程を仕組みにするかを、既製品の機能と比べて判断します。

よくある質問

Q. 介護記録をChatGPTやGeminiで書いても大丈夫ですか?

A. まず架空のメモで試してください。

実際の利用者の情報を扱う前には、事業所が利用を認めたサービスと契約を決め、入力してよい情報を確認します。

個人情報保護委員会は、個人情報を含む指示文が利用目的の範囲内かを確認し、本人の同意なく入力した個人データが応答以外の目的で扱われる場合に備えて、提供事業者が機械学習に利用しないこと等を確認するよう注意喚起しています。

職員個人のアカウントに実際のメモを入力しないでください。

Q. 利用者の名前を「Aさん」に置き換えれば入力してよいですか?

A. 名前を置き換えるだけでは判断できません。

日付、居室番号、持病、家族構成など、残る情報の組み合わせでも本人を特定できないかを入力前に確かめます。

事業所内の記録や対応表と照合して本人が分かる場合は個人情報として扱い、入力するか迷うときは入力せず管理者に確認します。

Q. AIが整えた記録文をそのまま保存してよいですか?

A. そのまま保存せず、記録した職員がメモと一文ずつ見比べてから確定します。

AIは指示に書いても、メモにない内容を足すことがあります。

確認が必要として残った点は、分かる職員に確かめて書き足すか、確認できなかったことを記録に残します。

Q. 音声入力とAIの清書は、どちらから始めればよいですか?

A. 職員の時間がどこにかかっているかで決めます。

メモを取る時間や手書きの負担が大きいなら音声入力、メモを読める文章に書き直す時間が大きいなら清書から試します。

両方を同時に始めると、どちらで手間が減ったのか分からなくなります。

Q. 記録ソフトを使っている事業所でもAIで清書できますか?

A. 使える機能は製品と契約で異なります。

まず、使っている記録ソフトの公式案内を読み、架空のメモで文章作成や音声入力を試してください。

汎用の対話型AIで清書し、記録ソフトと連携しない場合は、出力を記録ソフトへ移す作業が残ります。

貼り付け先の間違いや貼り忘れがないか、少数の職員で確かめます。

Q. AIを使って記録の時間が減ったかは、どう確かめますか?

A. 試す前と後で、同じ職員が1件の記録を書き終えるまでの時間を測ります。

あわせて、AIの出力を職員が直した箇所を記録します。

時間が短くなっても直す箇所が多いままなら、指示文やメモの書き方を見直します。

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いまのメモの取り方と記録ソフトをもとに、AIに任せる工程と職員が確認する工程を整理します。

この記事の執筆者と編集部

執筆

Web制作・デザイン出身。AIを使ったアプリ開発と業務自動化を、設計から実装まで担当しています。自ら開発・運用する経験をもとに、仕事でAIを使う手順と注意点を解説します。

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編集・検証

まるっとAI編集部

介護記録をAIで清書する前に、入力してよい情報と職員の確認手順を決める方法を説明しています。